司書資格の難易度は? 司書採用試験の合格率についても解説
しかし、そもそも司書(図書館で働く職員)の求人が非常に少ないこともあって、取得しておくほうが職員採用試験時に有利になりやすいのも事実です。
ここでは、司書資格の特徴や、資格の難易度や合格率について紹介します。
司書資格とは
図書館で働く司書には、国家試験はありません。
文部科学省令が定めた内容を、大学や司書講習で学んで修了すれば、無試験で「司書の資格」を取得できます。
なお、司書として働くためにも、この資格が必ずしも求められるわけではありません。
ただし、実際の図書館の求人を見てみると、「司書資格を持っている人のみ応募可能」となっていたり、有資格者が優先的に採用されたりすることが多いようです。
そのため、将来的に「どうしても司書として働きたい」と考えているのであれば、司書の資格を取得しておくことが望ましいといえます。
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司書資格の取得方法
司書の資格を取得する方法は大きく分けると3つあります。
- 大学(短大を含む)または高等専門学校卒業生が「司書講習」を修了する
- 大学(短大を含む)で司書資格取得に必要な科目を履修し、卒業をして資格を得る
- 3年以上司書補としての勤務経験者が「司書講習」を修了する
なお、司書講習が行われる大学は数が少なく、例年全国5大学程度となっているため、事前に以下の文部科学省のページでよく確認しておくことをおすすめします。
→参考:文部科学省 司書について
司書資格の難易度・勉強時間
大学で司書の資格を取得する場合、1年次から履修すべき図書館関係科目が設定されています。
自分の専門である必修授業と平行して受講しなければならないため、多くの場合、朝から夕方までびっしりと授業が詰まっている時間割になります。
4年制大学であれば、3年生までに資格を取り終えて翌年の司書採用試験に臨む学生が多いこともあり、入学当初から履修している科目は確実に単位を取れるよう、日々の努力が求められます。
司書講習や通信教育で資格を取る場合も、強い意志を持って計画的に学習を進めなければなりません。
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司書資格の合格率
前述のように、司書の資格自体は既定の講習を受けることで取得が可能です。
他の資格試験のように筆記試験や面接などが求められるわけではないため、合格するために何度もチャレンジしなければいけないということもありません。
コツコツ勉強を続けていれば、いずれは手にすることができる資格なのは間違いないでしょう。
しかし、司書の資格が取得できても、実際に図書館で働くためには採用試験に合格しなければなりません。
司書は求人が少ないこともあって、この採用試験を突破することが非常に厳しいと考えておく必要があります。
代表的な図書館の種類別の採用試験の特徴
ここからは、日本にある代表的な図書館の採用試験の特徴を説明します。
国立国会図書館
国立国会図書館とは、国会議員の調査研究を行い、日本国民全体のために奉仕する図書館です。
国内で出版された全ての出版物を収集・保存する、日本唯一の法定納本図書館となっています。
この国立国会図書館で働く職員は「国会職員(特別職国家公務員)」という身分になり、公務員待遇で働くことができることもあって、採用試験は全国の図書館のなかでもとくに人気があり、難関といえます。
令和5年度
総合職:98.7倍
一般職(大卒程度):34.9倍
令和4年度
総合職:102.7倍
一般職(大卒程度):64.7倍
令和3年度
総合職:98.7倍:98.3倍
一般職(大卒程度):54.0倍
国立国会図書館職員は、定期的に異動があり、調査業務・司書業務・一般事務のさまざまな業務を経験していくことが特徴です。
→参考:国立国会図書館の職員について
地方自治体の公立図書館
各地域の公立図書館に勤務したい人は、各自治体が実施する採用試験を受けることになります。
ただ、最近では「図書館司書」としての募集がほとんどありません。
まずは、一般行政職として地方公務員となり、その後に希望が通れば図書館に配属となるケースが一般的です。
こういった事情もあり、図書館司書として正規雇用で働く道はかなり険しい状況にあります。
民間企業が運営する図書館
最近は、行政が図書館の運営を民間に委託するケースも徐々に増えてきています。
そういった場合、委託されている民間企業が採用試験を実施し、図書館で働くスタッフを雇うことがあります。
図書館の形も時代とともに多様化してきているため、自分で積極的に情報を集め、司書として働くことができる道を模索してみるとよいでしょう。
「司書資格試験の難易度・合格率」まとめ
司書の資格は特別な試験を受けることなく、大学で所定の科目を履修したり、「司書講習」を修了したりすることで取得可能です。
そのため、資格取得自体の難易度はさほど高くありませんが、司書は求人が非常に少ないこともあって、資格をしても必ずしも就職できるとは限りません。