印刷会社社員の仕事内容・企業の種類

印刷会社社員の仕事とは

印刷会社とは、顧客から依頼を受けて、あらゆる印刷物の企画や制作を専門的に行い、印刷して顧客へ納品する会社のことをいいます。

「印刷物」といってもその種類はさまざまで、主に以下のようなものを扱っています。

・書籍や雑誌など一般に市販される読み物
・パンフレットや社内報など企業で利用されるもの
・名刺、挨拶状、封筒、製品のカタログやマニュアルなどビジネスで利用するもの
・チラシやDMなど販促で利用されるもの
・チケットやカードなど金銭に関わるもの
・ポスター、カレンダーなど大判のもの
・市販商品のパッケージ
・特殊印刷(金属・ガラス・プラスチックなどにプリントするもの)

印刷会社の種類・分類

出版印刷

出版社新聞社などが発行する商業出版物、いわゆる一般的な「読み物」として使用されるものを手掛ける印刷分野です。

おもな印刷物としては「不定期出版物」と「定期出版物」があります。

不定期出版物は文章が中心となる単行本・辞書・新書・文庫本など、定期出版物には記事や写真などが中心となる週刊誌や月刊誌などがあります。

文章中心となるものはモノクロ中心印刷ですが、写真やイラストが入るものはカラー印刷です。

商業印刷

一般企業や団体の事業活動に使われる印刷物を対象とする印刷分野です。

商業印刷は、大きく「宣伝用印刷」と「業務用印刷」に分けられます。

一般的に宣伝用印刷はチラシ、パンフレット、リーフレット、ポスター、POPなど、業務用印刷はカタログ、会社案内、マニュアル、報告書、説明書、広報誌、社内報、名簿といったものです。

1枚刷りのものも多く、複数ページの印刷物も少ページであることが特徴です。

事務用印刷

名刺、封筒、ノート、手帳といった事務用品、あるいは伝票やビジネスフォームを対象とする印刷分野です。

市販品は事務用品メーカーが印刷することがほとんどですが、特注品の印刷加工は一般印刷会社で対応することが多くなっています。

証券印刷

商品券やチケット・カード類など、金銭や信用に係わる証書類やカード類の印刷のことを証券印刷といいます。

偽造防止などに関する特殊な技術やノウハウが伴う印刷分野となっています。

包装その他特殊印刷

包装紙、紙器、ダンボール箱といった包装・荷造り資材の印刷と、建材や布地へのプリント柄の印刷、電気・電子部品といった工業製品に対する印刷分野です。

印刷会社社員の業務内容

印刷会社はあらゆる印刷物を扱っていますが、企業によっては特定の分野のみ特化しているところも少なくありません。

大手企業のみならず中小零細企業も多く存在しており、主に大手はBtoBのビジネスによる商業印刷物をおもに扱います。

中小企業では一般消費者が安価に注文できる、いわゆるネットプリントを主としてビジネスを手掛けている企業も多いのが特徴です。

会社によっては「チラシ・名刺専門」といった形で営業しているところもあり、それぞれの強みを生かしながら業務に励んでいます。

印刷会社の役割

わたしたちの生活に印刷技術は欠かせません。

本や雑誌などの読み物をはじめ、ポスターやカレンダー、チラシなどもすべて印刷物です。

また、商品を包装する紙やパッケージ、コンサートのチケットやICカードなどもすべて印刷技術によってつくられており、印刷技術のない現代社会は考えられません。

一方、インターネットが発達しデジタルでの情報伝達が主流になった影響から、印刷産業に求められる役割も変化してきています。

今後全ての印刷物がデジタルに移行するわけではありませんが、印刷技術の向上やデジタルとの共生など、印刷物に付加価値をつけていくことが大きな役割となるでしょう。

印刷会社に特有の職種

営業

印刷会社の営業の中心は、たいていの場合得意先に対して訪問するルートセールスです。

新規顧客を開拓することもありますが、中小の印刷会社は地域に根付いている企業が多く、顧客と長年の付き合いをしているケースがよく見られます。

印刷会社では、営業といってもただ商品やサービスを売り込むだけでなく、制作スケジュールの確認や打ち合わせ、校正などで何度も顧客の元へ足を運び、進行管理などまで担当することも多いです。

「売ってからが重要」であることが、印刷会社の営業の仕事の特徴といえるでしょう。

企画

営業がヒアリングしてきた顧客の要望をもとに、印刷物の内容を考えていく仕事です。

コンセプトやページ割、コピーライティングなど、ゼロからイチを生み出すための大元となる部分を検討していきます。

また、自社で新しいサービスや商品の企画を開発することもあります。

デザイン・DTP・製版

企画部門が作った企画書やラフスケッチをもとに、デザインをしていきます。

印刷会社でのデザインは、基本的に「DTP」といわれるやり方で、パソコンとデザイン専用のソフトを使った作業が中心となり、顧客の要望を実際に形として作り上げていく、重要な役目を担います。

デザインデータが完成すると、印刷するために必要な「版」を作ります。

最近ではパソコンから直接アルミ版を出力するCTPというやり方が主流です。

印刷

作成した版と、デザインの仕上がり見本をもとに、実際に工場で印刷をしていきます。

インクや紙を使った作業となり、現代では機械化されている部分も多くなっていますが、職人的な要素も必要とされます。

印刷したものは断裁、加工、製本、検査というステップを踏み、完成品を顧客の元へ納品します。

印刷会社の有名な企業

日本の印刷会社は中小企業が多いとされていますが、なかでも「大日本印刷」と「凸版印刷」は印刷業界の2強といわれ、あらゆる商品を手掛けています。

ただし、この2社も近年ではいわゆる「紙の印刷」の比重は減ってきており、特殊印刷やデジタルとの融合、アーカイブ機能などさまざまな事業を手掛けるようになってきています。

国立の印刷所としては、紙幣や切手、旅券や通帳類、政府刊行物などを印刷する「独立行政法人国立印刷局」があり、ここでは国家公務員が働いています。

印刷会社の仕事の流れ

営業・企画

お客さまの「こういう印刷物を作りたい」というニーズを拾い上げ、その内容を的確に表現できる印刷物の企画を行います。

デザイン・校正・製版

企画した案をもとに、デザイナーやライターなどがデザインやキャッチコピーを作り、具体的なデザインに仕上げていきます。

パソコンを使ってレイアウトされた内容を、そこから印刷していくために必要な「版」にします。

近年では、この作業まですべてパソコンを使って行われるようになってきています。

印刷

指定された紙とインクを使用し、印刷工場の機械を使って印刷していきます。

製本・加工

印刷された一枚の紙から、断裁や丁合いといった製本加工を施して、実際に商品として納品できる形へと仕上げていきます。

そのタイミングで印刷ミスがないか検査することも大切な仕事です。