医療機器メーカーの現状と将来性
医療機器メーカーの現状
国内の医療機器市場は大きく、とくに治療用の医療機器における市場拡大が進んでいます。
加えて、医療機関ではIT化が進むなかで積極的な設備投資が行われており、しばらくは市場環境的にも好調が見込まれます。
一方で、海外に目を向けた場合、日本の医療機器メーカーは米国に続く2位の売上規模をもつものの、1位との差が非常に大きく下位との差は小さいといった状況です。
ジョンソンアンドジョンソンやGEのようなグローバルな医療機器メーカーでは、上位はM&A(買収や経営統合)を積極的に進めており、人材と資金力で優位に立つ戦略が行われています。
日本企業はこうした動きに遅れており、国内トップのオリンパスですらその規模は世界のトップ10にも入ることができていません。
内視鏡など診断機器の分野では日本は非常に強いものの、治療機器の分野では海外勢に押されています。
当面はグローバルな企業買収や競合メーカーの動きで市場環境が一変する可能性に注意が必要です。
20代で正社員への就職・転職
医療機器メーカー社員の需要
利用機器市場の順調な拡大にともなって、医療機器メーカーで働く社員のニーズは高まっています。
とくに業界経験者は貴重ですので、営業職や技術職で重宝されるでしょう。
国内市場は好調ですが、人口減少にともなって市場はいずれ縮小することが予想され、海外に活路を見出している企業も多いです。
また、グローバルなM&Aが進むなかで、会社が外資に買収される可能性もあります。
こうした背景や業務上の情報収集の面から、専門の職務知識に加えて英語力のある人材は需要が高まるでしょう。
経営資源の効率化に向け、中小のメーカーではM&Aにともなう人員削減や、代理店や研究施設など外部への委託業務が増え、従業員の新規採用が減る可能性があることに注意が必要です。
医療機器メーカーの将来性
現在、医療の世界では基本的な疾患の治療体制がほぼ整ってきています。
また、予防医療への関心が高まっており、医療の専門家だけでなく一般の人にも使えるヘルスケア機器へのニーズが高まっています。
こうした背景から、医療機器メーカーも高度な資金力と技術を必要とする高度医療機器と、一般向けのヘルスケア機器が主戦場となるでしょう。
高度な医療機器を作れるメーカーは限られ、グローバルに企業合併などが進んでいます。
ヘルスケア機器は、医療機器メーカーだけでなく、さまざまな企業が参入をし始めているため競争が激しくなりそうです。
医療機器メーカーそのものはニーズが高い状況が続きますが、人口が増える海外が主な市場となります。
こうした変化への対応力によって、企業間での明暗が分かれそうです。
20代で正社員への就職・転職
医療機器メーカーの今後の活躍の場
医療機器メーカーでは、国内だけでなく海外への展開が進んでいますし、すでにグローバル化している企業、外資系企業も多いです。
そのため、今後は海外で活動する社員も多くなると考えられ、そのための英語力は必須といえるでしょう。
また、専門的な技術やノウハウをもった社員であれば、MRや他の機械メーカーとして活躍したり、病院や大学で研究者として働いたりすることも可能です。
医療機器は高度な専門性が求められる分野であるため、しっかりキャリアを積めば、求人さえあれば就職にはほとんど困りません。
新規に医療分野に参入したい企業などに責任者や顧問として参画するなど、さまざまな形での活躍が期待できます。