臨床心理士の実習ではどんなことを学ぶ?
指定大学院では必ず実施される
臨床心理士の指定大学院では、座学での講義に加えて、必ず「臨床心理実習」というものが行われており、実際にカウンセリングを経験する機会が得られます。
臨床心理実習は、だいたい修士課程の1年次の後半から2年次にかけて行われており、大学院と連携した病院や児童養護施設、福祉センターなどの各施設や、学内の心理臨床センターなどで実施されます。
実習を経験することによって、現場でどのようにカウンセリングを進めていけばよいのかをより深く考えるきっかけになったり、自分のカウンセリングについて良い点や改善すべき点を先生から教わることができます。
臨床心理実習は、臨床心理士として就職し、仕事をスタートする前段階として、非常に重要な位置づけといえる時間です。
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臨床心理実習の内容
臨床心理実習は、医療現場や教育現場、さらには福祉や司法の領域まで、さまざまな現場で実施されます。
実習先ごとに経験できるカウンセリングのケースは少しずつ異なりますが、臨床心理実習の大きな目的は、大学院で学んだ知識を確認しながら仕事に対する理解をさらに深めていくこととされています。
実習生が、重度の精神病を抱えたクライエントと接するようなことは基本的にありません。
先生のカウンセリングを見学したり、自らカウンセリングを行う際には比較的やさしいといえるケースを担当します。
実習への臨み方
いくら「仕事を体験する機会」とはいえ、実習の最初はそれまで勉強してきたことをカウンセリングにどう生かせばいいのかわからず、壁にぶつかる人も多いようです。
しかし、必ず臨床心理士の資格を持つプロのカウンセラーや先生が見てくれています。
困ったことや、自分一人で解決できないようなことがあれば、すぐに相談することが大切です。
臨床心理実習によってカウンセリングの奥深さがわかり、よりこの仕事に対する情熱がわきあがったという声もよく聞かれます。
過度に不安にならず、前向きに実習に取り組みながら、課題が出てきたら一つずつ確実に解決する姿勢で臨むとよいでしょう。