専門商社の現状と将来性

専門商社は安定した業界

日本は資源に乏しい国です。それでも各産業のメーカーが大きく成長を遂げてきたのは、物資の輸出入をスムースにしてきた商社の存在が大きいでしょう。

総合商社が貿易だけでなく事業投資やエネルギー投資に力を入れている反面、専門商社は特定分野の商品に特化して貿易事業を行うことで、日本の産業を下支えしています。

大小さまざまな商社の存在なくしては、日本経済は成り立ちません。

日本にビジネスがある限り、専門商社は必要とされる存在です。そのため、全体的に言えば専門商社は安定した業界といえます。

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分野により異なる現状

専門商社業界は全体的には安定していますが、扱う商品の分野によっては浮き沈みもあります。

たとえば鉄鋼系の専門商社は、近年では海外から仕入れた資材を加工してアジア圏に輸出するビジネスが需要を増しており、売上げは伸びを見せています。

しかし食品分野の専門商社は、円安傾向で苦しい中、低価格を保ちたい小売業界からの値下げ要求の板挟みになり、苦戦を強いられています。

しかし海外での日本食ブームにあやかり、日本の食材を海外に輸出するビジネスも盛んになってきています。

売上げや業績がダイレクトに給料に反映されやすい業界ですから、安定した高収入を希望する場合は、じっくり業界研究を積んでから就職先を選ぶのがおすすめです。

専門商社の将来性は?

専門商社はサプライヤーと顧客の仲介役を勤め、ビジネスの流れをスムースにする役割を担っています。その手数料として利ざやをとっているのです。

しかし日本企業でもグローバル化に適応しようという動きが活発になってきています。また経費削減の思惑もあって、専門商社を通さずにサプライヤーと直接取引するメーカーや小売業者が増えてきています。

こうした流れの中で、専門商社業界が安定した成長を続けるには、これまで以上の付加価値を取引先に認めてもらう必要があります。

取引先への提案力を高め、さらにビジネスを便利に、効率的にしていくことが、専門商社業界の使命といえるでしょう。