タクシー運転手の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「タクシー運転手」とは

普通自動車第二種運転免許を持ち、タクシーに乗ったお客さまを目的地まで安全に運ぶ。

タクシー運転手は、タクシーにお客さまを乗せて目的地まで運ぶ仕事です。

タクシーには大きく分けて「法人タクシー」と「個人タクシー」の2種類があり、前者ではタクシー会社の社員として、後者では個人事業主として働くことになります。

タクシー運転手として働くためには「普通自動車第二種運転免許」が必須となりますが、タクシー会社への入社時点では「第一種運転免許」のみ必要とされることがほとんどです。

特別な学歴は求められませんが、お客さまに安心していただくための運転技術はもちろんのこと、地理や交通事情に関する知識、さらにサービス業として正しいマナーや接客態度なども身につける必要があります。

給料は基本的に歩合制となっているため、その月によって収入は変動します。

最近のタクシー業界では競争も厳しくなっているものの、実力をつけて「稼げる運転手」になれば、高収入を得ることも夢ではありません。

「タクシー運転手」の仕事紹介

タクシー運転手の仕事内容

高い運転技術で、安全・快適にお客さまを目的地まで届ける

タクシー運転手とは、タクシーにお客さまを乗せて、目的地まで運ぶ仕事です。

走りながらお客さまを探す「流し営業」、あるいは駅やホテルのタクシー乗り場でお客さまを待つかたちで、営業を行います。

このほか、会社から入る無線によって、お客さまを指定の場所(自宅など)へ迎えに行くこともあります。

タクシーは「法人タクシー」と「個人タクシー」の2種類に分かれ、前者はタクシー会社の社員、後者は個人事業主として働きます。

タクシーは、人々の「足」となる重要な移動手段です。

とくに電車やバスの運行がない深夜から早朝にかけての時間帯、またこれらの路線がない(少ない)地域では、タクシーは社会的にも重要な役割を果たしています。

「接客業」としての意識も必要

タクシー運転手は、お客さまと直接コミュニケーションをとる「接客業」でもあります。

丁寧な受け答えや明るい笑顔、ちょっとした気遣いや気配りが求められます。

お客さまによってはタクシー運転手との会話を楽しみたいと考える方もいるため、相手の様子を見て、臨機応変に対応する力が必要です。

タクシー運転手として成長していくためには、高度な運転技術や地理の知識を学ぶことは不可欠ですが、同時に接客業としての高い意識を持つことも欠かせません。

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タクシー運転手になるには

21歳以上で「普通自動車第二種運転免許」を取得できる

タクシー運転手は、特別な学歴が求められる職業ではなく、やる気さえあれば誰でも目指せます。

しかし、タクシーにお客さまを乗せて運転するには「普通自動車第二種運転免許」が必要です。

この免許を得るためには、一般の自家用車などを運転する際に必要となる「普通自動車第一種運転免許」の取得から3年以上経過している必要があります。

つまり、18歳ですぐに一種免許を取得したとしても、そこから二種免許を取るためにはプラス3年が必要で、タクシー運転手になれるのは早くて「21歳以上」ということです。

一種免許があれば入社できるタクシー会社も多い

新人タクシー運転手のほとんどは「タクシー会社」に就職して働きます。

なお、タクシー会社によっては、入社時点での二種免許は取得必須ではなく「一種免許さえ持っていればOK」としています。

一種免許を取得している人の場合、入社後に会社のサポートを受けながら二種免許を取得し、社内研修(マナー研修など)を終えると、いよいよ現場に出ます。

なお、東京・大阪・神奈川の都市部で乗務する場合には、免許取得に加え、タクシーセンターで行われる地理試験にも合格しなくてはなりません。

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タクシー運転手の学校・学費

学歴は関係なく、実力勝負の世界

タクシー運転手には、学歴は一切といってよいほど関係ありません。

もちろん大卒のタクシー運転手もいますが、高学歴だからといって高収入が得られるわけではないのです。

たとえ高卒や中卒であっても、素晴らしい接客技術や運転技術をあわせ持ち、バリバリと稼いでいるタクシー運転手もいます。

タクシー運転手は実力勝負の世界といえるため、学生時代の成績よりも、仕事に就いてからどれだけ売上を伸ばせるかが大事になってきます。

勉強が苦手でも構いませんが、熱意をもって仕事に取り組む姿勢と、タクシー運転手として求められる知識やスキルを真剣に習得しようという心意気は大切です。

タクシー運転手の資格・試験の難易度

タクシー会社に入ってから二種免許を取得できる場合も

タクシードライバーとして働くには「普通自動車第二種免許」が必要になります。

二種免許には道路交通法上の規定により「一種免許の取得後3年以上が経過していること」という条件があるため、早くて21歳以上から取得可能です。

ほとんどのタクシー会社では、入社時は一種免許さえ持っていればOKとしており、二種免許の受験費用は会社側で負担してくれます。

ただし、二種免許を会社負担で取得した場合、会社との契約によって拘束期間(一定期間働かない場合、免許取得費用の返還を求めるなど)が生じる可能性もあるため、契約内容をよく確認しておきましょう。

二種免許の試験は、運転技能試験と学科試験、適正検査(視力・深視力など)で構成されており、きちんと事前準備をして臨めば、そう難しいものではありません。

タクシー運転手の給料・年収

「歩合制」により、売上に応じて給料が変動する

タクシー会社で働くタクシー運転手の給料は、基本的に「歩合制」となっています。

自分が売り上げた金額の60%~65%程度が手元に入る仕組みになっているため、その月によって収入の額は変わります。

厚生労働省の調べによれば、タクシー運転手の平均年収は300万円程度となっていますが、実際には人によって大きな差が出ると考えておいたほうがよいでしょう。

全体的に見ると、お客さまの数が多い都市部のほうが稼ぎやすく、地方では稼ぎにくいといわれています。

自交総連が調査した都道府県別の年収データ(2019年)を見ると、東京が484万円なのに対し、最も低い秋田県では240万円台にとどまっています。

とはいえ、タクシー会社では社会保険完備、休暇制度や手当の充実などに取り組んでいるところも多いため、ある程度は安心して働けるでしょう。

個人タクシーの運転手の給料・年収

独立・開業して「個人タクシー」の運転手になると、稼いだ分の金額はそのまま得ることができます。

車代やガソリン代は自己負担となりますが、たくさんの売上を得れば、タクシー会社で働く運転手より収入を大きくアップさせることも可能です。

しかし、独立した場合は会社員のような福利厚生はなく、収入の保証がまったくないという厳しさがあります。

リスクの大きなチャレンジをするか、それとも安心感をとるかは、人によります。

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タクシー運転手の現状と将来性・今後の見通し

訪日観光客や高齢者の送迎など、新たな市場の拡大も

人手不足とされるタクシー業界ですが、原油価格の高騰や「ライドシェア」の普及により、経営状態が芳しくない状況に陥っている会社もあるのが実情です。

それでも訪日観光客の増加や高齢者の送迎といった需要が拡大しており、現在ではタクシー業界全体で新たな市場づくりに取り組んでいます。

タクシー運転手は学歴関係なく、自分自身が健康でありさえすれば、高齢になっても働くことが可能です。

また、頑張れば頑張るほど収入を上げるチャンスもあるため、その点にやりがいを感じて長く働き続けている人もいます。

しばらくは安定した需要が続くと考えられますが、将来的に「自動運転」が実用化され、世の中に普及すれば、タクシー運転手の職が奪われてしまう可能性も否定はできません。

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タクシー運転手の就職先・活躍の場

タクシー会社に勤務するほか、個人事業主として働く人も

タクシーには大きく分けて「法人タクシー」と「個人タクシー」の2種類があり、前者ではタクシー会社の従業員として、後者では個人事業主として働くことになります。

タクシー会社の従業員になる場合、その会社が保有するタクシーに乗務し、会社の「顔」として運転の仕事をします。

一方、個人事業主になる場合は、運転手個人が所有するタクシーに乗務し、自分で勤務時間などを設定して仕事をします。

なお、タクシーには「営業区域」が法令で定められており、各都道府県の運輸局が管轄するエリアのみでの営業が可能です。

タクシー運転手の1日

お客さまの様子や状況で1日の動きは変わる

多くのタクシー会社では「隔日勤務」の勤務体系を採用しており、運転手は1回の出勤につき15時間~21時間ほど勤務します。

拘束時間はとても長いですが、乗務中に3時間程度の休憩時間もとれますし、日が変わって深夜に仕事を終えたその当日は「明け」といって、休むことができます。

「出勤日」と「明け」を繰り返して働くのが、一般的なタクシー運転手のスタイルです。

ここでは、タクシー会社で働くタクシー運転手の1日の例を紹介します。

6:40 出勤
7:00 車両点検
7:30 点呼・朝礼
8:00 営業開始
12:30 昼食
13:30 営業再開
16:00 休憩
18:00 営業再開
1:30 帰庫
2:00 営業報告・洗車
2:30 業務終了

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タクシー運転手のやりがい、楽しさ

毎日変化に富み、さまざまな人との出会いがある

タクシー運転手の大きなやりがいは、大好きな車を運転しながら、さまざまなお客さまとの出会いに恵まれることです。

ほんの短時間ではあっても、「タクシー」という空間の中でお客さまと同じ時間を共有することに、ワクワクする気持ちや楽しさを感じているタクシー運転手が多くいます。

また、タクシーでさまざまな場所を走っていると、自然と、その土地の地理や交通事情にも詳しくなるものです。

「毎日移り変わる季節を感じながら車を走らせることが魅力的だ」と話す運転手もいます。

車の運転が好きで、さらに人と関わることも楽しめる人であれば、やりがいを感じられるでしょう。

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タクシー運転手のつらいこと、大変なこと

慣れるまでは独特の勤務体系に慣れるのが大変

タクシー運転手の勤務体系は、一般的なオフィスワークの会社員とは少々違った独特のものとなります。

1日の勤務時間は15時間~20時間程度と長く、出勤日と休日を交互に繰り返す「隔勤」と呼ばれる働き方をするのが主流です。

土日休みの人よりも休日は多くとれる反面、1日の拘束時間が長いため、慣れるまでは少しきついと感じる人もいるでしょう。

また、長時間の運転をするため腰に負担がかかり、腰痛になりやすいといったことも苦労のひとつです。

体調と健康管理には、とくに気をつけて生活する必要があります。

お客さまとのやりとりでの苦労も

基本的に、タクシー運転手はお客さまを選ぶことはできません。

街を走っていて「乗りたい!」と意思を示すお客さまがいたら、快く迎え入れる必要があります。

予期せぬ出会いはおもしろさもありますが、ときには少し嫌なお客さまもいます。

たとえば泥酔して怒鳴り散らしたり、「時間に間に合わなければお金を払わない」など、何かと因縁をつけてきたりする人もゼロではありません。

運悪く、そうしたお客さまが続いてしまった日は、ストレスを感じることになるでしょう。

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タクシー運転手に向いている人・適性

一人での長時間運転が苦にならず、気配りが得意な人

タクシー運転手にとってまず大事なのが、「運転好き」であることです。

乗務中には自分一人だけで過ごす時間も長くなるため、一人の時間を苦にしない人、何時間も運転していても飽きない人に向いている仕事です。

また、タクシー運転手は「接客業」でもあるため、気配りが上手にできる人は適性があるといえます。

お客さまが社内で快適にお過ごしいただけるかを考えるのはもちろん、たとえば雨が降っているときには水たまりを避けて降車位置を決めるなど、細かい気配りができる人は信頼されやすいでしょう。

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タクシー運転手志望動機・目指すきっかけ

頑張ったぶん反映される給料や、休みが多いこと

タクシー運転手を目指す人は、もともと「運転が好き」「運転が苦にならない」という人ばかりです。

さらに、バスやトラックの運転手ではなく、あえて「タクシーを選ぶ理由」を持っていることが多いようです。

タクシー運転手の魅力はいくつも考えられます。

たとえば、すでに社会人経験があって転職したい人、あるいは定年後のセカンドキャリアとしてタクシー運転手がピッタリだと思ったと話す人がいます。

一般的に、タクシー運転手には学歴が求められず、年齢が高めでも健康であれば働けるため、その点に魅力を感じて目指す人は少なくありません。

ほかには、給料が「歩合制」のため頑張ったぶんだけ稼げることや、休日が多いことなどを理由に、タクシー運転手を目指すケースも見られます。

タクシー運転手の雇用形態・働き方

法人タクシーで経験を積み、個人タクシーへの開業も可能

タクシー運転手の多くは、まずタクシー会社の正社員として就職し、一般的な乗務員からキャリアをスタートします。

タクシー会社によって異なりますが、社内での教育・研修を経てから現場デビューとなります。

シニア世代の人など、一部の人はアルバイト・パートとして雇用されるケースもあります。

乗務員としてのキャリアを築いていった後は、そのまま会社で勤務する人もいますが、「個人タクシー」として独立・開業する人もいます。

個人タクシーを開業するには、たとえば35歳未満の人の場合だと「10年間タクシー会社に勤務し、無事故・無違反であること」など、さまざまな条件があります。

タクシー運転手の勤務時間・休日・生活

タクシー業界特有の「隔日勤務」

タクシー会社に勤務するタクシー運転手は、「隔日勤務」といわれる働き方が主流となります。

隔日勤務は昼日勤と夜勤を合わせた勤務体系で、休憩3時間程度を含む18時間前後の勤務時間となります。

隔日勤務の翌日は「明け」として休みになるため、拘束時間こそ長いものの、休日も多いのが隔日勤務のメリットといえるでしょう。

独特の生活スタイルに慣れてしまえばさほど負担を感じないと話す人が多く、有給休暇をくっつけて連休をとることも可能です。

なお、個人タクシーの運転手として働く場合には、勤務時間も休日も自分で決められます。

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タクシー運転手の求人・就職状況・需要

ドライバーの高齢化で若者の人手不足が深刻に

タクシー運転手の高齢化などの影響により、タクシー業界は深刻な人手不足に陥っています。

タクシー運転手は高齢になっても働ける仕事ではありますが、年齢が上がってくると、瞬間的な判断力や視力の衰えによる危機管理能力、車内最新機器への対応などの課題が残ります。

そのため、多くのタクシー会社は若者の採用活動に力を入れ、雇用を拡大しています。

積極的に新卒採用を行う会社や、女性にとって働きやすい職場環境づくりに注力し、女性運転手を増やそうとする会社も出てきています。

意欲さえあれば、タクシー会社へ入社することはさほど難しくないでしょう。

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タクシー運転手の転職状況・未経験採用

学歴・年齢不問の職業であり、転職しやすい

タクシー運転手は、比較的転職しやすい職業といえるでしょう。

未経験者を歓迎しているタクシー会社では、就職後に必要な免許を取得できる環境が用意されているため、実際に異業種から転職するケースもよく見られます。

現在はタクシー業界全体が人手不足の現状となっているため、各社が人手を欲している状況です。

こうしたことから、若いうちは別の仕事をし、セカンドキャリアとして休日を取りやすいタクシー運転手を目指す人もいるようです。

ただし、タクシー運転手は長時間の運転で体に負担がかかりやすく、人によっては年齢が上がると「きつい」と感じることがあります。