警察官に転職するには? 年齢制限は?
警察官への転職状況は?
民間企業の場合、新卒採用と中途採用は別々の試験が実施されることが一般的で、その採用人数は新卒採用のほうが多いケースが目立ちます。
一方、各都道府県警察は職員の新規採用について、新卒者や既卒者、なんらかの職歴を持つ人などを区別することなく、同じ採用枠を適用して広く志願者を募っています。
このため、警察組織における転職者の需要は、新卒者とまったく同じだけあるということができるでしょう。
実際に、民間企業などから警察官を目指す人も多いため、各都道府県警察の受験申込書には、職歴を記載する欄が設けられています。
転職者には待遇面で若干のメリットがあり、地方自治体によって差があるものの、社会人として一定の職務経験があれば、給与に所定の金額がプラスされることが多いようです。
警察官への転職の志望動機で多いものは?
警察官への転職を志望するのは、公務員という安定的な身分を得たいという動機をもった人が多いようです。
とくに不景気が続く時代にあっては、民間企業の待遇に不満を抱く人も珍しくはなく、また雇用形態自体が不安定であるケースもあります。
それと比較すると、警察官は基本的に不祥事を起こしたり自ら望んだりしない限り職を失うことはなく、業務自体も景気動向などに左右されにくいため、安定した働き方が可能です。
採用難易度という点から考えても、ほかの公務員より警察官を目指すほうがチャンスが大きいでしょう。
また、民間企業などでの仕事にやりがいを感じられない人が、地域社会や人々に貢献するために警察官を志望するというケースもよく見られます。
未経験・社会人から警察官になるには
警察官になるには、警察官採用試験を受けて合格しなければなりません。
社会人として働いている人であっても、自身の学歴に応じて大卒者や高卒者と同じ枠のなかで競うことになるため、まずは筆記試験を突破するための学力を身につけることが必要です。
ただ、仕事に追われる社会人が勉強にあてられる時間は、どうしても学生より少なくなりがちなことは否めません。
独学で勉強する方法もありますが、公務員試験の対策を実施している予備校に通ったり、通信教育を受講すると効率よく学習できるでしょう。
さらに、日常的に運動する機会の少ない社会人は、体力試験で一定の水準をクリアするために、筋力トレーニングやランニングなどにも励んでおくべきといえます。
警察官への転職に必要な資格・有利な資格
警察官になるには、それぞれの区分に応じて、大卒や短大卒、高卒といった学歴が必要です。
ただ、警視庁(東京都)のように、まったく学歴を問わない自治体もあるため、各地方自治体の採用情報を確認してみるとよいでしょう。
また、自動車と自動二輪の運転免許は職務上必須です。
警察学校在学中に取得する方法もありますが、できれば就職前に取っておいたほうがよいでしょう。
取得していると有利な資格としては、柔道や剣道といった武道の段位や、スポーツ大会における表彰歴が挙げられます。
地方自治体によっては、武道の保有段位次第で「術科」といった一般採用とは別枠の試験を受けられる可能性もあります。
このほか、「ITパスポート」などの情報処理系資格や、「TOEIC」や「英検」などの語学力に関する資格があれば有利となり、試験での点数に加点されることもあるようです。
さらに、「クレーン」「玉掛け」「大型自動車免許」「船舶免許」「潜水士」などの資格などがあると、機動隊での業務に役立ちます。
警察官への転職に役立つ職務経験は?
警察官は、治安維持のために働く公安職であるものの、ほかの一般職の公務員と同じように、書類作成などのデスクワークも多い職業です。
このため、基礎的なパソコンスキルや事務処理スキルなど、事務職や営業職の職務経験で培った能力があれば、警察官としての業務にも役立つでしょう。
また、経理として働いていた職歴があれば、詐欺などの企業犯罪を取り締まるために、簿記や会計知識が役に立ちます。
IT企業で働いていた人については、近年急増するサイバー犯罪に対応するための専門人材として、どの都道府県でも重宝されやすい傾向にあります。
外資系企業などで海外で働いていた経験があれば、外国人が絡む国際犯罪の取り締まりを強化するための人材として、歓迎されることが多いでしょう。
警察官への転職面接で気をつけるべきことは?
警察官は、日常的に一般市民に接する機会が多く、「人物重視」の採用が行われているため、面接は合否を左右する重要なポイントです。
転職者の場合は、まず間違いなく「なぜ前職を辞めたのか?」「辞めたあと何をしていたのか?」の2点を問われることになるでしょう。
どんな事情があるにせよ、一度は志した道を方向転換したことは事実ですので、受け答えが曖昧だと、「警察官になってもまた辞めるのではないか」という疑念を抱かれかねません。
ネガティブな内容でなければ、退職したこと自体がマイナス要因になるわけではなく、むしろ職務経験が警察官としての業務に生きるケースも多々あります。
あらかじめ自分のなかできっちりと整理し、面接官を納得させられるだけの回答を準備しておきましょう。
警察官に転職可能な年齢は何歳くらいまで?
警察官は、とくにキャリアが浅いうちは強靭な体力が求められる業務に就くことが多いため、採用試験には年齢制限が設けられています。
地方自治体によって若干の差がありますが、試験を受けて警察官に転職できるのは、30歳~35歳くらいまでです。
ただ、近年は、ほかの職業と同じように、警察官についても少子化を背景としたなり手不足が深刻化しているため、どの地方自治体でも採用年齢の上限を引き上げる傾向にあります。
今後、さらに警察官志願者が減少していけば、より年齢制限が緩和され、40代でも転職可能になるかもしれません。
それと同時に、公務員の退職年齢引き上げも検討されていますので、多少警察官としてのスタートが遅くなっても、多様なキャリアを描けるようになる可能性が高いでしょう。
未経験から警察官に転職する際の志望動機
警察官の業務は、質・量ともに非常にハードであり、生半可な覚悟では務まりません。
転職する際の志望動機は、警察官にふさわしい意思の強さをアピールできる内容にするとよいでしょう。
「前の職場がつらかったから」といった消極的な動機や、「サラリーマンより安定した身分に就きたい」という自己の都合を優先した動機では、面接官に好印象を与えることはできません。
たとえば、民間企業から転職するなら、警察官の公共性の高さに着目し、社会貢献に対する思いが強いことをアピールするという方法も考えられます。
幅広い職種について入念に情報を収集し、特定の業務に対する熱意を示すことも有効かもしれません。
いずれにせよ、自分の意見を述べるだけではなく、過去の経験や学歴、職歴を踏まえて、「そのような考えを抱くにいたった理由」もあわせて語ることが、説得力を生み出すためのポイントです。
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