検事と弁護士の違い
検事と弁護士の仕事内容の違い
「検事」と「弁護士」は、同じ法律のスペシャリストではありますが、仕事内容はまったく異なるといっていいでしょう。
検事は、事件の被疑者を起訴するか否かの権限をもつ国家公務員です。
依頼人は存在せず、事件ごとに金銭を受け取るようなこともありません。
一方、弁護士には依頼人があっての仕事です。
依頼人の自由や財産などを守るために、法律を駆使して問題解決にあたることで報酬を得るのが弁護士です。
また、検事が扱う事件は刑事事件が主なのに対し、弁護士は刑事事件はもちろん、交通事故や離婚問題、金銭トラブルなどの民事事件も多く扱います。
弁護士の場合は個々に得意分野があり、会社などの組織に属する場合もあれば、個人事務所を開設して仕事を請ける場合など、働き方の自由度が高いことも特徴です。
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検事と弁護士、なる方法・資格・スキルの違い
検事と弁護士は、ともに4年制大学の法学部などを経て、司法試験を突破するのが第一関門です。
司法試験に合格した後は、法律のプロを育成するための司法修習を1年間受けます。
司法修習は検事、弁護士、裁判官といった法曹になるために必ず受けなければいけない裁判所法で定められた教育で、高い倫理観と職業意識、実務で必要な知識や技法を学びます。
その後、二回試験と呼ばれる司法修習生考試を受け、合格することで検事や弁護士になる資格が得られます。
ここまでは検事も弁護士も同じですが、実際に働く上では必要とするスキルが変わってきます。
検事は被疑者の犯罪の真相を追求し、罪に応じた刑罰を求めるのが職務ですから、刑事訴訟法や刑法など刑事系法律の高度な知識に加え、調査能力も必要です。
対して弁護士は依頼人を守るのが第一の職務であり、量刑を軽くするための弁護能力が問われます。
また、刑事事件だけでなく民事事件も取り扱うため、幅広い法律知識も求められます。
検事と弁護士の学校・学費の違い
弁護士と検事になるために通うべき学校は基本的に同じです。
一般的には、4年制大学の法学部などを卒業し、その後、法科大学院に進みます。
法科大学院では3年間、法曹(弁護士、検事、裁判官)としての必要な能力と学識を養い、修了すれば新司法試験の受験資格と法務博士(専門職)の学位を得られます。
ほかの方法としては予備試験を突破し、司法試験に挑むケースがあります。
予備試験は学歴による受験資格がないため、自分に合った方法で目指すことが可能です。
しかし、予備試験の難易度を考えると独学では難しく、実際には資格学校や予備校など何かしらの学校に通うのが現実的といえるでしょう。
学費の目安は、国公立大学に通えば約240万円、私立大学の場合は約430万円(いずれも4年間)です。
その後、法科大学院でも学費が発生し、国公立大学の場合は学費だけで約80万円、私立大学の場合は大学によりますが平均すると約140万円といわれています(いずれも1年間の学費)。
予備試験を選択する場合、仮に専門学校に通うとすれば2年間でおよそ220万円かかるといわれており、1年換算すれば私立大学と同額です。
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検事と弁護士の給料・待遇の違い
検事の仕事は忙しいですが、国家公務員としての安定した待遇は魅力といえるでしょう。
新任検事の場合は年収300万円前後ですが、検事一号になれば年収1000万円を超え、東京高等検察庁検事長やその他検事長などになれば年収1500万円~1700万円にもなるといわれています。
一方、弁護士の場合は民間企業や個人事務所であるため、収入は自分の頑張り次第で大きく変わることが多いです。
法務省から発表されている資料によると、弁護士の1年目の平均年収は330万円、5年目の平均年収は680万円、15年目の平均年収は1300万円と、経験年数を重ねるほど上がっていく傾向にあります。
一般的な会社員に比べれば、年収は高めの職種といえます。
検事と弁護士はどっちがおすすめ?
検事と弁護士のどちらがおすすめかは、仕事に対する目標や希望の働き方に左右されます。
検事の場合は国家公務員の身分になるため、より正義感の強い人に向いています。
事件の真相を解明し、被疑者に適正な刑罰を与え、場合により更生を促すのは国民の社会生活を安全にすることにつながります。
一方、弁護士は法律の専門家とはいっても、個々で得意分野や専門とする領域が異なる場合が多いです。
依頼人のために動くことからも、総じてコミュニケーション力や精神力が高い人に向いているでしょう。
依頼人との意思疎通はもちろん、相手方の検察や弁護士、裁判官に正当性を訴えるだけの力が必要です。
さらに、検事は国家公務員として働きますが、弁護士の場合は独立して働ける選択肢もとれるため、独立意欲が高い人は弁護士が向いているでしょう。