【2023年版】公務員採用試験の内容・難易度や倍率はどれくらい?
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公務員になるには試験の受験が必須
公務員として働くには、「公務員試験」を受験する必要があります。
ひとことで公務員といっても国家公務員と地方公務員がおり、それぞれで、多様な職種に就く人がいます。
公務員試験は職種や職務などに応じて行われており、たくさんの種類があります。
たとえば、国家公務員では「総合職試験」「一般職試験」「専門職試験」などがあり、さらに試験の種類によっては「大卒程度」「高卒程度」など、難易度別に実施されています。
地方公務員では、都道府県や政令指定都市、特別区、市町村といった自治体ごとに試験が実施されています。
そして「上級」「初級」といったように、難易度別の試験を行う自治体もあります。
試験によって年齢などの受験資格などに違いがあるので、公務員になりたい場合には、まずどの試験を受験したいのかを考えて、各試験の詳細を事前によく調べておくことが重要です。
公務員になるためにはどんな大学・学部に行けばいい? 学歴は必要?
公務員試験の内容
公務員試験の内容は、試験の種類によって多少の違いがあります。
ただし多くの場合、「第1次試験」と「第2次試験」の2段階で行われており、第1次試験では基礎能力試験や専門試験などが実施されます。
基礎能力試験では、文章理解や数的推理、資料解釈といった知能分野の問題と、自然・人文・社会といった各分野の知識に関する問題が出題されます。
専門試験では、受験する区分により出題される科目が異なり、行政(事務)区分では法律や経済を中心に、人間科学系区分では心理学や社会福祉を中心に、そして技術系区分では建築や機械などに関する専門知識が問われます。
第2次試験では、人物試験として、いわゆる面接が行われる場合が多いです。
志望動機の確認や自己PRなどを通して、公務員にふさわしい人物であるかどうかが判断されます。
このほか、試験によっては小論文やプレゼンテーションなどが行われる場合もあります。
代表的な公務員試験の難易度と倍率
国家公務員総合職
いわゆる「キャリア」や「官僚」といわれる人は、この総合職試験を受験し、採用されています。
公務員のなかでも最難関の試験といわれ、日本を代表する難関大学の学生が大勢受験するにも関わらず、大卒程度試験では倍率が10倍を超えることもあります。
国家公務員一般職
行政府で働く職員のうち、事務処理などの定型的な業務を担当する職員を募集する試験です。
総合職ほどではありませんが、難関大学の学生でも不合格になっているケースもあり、決して簡単な試験ではありません。
とくに近年では公務員の定数が削減傾向にあるため、競争率が高くなっています。
倍率は5倍前後となることが多いですが、年度によって差が出ます。
専門職試験
国家公務員のなかでも、特殊で高度な専門性が求められる仕事に就くための試験です。
大卒程度レベルでは、「国税専門官」「財務専門官」「労働基準監督官」「食品衛生監視員」「皇宮護衛官」「法務省専門職員(人間科学)」「外務省専門職員」「航空管制官」の各職種において、専門職試験が行われています。
試験によって試験科目には違いがあり、倍率は5倍程度のものから、20倍、30倍を超えるようなものまでまちまちです。
地方公務員(地方上級・地方中級・地方初級)
上級は大卒程度レベル、中級は短大卒程度レベル、初級は高卒程度レベルの試験です。
都道府県や政令指定都市、特別区などで行われています。
受験資格は年齢要件のみの場合もありますが、自治体によっては学歴制限を設けており、たとえば初級と中級は大卒者が受けられないようにしているなどのケースもあります。
都道府県の試験は、国家公務員一般職と同等の難易度といわれることがあります。
基本的には、規模の大きな自治体の人気が高まる傾向にあり、東京都、愛知県、千葉県、埼玉県、また特別区や横浜市、神戸市、名古屋市などは難易度が高めです。
さらに、各自治体で「初級」の試験よりは「上級」のほうが難易度が高いとされます。
市役所上級・市役所初級
地方公務員試験のうち、政令指定都市を除く一般の市で実施される試験です。
上級は大卒程度、初級は高卒程度の難易度となっています。
市役所でも、自治体によって倍率にはかなりの差が出ます。
試験内容も自治体ごとに異なるので、受験予定の自治体の情報をよく調べておく必要があります。
資格免許職
医師、看護師、栄養士、薬剤師など、特別な資格・免許が必要とされる仕事に就くための公務員試験です。
該当の資格・免許を取得(あるいは取得見込み)したうえで、試験を受ける必要があります。
すべての自治体で採用を行うわけでなく、試験内容も自治体によってまちまちです。
倍率は5倍~10倍程度になることが多いですが、採用人数が少なかったり人気があったりする自治体では、20倍を超えるようなこともあります。
経験者採用試験
国家公務員、地方公務員ともに、最近では民間などでの経験者を採用する「経験者採用試験」も積極的に行われています。
経験者採用では、行政の多様化するニーズに応えるために即戦力となる人材を確保することが目的とされます。
また、民間のさまざまな経験を持つ人材を採用することで、公務員の職場を活性化させる目的もあるといわれています。
こうした経験者採用試験では、筆記試験での成績よりも、人柄や経験、知識の豊かさに重点を置いた選考が行われているようです。
自身の職務経験をしっかりと把握し、それを今後どう生かしていけるのか、前向きにアピールしていく姿勢が必要になります。
公務員試験は独学で合格できる? 勉強時間はどれくらい?
公務員試験の勉強はどうやってする?
予備校に通う人も多い
公務員試験を受験しようと思ったとき、まず多くの人が迷うのが「予備校に通うか、それとも独学で頑張るか」ということでしょう。
もちろん、予備校に通おうと、独学しようと、どちらのルートでも公務員試験を受験することは可能です。
しかし、全国には数多くの公務員試験の予備校が存在し、予備校に通って合格を目指す人がたくさんいます。
「予備校に通わないと合格できないのでは?」と思うかもしれませんが、独学で合格している人も少なからずいます。
予備校に通うべきかどうかは、受験する試験の種類や難易度、試験までの残り時間、現時点での学力、そして自分の性格などを総合的に考えていくとよいでしょう。
独学での勉強が難しい理由は?
ひとくちに公務員試験といっても、多種多様な試験が行われており、出題内容や難易度もまちまちです。
ただし、共通しているのは出題範囲が広いことです。
多くの公務員試験は、「教養科目」と「専門科目」で成り立っており、教養科目は大半の公務員試験で必須とされています。
数的処理や文章理解のほか、社会や理科、数学などに関連する問題、さらに時事問題も出題されます。
細かく分けていくと、地方上級でも30科目以上の勉強をする必要があります。
この幅広い出題範囲をカバーできるよう、計画的に勉強していかないと、合格はなかなか難しいです。
また、2次試験(論文・記述、面接・集団討論など)の対策までぬかりなく行っておくことも重要ポイントです。
合格のためには併願がおすすめ
「この試験以外では採用されたくない! 浪人もやむなし」という人以外、公務員試験合格のためには併願するほうがよいでしょう。
その年に受験した試験がたまたま超高倍率になる可能性もありますので、同レベルの試験でもいくつか受験をして、合格を目指すことをおすすめします。
実際、地方上級・国家一般職レベルの受験をする人でも、5つほどは併願しているケースが多いようです。
公務員試験の合格に必要な勉強時間
公務員試験に合格するための勉強時間の目安は、試験の種類によって異なります。
地方上級や国家一般職の場合、一般的には1000時間~1500時間が目安といわれています。
1日に3時間の勉強を継続しても1年は必要になってきます。
試験が直前になると、1日に7時間~9時間ほど勉強する人が増え、ラストスパートをかけます。
1日にどの程度の勉強量を維持できるかにもよりますが、できれば1年間、少なくとも半年以上の勉強期間を確保するのが、合格に近づく道だといえます。
試験日まで時間がなかったり、最短で合格したいのであれば、独学よりも予備校に通うことを選択する人が多いようです。
独学のメリット・デメリット
メリット
費用を抑えられる
公務員予備校の費用はコースにもよりますが、地方上級・国家一般職コースでは20万円〜40万円程度が相場となっています。
市販の書籍を何冊も購入したとしても、予備校に通う場合、それより費用は必要になってくるでしょう。
どうしてもお金をかけたくないという人には、独学のほうが魅力的に感じられるはずです。
自分のペースで学習ができる
独学のもうひとつのメリットとして、自分のペースで勉強していけることが挙げられます。
予備校では、カリキュラムに沿って講義を受けることになるので、ある程度学習のペースが決まってきます。
自分でスケジュールを立てるのが苦手な人にはよいのですが、マイペースで勉強したい、微調整をしながらスケジュールを組み立てたい人には、独学のほうがやりやすいかもしれません。
デメリット
継続的に勉強を続ける意思が必要
独学で最も難しいのは、自分で計画を立てて、コツコツと勉強を続けることかもしれません。
最初は多くの人が張り切って勉強できるのですが、1ヵ月、2ヵ月…と経つうちにペースが落ち、「今日はいいや」など、ついだらけてしまう可能性があります。
目標に向けてコツコツと努力し、自分で自分を奮い立たせられる人でないと、独学は難しいでしょう。
試験の最新情報を集めにくい
予備校であれば、試験に関する最新の情報は学校側が積極的に提供してくれます。
もちろん、いまはネットを使って簡単に自分で情報収集することも可能ですが、勉強に追われていると、その手間にわずらわしさを感じることがあるかもしれません。
面接対策がしづらい
筆記対策は独学で十分に頑張れるとしても、面接対策に手を抜いて、試験に失敗してしまう人もいます。
身の回りで面接のアドバイスをくれる人がいればいいですが、そうでない場合、予備校などが主催する単発の講座もありますので、積極的に参加することをおすすめします。