臨床心理士になるためにはどんな勉強が必要?
臨床心理士になるための勉強
臨床心理士になるためには、指定大学院もしくは専門職大学院といわれる大学院を修了する必要があります。
大学院の入学試験では、まず専門科目というものが実施されます。
専門科目は範囲が広く、大学院によっても出題傾向や範囲は異なります。
心理学の専門用語の意味や、心理学の基礎的な考え方を問うものが中心となっているようです。
また、ほとんどの大学院の試験では専門科目以外に英語の試験が実施されています。
その内容は専門的な内容の英文の和訳や要約が中心となっています。
基本的な単語や文法を理解しておくほか、幅広いジャンルの英文を読めるようにしておくとよいでしょう。
英語については、臨床心理士になってからも英文の文献や専門書を読むことがあるため、実力をつけておくに越したことはありません。
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指定大学院の臨床心理実習
臨床心理士の指定大学院では、座学での講義に加えて「臨床心理実習」があり、実際にカウンセリングを経験する機会が得られます。
臨床心理実習は、修士課程の1年次の後半から2年次にかけて行われるのが一般的です。
大学院と連携した病院や児童養護施設、福祉センターなどの各施設や、学内の心理臨床センターなどで実施されます。
実習を経験することによって、現場でどのようにカウンセリングを進めていけばよいのかを深く考えるきっかけになることは間違いありません。
自分のカウンセリングについて優れている点や改善すべき点を先生から教わることもできます。
臨床心理実習の内容
臨床心理実習は、医療現場や教育現場、さらには福祉や司法の領域まで、さまざまな現場で実施されています。
実習先ごとに経験できるカウンセリングのケースは異なりますが、大学院で学んだ知識を確認しながら仕事への理解を深めていくことが目的です。
実習生が、重度の精神病を抱えたクライエントと接するようなことは基本的にありません。
先生のカウンセリングを見学したり、自らカウンセリングを行う際には比較的やさしいといえるケースを担当します。
臨床心理実習は、臨床心理士として就職し、仕事をスタートする前段階として、非常に重要な学びの時間です。
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臨床心理士認定試験について
臨床心理士の試験は、「一次試験(多肢選択方式試験および論文記述試験)」と「二次試験(口述面接試験)」で成り立っています。
一次試験の筆記は、100題のマークシートによる「多肢選択方式試験」と、定められた字数の範囲内で論述する「論文記述試験」の2種類があります。
「多肢選択方式試験」では、心理学の基礎的設問が出題されます。
さらに、基本業務である「臨床心理査定」「臨床心理面接」「臨床心理的地域援助」「それらの研究調査」に関する専門知識が問われます。
これに加えて、臨床心理士に関する倫理・法律などの基礎知識、基本的な姿勢や態度といった問題も出題されます。
こうした内容は、大学院に入るまでにしっかりと受験対策などの勉強をしておくことが必要です。
資格試験対策の参考書や問題集を利用して勉強をしていけば、さほど難しいものではないでしょう。
継続的な勉強は不可欠
臨床心理の世界では、いざ仕事を始めてからも勉強を続けることが欠かせません。
たくさんの専門用語や技法の理解、それを実際のカウンセリングに生かすにはどうすればよいのかは、一朝一夕で身につくものではありません。
新しい論文や研究も次々と出てきます。
日常的にさまざまな専門書を読んだり、研修会や学会に出て情報を得たりすることも大切です。
先輩からスーパービジョンといわれる指導を受けて、専門家としての資質の向上を目指す必要があります。
コツコツ勉強を続ける姿勢がなければ務まらないのが臨床心理士です。