パティシエへの転職・未経験からなるには?
パティシエへの転職状況は?
憧れをもってパティシエになっても、労働環境の厳しさから辞めてしまう人が多いのが洋菓子業界の現状です。
パティシエの人材が不足しているお店も少なくないので、未経験であっても転職者の需要は大きいほうだといえます。
しかし、実際に他業界から転職をしようと思っても、下積み期間の長さや体力勝負であること、未経験ではアルバイトからの採用となるお店が多いことなどから、パティシエになる厳しさを感じるケースが多いようです。
社会に出てからパティシエになりたいという人はある程度いますが、実際に転職をかなえる人はあまり多くないのが実情です。
ただし、お菓子作りへの情熱が人一倍ある人や、厳しくてもいいから夢を叶えたいという強い思いがある人であれば、パティシエへ転職して活躍することも不可能ではありません。
20代で正社員への就職・転職
パティシエへの転職の志望動機で多いものは?
未経験や他業界からパティシエへの転職を志望する理由としてもっとも多いのが「子どものころからの夢をかなえたい」というものです。
将来の夢を尋ねられて「ケーキ屋さん」と答える子どもはとても多いですが、パティシエになるには専門的な知識を学ぶ必要があるため、実際に夢をかなえる人はそのなかでも一部でしょう。
高校を卒業してまわりと同じように大学へ進み、企業に入って会社員になったけれど、「やっぱりパティシエになる夢をかなえたい」と思い、転職を決心する人が多いようです。
また、ほかの仕事に就きながら趣味として洋菓子作りをしている人が、自分の作ったお菓子をたくさんの人に食べてほしいという思いを持って、プロになることを目指すケースもあります。
未経験・社会人からパティシエになるには
未経験者を対象とする求人は多い
いま、パティシエを目指す人の多くは製菓専門学校で学んだのち、専門店やホテルなどに就職しています。
こういった人たちは、製菓の基礎知識や技術を持っている分、やはり就職時においても有利となることが多いです。
しかしながら、真面目に、一生懸命に仕事に取り組む姿勢があれば、自分で少し本を読んだくらいの知識しかなかったり、実務は未経験だったりする人でも、パティシエとしての一歩を踏み出すことは十分可能です。
製菓作りに携わる人を求める場は多く、地域にもよりますが、大都市近郊で求人が見つからないということはまずないでしょう。
ただし、未経験者のスタートは基本的にアルバイトから、良くても契約社員スタートとなっています。
しかし、パティシエは腕さえあればより良い条件の店に移ることができますし、自分でいくらでも生きる道を切り開くことができます。
まずは現場に入り、パティシエとしての人生をスタートさせることが大切ではないでしょうか。
見習いからスタートする
未経験者が現場に入れば、「見習い」としてスタートします。最初は雑用的な仕事ばかり任されるかもしれません。お店によっては、1年目は販売を経験させることもあります。
いずれにせよ、すぐに憧れていたケーキ作りを任せてもらえることは普通ありません。
大手企業やホテルなど、規模の大きな職場になればなるほど分業制がとられていたり、教育マニュアルがしっかりとできていたり、見習いから序列がある中で確実に力をつけていける環境があるといえます。
一方、地域に根付いた個人オーナーの店などでは、シェフ直伝で早くから菓子作りの技術を指導してもらえることもありますが、その店のパティシエ独自の技術を得ることになるため、どこでも確実に生かせるスキルを得るという面ではデメリットにもなるところがあります。
「とにかくどこでもいいからパティシエとして働きたい!」という場合以外は、「こうなりたい」という明確な目標を定め、夢に少しでも近づきやすい勤務先を選ぶほうがよいでしょう。
20代で正社員への就職・転職
パティシエへの転職に必要な資格・有利な資格
パティシエになるために必ず取得しなければいけない資格はありません。
他業界からの転職であれば、洋菓子作りに関する資格が求められることはあまりないでしょう。
未経験の場合は、専門的な知識やスキルよりも、パティシエになりたいという強い思いや、厳しい見習い期間を乗り越えられる体力などをアピールするほうが賢明です。
ただし、パティシエの転職に有利になる資格というものはあります。
国家資格のひとつである「製菓衛生師」は、お客さまが安心して食べられるお菓子作りの知識や技術を証明する資格です。
製菓専門学校などで1年以上学ぶと製菓衛生師の受験資格が得られるので、余裕のある人は転職する前に製菓専門学校などに通い、取得しておくのも一つの手です。
パティシエへの転職に役立つ職務経験は?
コミュニケーション能力が問われる仕事は多いですが、パティシエもまた然りです。
職人的な要素も存分にある仕事ですが、同時に人の考えをくみ取り、自分のやりたいことを伝える能力も欠かせません。
パティシエは他のスタッフと一緒にもの(商品)を作り上げていくため、自分の技術力を高めるだけでなく、大勢の人の中で上手に立ち回る力が求められます。
どのような職種かにかかわらず、チームで何かを成し遂げた経験や、社内・社外を問わず人と協力しながら仕事を進めた経験があれば、転職の際のアピールになります。
また、将来的に独立するのであれば、自ら店の経営計画やマネジメント、顧客開拓までしていく必要があります。
パティシエとしての開業後は、ほかの仕事で培った営業やマーケティングのスキルも生かせるでしょう。
パティシエへの転職面接で気をつけるべきことは?
パティシエへ転職する際の面接では、新卒採用のようにパターン化された質問をされるというよりは、雑談のように話を聞いてくれる職場が多いです。
お店の規模が小さくなるほど堅苦しい面接ではなくなりますが、そのなかでも志望動機や現在の仕事について、将来はどうしたいかといった基本的なことは必ず聞かれるといってもよいでしょう。
他業種かつ未経験からの転職となれば、採用担当者は「なぜあえて厳しいパティシエという職業を選ぶのか」いうことが気になるはずです。
ただ「お菓子が好きだから」、「小さいころから憧れていたから」という思いを伝えるだけでは、採用にまで至らない可能性があります。
パティシエとして修業を積んでいく覚悟や、体力や忍耐力があることをアピールできると、担当者への印象はよくなるでしょう。
また、パティシエは食品を扱う職業なので、清潔感のある身だしなみで面接に臨むことが大切です。
パティシエに転職可能な年齢は何歳くらいまで?
転職は何歳まで可能?
いざ社会に出てみたものの、「幼い頃に夢見ていたパティシエへの気持ちが捨てきれない!」と、パティシエへの転職を考える人は少なくないようです。
しかし、いざパティシエへ転職しようとする場合、何歳まで夢を実現することが可能なのでしょうか?
これは「働きたい店(企業)やその人次第」というところですが、20代半ばを超えると未経験者の転職は厳しくなることもあるようです。
というのも、高校卒業後にすぐ製菓専門学校へ進学し、ストレートで現場に出る人は20歳くらいです。
製菓の世界は若いうちから見習いとして経験を積んでいく人が多いため、ある程度の年齢に達する未経験者は、なかなか受け入れにくい環境となっています。
年齢を重ねると未経験からの転職は厳しい
とはいえ、パティシエは本人の意欲が最も問われる仕事です。
パティシエへの強い情熱を持ち、それなりの準備をしてきた人であれば、年齢を重ねても受け入れてもらえる職場はあります。
実際、30歳を超えてからこの世界に入る人もいます。
しかし、「パティシエってなんだか楽しそう」といった憧れだけではとても続かない仕事であるため、仕事の厳しさをきちんと理解していることや、転職する前に専門学校で基礎的なことを勉強しておくことは考えたほうがよいでしょう。
何の知識もない人を受け入れてくれる店もありますが、最近は多くのパティシエ志望者が専門学校で学んでから就職するため、まったく知識がないところから転職するのはなかなか厳しいと考えておいたほうがよいでしょう。
未経験からパティシエの転職での志望動機
「私は、子どものころからケーキやクッキーなどの洋菓子作りが大好きで、よく家族や友人に手作りのお菓子をプレゼントしていました。
現在はアパレルショップにて販売と商品管理をしていますが、今も趣味として休日の空いた時間にケーキを焼いたりしています。
自分が作ったお菓子を職場の同僚や友人に食べてもらい、おいしかったと言ってもらえることに喜びを感じており、幼いころの夢であったパティシエになりたいという思いが日に日に強くなってきました。
パティシエに転職しようと決めた時、まず真っ先に募集を探したのが幼いころから利用していた貴店でした。
初めて貴店のケーキをいただいたとき、おいしさはもちろん、見た目の美しさに感動したことを覚えています。
パティシエとしての実務経験はありませんが、貴店では先輩方のご指導を受けながらしっかりと修業を積んでいきたいと考えています。」