電気工学とは? 大学で学ぶことや就職先は?
電気工学の概要・理念
私たちの暮らしには、あらゆるところで電気が使われています。
電気をエネルギーとしてとらえ、その発生と効率的な活用について研究することを通して応用する方法を研究するのが電気工学です。
電気エネルギーの発生や変換、電気回路の制御・計測などの研究をはじめ、半導体に関する研究や超伝導応用、あるいは情報・通信・メディアという切り口で研究を進めることもあります。
また、電磁波の一種である光に着目し、光通信やダイオードといった技術について研究するのも電気工学の分野の1つです。
このように、電気工学では電気全般を幅広く研究対象とし、私たちの暮らしに欠かせない電気のエネルギーをより効率よく活用しつつ、新たな技術を応用することも視野に入れて研究を行います。
電気のエネルギーは石炭や石油といった化石燃料に代わる新しいエネルギー資源ととらえることもできるため、地球環境を守り、これからの社会を支える学問として注目を集めています。
電気工学で学ぶこと
電気に関する研究分野は「重電(強電)分野」と「弱電分野」に大きく分けることができます。
重電分野においては、電気を生み出す方法や発生した電気の輸送方法とその設備、電気エネルギーを光・熱・磁気などのエネルギーに変換して応用する方法について学びます。
一方、弱電分野とは記憶媒体やデジタル回路などのハードウェアを専門とする領域のことで、インターネットなどで利用されている光通信技術や電話などの伝達技術、半導体などの研究を行います。
電気工学では主に重電分野の研究が行われ、弱電分野は電子工学の領域とされる場合もありますが、実際には重複している部分も多く、弱電分野に踏み込んだ研究が電気工学で行われていることもあります。
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電気工学の大学での授業科目の例
電気回路
抵抗、コイル、コンデンサの受動素子で校正された回路の設計や方式について学びます。
電磁気学(電気磁気学)
電荷と電磁場の相互作用による電磁的現象を研究し、それによって生じる力について考察します。
計測工学
物理量を正確に測定するための方法論と用いる計器、測定誤差の検証・補償について研究します。
通信方式
端末間においてデータを送受信する方式について、全二重通信方式、半二重通信方式、単方向通信方式のそれぞれの特徴を学びます。
エネルギー工学
エネルギーを取り出す技術について学び、発生・輸送・貯蔵技術などについて研究します。
電気工学のレポート・テーマの例
電気工学のレポートでは、駆動方式や材料、装置の開発について論じるものがテーマとして多く扱われます。
実際に装置を製作し、その製作過程と実験結果、考察を報告することを目的としてレポートを作成する場合もあります。
- ・交流電動機の駆動方式について
- ・次世代導電性プラスチック材料について
- ・太陽電池用材料の開発
- ・温風発生装置におけるコントローラ作成
- ・バッテリーレスEVシステムの調査
電気工学と関連する学問
電気工学と関連する学問に電子工学があります。
電子工学では弱電の領域を主に扱いますが、電気電子工学として電気工学との境界を設けず研究が進められていることもあります。
また、電気工学においては電磁気や力学といった物理学の領域の知識を駆使することが少なくありません。
回路設計においては数学の知識が求められたり、装置を製作する上では材料学の知識が必要とされたりすることもあります。
エネルギーという観点で研究する場合、化石燃料と電気エネルギーをどう活用していくかを考えることになるため、環境科学も関わりの深い学問領域となります。
電気工学を学んで就職に有利な業界・仕事
私たちの暮らしは電気と密接に関わっているため、職業という視点で見た場合、電気工学を学んで得た知識を活用できる業界・職業は非常に広い範囲に及んでいます。
電気機器や電力、情報・通信、機械、建設といった各業界において、電気工学の専門知識を持つ人材が求められています。
職種としては、技術者や品質管理、生産管理、機械機器設計、エンジニア、営業といった方面で活躍できる可能性があります。
電気工学は日本の技術力の高さを裏打ちするためにも必要とされる専門知識であることから、総じて就職に強く、幅広い業種・職種が選択肢となります。
電気工学で学んだ知識を活かし、電気主任技術者の資格を大学在学中に取得しておけば、就職時に強みとしてアピールすることも可能です。
工学部電気工学科の大学院において研究に取り組んできた人材の中には、大手メーカーや開発会社などへの推薦が複数あるケースも見られるなど、これからの社会においても求められる専門知識を持った人材として注目されています。
電気工学の知識は人生でどう役立つ?
電気工学で学んだ知識は、電気工学技術者として活躍していく上での基礎となります。
電気工学技術者は単に電気エネルギーを利用する機器や装置に詳しいだけでなく、物理や化学の諸現象を解明するための研究や、新素材の開発、システム研究といった広範にわたる分野での活躍が期待できます。
その基礎研究の成果は社会の基盤として活かされており、私たちの暮らしを支えるインフラとして重要な役割を担っています。
電気工学技術者としての基礎を学ぶことで、世の中になくてはならない技術を理解し、新しい技術が登場した際にもその仕組みや応用の仕方を素早く習得することができるでしょう。
このように、電気工学で得た知識や技能は、時代の変化に左右されることのない汎用的な力として、今後も役立てていくことができるはずです。
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