広告制作会社社員として働くには(大学・学歴・学部など)

クリエイティブ職は美大や芸術学部で勉強を

広告業界の企業を大きく分けると、企画や制作だけではなく営業、市場調査、分析なども含めた幅広い業務を行う広告代理店と、制作を中心に請け負う広告制作会社に分けることができます。

前者の場合は幅広い能力が問われるため難関大学の出身者が多いことで有名ですが、後者の場合はクリエイティブな能力に長けている人材を中心に採用することから、美術大学や芸術学部の出身者が多い傾向があります。

もちろん一般の大学や学部の出身者でも挑戦できるのですが、デザインに関する職種の場合は特に専門性が高いため、大学時代にデザインの基礎やソフトの使い方を勉強をしておくと即戦力になりやすいようです。

美大や芸術学部の有名どころとしては、国立では東京藝術大学、私立では多摩美術大学、武蔵野美術大学などがあります。

また、一般の大学や学部から広告業界をめざす場合は、大学によって「広告研究会」として広告の研究や制作の活動をしていることがあるので、こうしたサークル活動に参加するのもよいでしょう。

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デザイン専門学校で勉強する道も

広告制作会社の規模や仕事内容によっては、求人の際に「大学卒業」の学歴を条件としていないところもあります。

こうした企業に就職するのであれば、高校卒業後にデザインの専門学校で学んでから就職をめざすことも可能です。

最近では広告デザインを専門に学べる専門学校や専攻科もあるので、ポスターや新聞広告を制作するために必要なグラフィックデザインの基礎を学んだり、映像を制作するために必要なCG技術を身につけたりすることができます。

専門学校の場合は二年で卒業できるケースが多いので、どうしてもこの分野で働きたいという思いがあり一刻も早く現場に出たいのであれば、専門学校に進学することも選択肢に入れてよいのではないでしょうか。

広告制作会社社員に必要な資格、スキル

資格よりもセンスが不可欠

広告制作会社の社員として働く上で、絶対に必要な資格や免許というのはとくにありません。

広告制作会社には「コピーライター」「アートディレクター」「CMプランナー」などの職種がありますが、いずれにしてもクリエイティブな仕事である以上、資格や免許でその実力を証明するのは難しいからです。

コピーライターの仕事
アートディレクターの仕事
CMプランナーの仕事

何よりも作り上げた広告がものをいう業界であり、実力主義が徹底しています。

見る人の心に残る映像や言葉を生みだすセンスがあるかどうか、斬新なアイディアを思いつくことができるかどうか、クライアントや制作スタッフの意図を汲み取るコミュニケーション能力があるかどうかが、何よりも求められるスキルになると考えておいてよいでしょう。

デザインに関連する資格

アートディレクターやグラフィックデザイナーの場合はデザインの仕事に直接携わるので、映像制作の際に使用する機材やソフトを使う能力は磨いておいて損はないでしょう。

グラフィックデザイナーの仕事

illustratorやPhotoshopなどの基本的な使い方、CGアニメーションの制作技術などは、入社前でも自力で勉強することは可能です。

最近では広告制作のデジタル化が進んでおり、デザインの現場にも新しい技術がどんどん取り入れられています。

長年この仕事に携わってきたベテランの社員に比べると、パソコンやスマートフォンに慣れ親しんできた若手のほうが新しい技術に馴染みやすいという傾向もあるので、自分の強みにするためにも腕を磨いておくとよいでしょう。

コンテストにも積極的に参加を

広告業界においては、さまざまなコンテストやコンクールが開催されています。

プロだけではなくアマチュアも参加できるものも多いので、広告のコンテストやコンクールに積極的に参加して入賞歴を作ることで就職の際に実力をアピールする方法もあります。

手作りのCMをプランニングするコンテストや特定の商品やイベントのキャッチコピーを募集するコンクールなどさまざまなものがあるので、自分の実力を発揮できる場を探して挑戦してみてはどうでしょうか。

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広告制作会社の就職、求人、採用の状況

求人は多い傾向

広告業界は人気の高い業界なので、大手の広告代理店や広告制作会社の新卒採用試験は競争率が高いことで有名です。

その一方で、クリエイティブな能力の高さが問われるシビアな世界であることや、不規則な勤務スケジュールやハードワークとなる現場が多いことから、人材の入れ替わりが激しい業界としても知られています。

また、近年ではインターネットを利用するWeb広告の仕事が急増しており、企業によっては圧倒的な人手不足に陥っているようです。

このような背景から、広告制作会社の求人は多い傾向にあり、新卒採用だけではなく中途採用を積極的に行っている企業もあります。

雇用形態の特徴

広告制作会社の求人は多い傾向にありますが、雇用形態は正社員採用であるとは限りません。

この業界は実力主義のため、採用時点では「契約社員」や「アルバイト」としてスタートし、入社後しばらく先輩社員の補助をしながら適性や能力をチェックされることが多いのです。

特に、専門学校や大学を卒業したばかりの若いスタッフの場合、見習いとしてスタートして数年かけて勉強しながら「正社員」へとステップアップしていくことも珍しくありません。

仕事の面でも待遇や収入の面でも一人前になるまでに時間がかかることを理解したうえで、求人広告の内容をよくチェックするとよいでしょう。

フリーランスの多い業界

広告制作会社では、受注した広告物を自社の社員だけで制作するのではなく、フリーランスのクリエイターに外部発注する「業務委託」も非常に多く行われています。

コピーライターやデザイナーなどの仕事はパソコンやソフトさえあればどこででも作業ができるので、手が足りないときだけフリーランスのクリエイターに依頼し、会社に打ち合わせや納品に来てもらうという仕事のスタイルが可能なのです。

「広告制作会社の仕事に興味があるけれど、できるだけ自由度の高い働き方がしたい」と考えている人は、広告制作会社の業務委託のクリエイターの求人を探して応募するとよいでしょう。

広告制作会社の志望動機・面接

志望動機や得意分野をPR

広告制作会社の面接では、志望動機や得意分野について質問されることが多いようです。

この業界への就職を希望する人はクリエイティブな仕事をしたいという思いを持つ人ばかりで、非常に人気のある業界といわれています。

面接試験も激戦となることが多いので、自分がPRしたいことを事前に整理しておくことが大切です。

たとえば、学生時代に勉強したことと志望する職種がリンクしている人の場合、「芸術学部でパッケージのデザインの勉強するうちにその面白さに気付き、アートディレクターをめざすようになった」とか「心理学部で研究してきた実績を生かして、人々の購買意欲に働きかけるキャッチコピーを考えられるコピーライターになりたい」など、自分の得意分野と携わりたい仕事を具体的に語ることができると説得力が増します。

有名な広告をしっかり研究

また、広告制作会社の面接では、広告についての知識や意見を問われることもあります。

最近の広告や自分の好きな広告について研究しておくのはもちろんのこと、広告の歴史や、名作や傑作と呼ばれている作品についても一通り勉強しておくとよいでしょう。

たとえば、広告の代表選手ともいえるテレビコマーシャルは、テレビ放送が始まった1950年代から現代にいたるまで世の中に絶大な影響力をもっています。

1960年代に製菓会社のコマーシャルで放送された「あたり前田のクラッカー」が当時大流行のフレーズとなったことは広告の歴史を語る上でも重要な出来事です。

それから1970年代の「男は黙って(サッポロビール)」1980年代の「元気ハツラツ!(オロナミンC)」1990年代の「まずい、もう一杯!(キューサイ青汁)」など、優れたキャッチコピーや映像は多くの人々の記憶に残ってきました。

こうした広告がなぜヒットしたのかを自分なりに考えるとともに、今の時代にはどのような広告が求められているのかを柔軟な発想力で考えておくことも大切です。

人気のある業界だけに、漠然とした憧れだけを抱いて求人に応募する人も多いので、ライバルと差をつけるためにも業界研究をしっかり行うと面接で自分を強く印象付けることができます。

広告制作会社への転職を検討するなら、転職エージェントに相談してみよう

未経験や中途で広告制作会社を目指す場合には、転職エージェントに登録しておくのもおすすめです。

広告分野に強い転職アドバイザーから、業界情報を聞くことができたり、広告制作会社の「非公開求人」の情報を得ることができます。

まだ転職するか迷っている、そもそも広告制作会社が自分に合っているか不安という段階でも、専門家のアドバイスを聞くことでキャリア選択の幅を広げることができます。

リクルートエージェントは、転職エージェントの中で最も求人数が多く、転職実績もNo.1となっているので、まず登録しておきたいエージェントです。

また、20代の方や第二新卒の方は「マイナビジョブ20's」に登録してみるとよいでしょう。

20代を積極採用している企業の案件が多く、専任キャリアアドバイザーによる個別キャリアカウンセリングを受けることができます。

なお、対応エリアは「一都三県・愛知・岐阜・三重・大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀」となります。

どちらも登録・利用はすべて無料なので、ぜひ登録して気軽に相談してみてください。