海外ツアーガイドの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「海外ツアーガイド」とは

海外ツアーガイドの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

日本から海外へ旅行するお客さまのガイド役。現地の観光案内や送迎などを行う。

海外ツアーガイドとは、海外に駐在し、日本から旅行に来るお客さまをガイドする仕事です。

近年は「ツアーコンダクター(添乗員)」がつかない海外ツアーが多いこともあり、必要に応じて観光案内だけでなく、送迎や空港でのサポートも行います。

海外でツアーガイドとして働くためには、基本的に現地の国の労働ビザが必要となりますが、ワーキングホリデービザを利用し、現地の旅行会社でツアーガイドとして働く方法もあります。

現地の言語に長けている人や、日本での旅行関係の仕事やツアーコンダクター経験、あるいはバスガイド経験などがあると採用に有利です。

ですが、正社員待遇のところは少なく、アルバイトでの労働形態となることが一般的です。

収入が安定しづらく、繁忙期と閑散期で仕事量に差がある場合も多いため、兼業で働く人が多くなっています。

「海外ツアーガイド」の仕事紹介

海外ツアーガイドの仕事内容

海外で日本からのツアー客をガイド、サポートする

海外ツアーガイドとは、日本から海外へ旅行するお客さまを現地で出迎え、観光案内をする人のことです。

業務内容は「ツアーコンダクター(添乗員)」とも似ていますが、ツアーコンダクターがツアーに同行して旅行全体の行程を管理するのに対し、海外ツアーガイドは基本的に現地に駐在・在住しており、その土地のガイドをします。

海外ツアーガイドのおもな業務内容は、空港での出迎えや観光案内、ホテルへのチェックインなど、お客さまが現地に到着してから出発するまでの全般的なサポートです。

ときにはガイドブックに載っていないような現地の人ならではの情報やお店を紹介するなど、さまざまな方法でお客さまを楽しませます。

現地の文化や事情、言語に詳しいことが重要

海外ツアーガイドに期待されるのは、海外の国・地域でお客さまが安心して旅を楽しめるよう、しっかりと案内やサポートをすることです。

現地の歴史や文化、リアルタイムな情勢などに精通し、常に最新の情報を把握している必要があります。

また、海外ツアーガイドには「通訳」としての役割を求められることもあるため、ガイドをする土地の言語が話せることも必要になってきます。

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海外ツアーガイドになるには

現地で働くための「ビザ」を取得する

海外ツアーガイドは、世界のさまざまな国・地域で活躍しています。

国によって制度は異なるものの、ガイドとして雇用契約を結んで働くには、現地での勤務が可能となる「就労ビザ」を取得しなければいけません。

「就労ビザ」を取得するには、企業の協力を得る必要があります。

日本の旅行会社から海外へ赴任する場合は問題ありませんが、日本人が現地企業に就職する場合は、はじめから就労ビザの取得に協力してくれる会社は少ないでしょう。

何らかの方法で現地の「永住権」を取得することができれば、就労ビザがなくても働くことは可能です。

ワーキングホリデービザを使う人も多い

日本人が現地の旅行会社に就職したい場合、30歳くらいまでの若い人であれば「ワーキングホリデービザ」を利用するのが一般的です。

年齢や滞在期間などいくつかの条件があるものの、就労ビザに比べると取得しやすいため、多くの日本人が利用しています。

ガイド経験があると有利になりますが、最近ではツアーガイドの養成に力を入れている国もあり、未経験者でもガイドになることは可能です。

働きぶりが認められると、就労ビザを取得できる可能性が高まります。

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海外ツアーガイドの学校・学費

学歴よりも現地の知識と語学力が必要

海外ツアーガイドになるために必ず通わなければいけない学校はありません。

ただし、日本の旅行会社に就職してから海外赴任を目指す場合、専門学校・短大卒以上の学歴が求められることもあります。

語学や観光学、国際関係学などを専攻できる学校に進学し、海外ツアーガイドに必要となる知識を学ぶ人も多いです。

観光系の専門学校の場合、学費は年間で100万円〜150万円程度は必要になります。

ワーキングホリデーを利用して現地の旅行会社へ就職するケースでは、学歴よりもガイド経験や語学力、現地の文化理解などが重視されるでしょう。

国によっては、日本人を対象としたガイド養成コースを設置する学校もあるため、詳しく調べてみてください。

海外ツアーガイドの資格・試験の難易度

働く国によってライセンス制度は異なる

海外ツアーガイドに必要な資格は、働く国によって異なります。

観光ガイドに特別なライセンスを取得しなければいけない国・地域もありますが、資格がとくに必要とされない国もあります。

一般的には、ヨーロッパなどの歴史ある街における観光案内においては、ガイドのライセンスが求められることが多いようです。

ライセンスの取得方法は国によって異なり、現地の学校に通わなくてはならないこともあるため、興味がある人は詳しく調べてみるとよいでしょう。

現地の言語に関する語学力が必要

ツアーガイドに資格を必要としない国や地域の場合、旅行会社の研修・トレーニングを受講すれば、すぐにガイドとして働けるところもあります。

ただし、どのツアーガイドにも共通して求められるのは現地の言語に関する「語学力」です。

読み書き能力も一定レベルは必要ですが、それ以上に、現地の言葉を流暢に話せる人(現地の人と問題なくコミュニケーションできるレベル)だと歓迎されやすいです。

英語を中心に、働きたい国の語学力はできるだけ高めておきましょう。

海外ツアーガイドの給料・年収

働き方や雇用条件などによって収入に差が出る

海外ツアーガイドの働き方は、日本の旅行会社に採用されて海外に派遣されるケースと、現地の企業に雇用されるケースに分かれます。

前者の場合は、現地での生活に支障ない程度の給与が支払われることが多いようです。

働く国・地域によって物価は異なりますが、きちんと暮らしていけるくらいの給料と、福利厚生などは整えられてます。

一方、後者のパターン、つまり現地企業に雇用される場合は、「就労ビザ」を取得しているかどうかで収入面に差が出てきます。

就労ビザを利用すれば、特別に裕福な暮らしはできなくても、その国・地域で問題なく生活することは可能でしょう。

国によってはチップの習慣があり、基本給が低めでもチップ収入によって収入を増やすケースも見られます。

アルバイトなど不安定な働き方をする人も

海外ツアーガイドは、実際は正社員として安定的かつ長期的に働くよりも、「ワーキングホリデー制度」を利用してアルバイトとして働く人が圧倒的に多いです。

アルバイトは時給制のため、仕事をたくさんこなせば収入は増えますが、繁忙期と閑散期の仕事量にばらつきがあり、毎月の収入は不安定になりがちです。

そのため、アルバイトのガイドは別の仕事と兼業で仕事をしているケースが多いようです。

海外に住んで長期的にガイドの仕事をするには、現地の事情に詳しくなり、人脈を作りながら信頼を集めていくといった努力も必要になってきます。

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海外ツアーガイドの現状と将来性・今後の見通し

不安定な側面もあるが、需要と将来性は期待できる

現地の事情に詳しい海外ツアーガイドは需要のある職業ではありますが、アルバイトで働く人が多く、収入が安定しにくいのが厳しいところです。

しかし、最近では現地のガイドを必要とする熟年層向けのツアーや、「ツアーコンダクター」不在のツアーも増えているため、海外ツアーガイドの需要自体は今後もなくなるとは考えられません。

現地でのツアーには、観光地を巡る以外にもさまざまなものがあります。

たとえば、トレッキングやラフティングなどのアウトドア体験や、自然公園や森林公園を巡り自然や野生動物の大切さを解説するエコツアーガイドなど、アクティビティ系のツアーのニーズが増しています。

高い語学力を持っている人や、特殊なツアーのガイドのニーズに対応できる人、観光に関する専門知識や経験が豊富な人は、今後も求められていくものと考えられます。

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海外ツアーガイドの就職先・活躍の場

日本国内または現地の旅行会社に雇用される

海外ツアーガイドの就職先として多いのは、海外支店を持つ日本の旅行会社や、外国人向けのツアーを催行する現地の旅行会社です。

日本の旅行会社に就職したのち、海外の支店に赴任する方法と、「就労ビザ」や「ワーキングホリデービザ」を取得してはじめから現地の旅行会社での採用を目指す方法があります。

海外ツアーガイドの仕事に就きやすい国としては、カナダやオーストラリア、ニュージーランドなどが挙げられます。

ワーキングホリデーは比較的取りやすいため、まずはそちらからキャリアをスタートし、その後に就労ビザを取得し、現地で暮らしながらガイドとして長く活躍している人もいます。

海外ツアーガイドの1日

現地空港での出迎えから始まる1日

海外ツアーガイドの業務内容は、担当するツアーの内容・スケジュールや、お客さまのリクエストなどによって異なります。

純粋な観光地の案内だけでなく、現地の観光中のサポートを全般的に担当することも多いです。

ここでは数泊のツアーを担当するガイドの、初日のスケジュールをご紹介します。

7:30 空港にてお客さま出迎え
9:00 ホテル到着・チェックインサポート
10:00 バスで観光案内
12:30 昼食場所へ案内
14:00 ショッピングタイム
16:00 ホテル・休憩
19:00 ディナーの案内
21:00 ホテルへ戻る・業務終了

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海外ツアーガイドのやりがい、楽しさ

自分のガイドでお客さまを笑顔にする

海外ツアーガイドが担当するのは、基本的に日本人のお客さまです。

日本では味わえない非日常を体験しようと、期待を込めてツアーに参加している人がほとんどです。

はるばる海外まで足を運んだお客さまの期待に応えるのもちろん、期待以上の感動を与えることが、ツアーガイドに求められる役割といえます。

「現地事情に詳しい日本人」ならではの視点から、ガイドブックには載っていない臨場感あふれるガイドを、おもてなしの心を込めて提供します。

自分のガイドでお客さまに心から喜んでもらえたとき、自分が案内した国や地域を好きになってもらえたときには、大きなやりがいを感じられます。

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海外ツアーガイドのつらいこと、大変なこと

体力と気遣いが求められるハードな仕事

海外ツアーガイドは、基本的に1日中外を歩き回り、声を出して説明をしながらお客さまを案内してまわる仕事です。

オフィスワークはほとんどなく、季節や天候によらず屋外での業務となるため、想像以上に体力を消耗します。

ツアーのお客さまの層もさまざまで、子どもからお年寄りまで、どの年代の人にも快適なツアーになるように常に気を配らなければいけません。

個人的に旅をするのとは異なり、常にお客さまの様子を気遣わなくてはならないため、精神的にも疲れます。

すべてのお客さまに満足してもらうのは難しいことですが、それを実現するのがプロのツアーガイドです。

仕事そのものを楽しんでいるガイドはたくさんいますが、ツアーの量は時期によって大きく変動します。

閑散期にはほとんど仕事が入らないこともあり、その点に苦労を感じている人も少なくありません。

関連記事海外ツアーガイドのつらいこと・大変なこと・苦労

海外ツアーガイドに向いている人・適性

明るく気配り上手で、柔軟な対応ができる人

ツアーに参加するお客さまには、さまざまな人がいます。

同じ国・地域を訪れていても、行って見たい場所や食べたいもの、また興味関心は一人ひとり異なります。

1ヵ所をゆっくりと観光したい人もいれば、なるべく多くの観光スポットを巡りたい人もいるでしょう。

海外ツアーガイドは、担当するお客さまが求めていることを瞬時に察知し、その期待に応えられるようガイドをしなければいけません。

人を楽しませるための気配りができる人や、相手の要望や状況に応じて、臨機応変に対応できる柔軟性を持っている人に向いている仕事だといえます。

明るく、親しみやすく、身近な人を笑顔にさせるような人柄を備えていることも大事な要素です。

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海外ツアーガイド志望動機・目指すきっかけ

人が好きで、その土地の感動を多くの人に伝えたい

海外ツアーガイドを目指す人は、もともと海外の生活や文化などに関心を持っていることが多いです。

旅行や留学を経験して海外へ住むことに憧れを持った人にとっては、現地で働けるツアーガイドは魅力的な仕事といえるでしょう。

特定の国・地域が好きで、「その土地の魅力を多くの日本人に伝えたい、もっと知ってもらいたい!」と考える人もいます。

加えて、人が好きな気持ちを持ちあわせている人も少なくありません。

海外ツアーガイドは、日々たくさんのお客さまとの出会いがあり、その出会いに刺激を受けて、自分も楽しみながら働きます。

海外に関する知識や経験を生かせる接客・サービス系の仕事に就きたいという思いが、ツアーガイドの志望動機につながっていくケースが多いようです。

海外ツアーガイドの雇用形態・働き方

アルバイトで働く人がほとんど

海外ツアーガイドの雇用形態には、大きく分けて2種類あります。

ひとつは、現地の「就労ビザ」を取得して日本の正社員のような形態で働く方法、もうひとつは、「ワーキングホリデービザ」を利用してアルバイトとしてガイドをおこなう方法です。

就労ビザを取得できれば固定給を得られるため安定した生活ができますが、実際にはツアーガイドのほとんどがアルバイトとして働いています。

ワーキングホリデーの期間にアルバイトとしてガイドの経験を積んだ後、企業の協力を得て就労ビザを取得するケースもあります。

経験と実績を積んでいくと、フリーランスとして個人で仕事を受けている人もいます。

ただし、個人で安定した仕事量を確保していくのは簡単ではなく、信頼や人脈なども必要になってきます。

海外ツアーガイドの勤務時間・休日・生活

繁忙期と閑散期の差が激しい

海外ツアーガイドの仕事は、繁忙期と閑散期の仕事量に大きな差があるのが特徴です。

観光シーズンには連日のツアーで睡眠が不十分になったり、1日に複数のガイドを受けて食事すら取れなかったりすることもあります。

日本人が多く海外旅行に出かけるお盆や年末年始、ゴールデンウィークなどは、とくに忙しくなります。

シーズンやツアー内容によって1日の勤務時間や休日が異なるため、不規則な生活となります。

一方で、真冬などの閑散期には仕事量が一気に減ることも珍しくありません。

地域によっても繁忙期・閑散期には違いが出ますが、ガイドの仕事が入りづらい時期は、別の仕事を兼業している人もいます。

海外ツアーガイドの求人・就職状況・需要

現地での求人情報は地道に見つける必要がある

時代が進むにつれ、海外へ旅行に出かける日本人は増えており、海外ツアーガイドにも一定数の需要があります。

ただし、海外の現地企業で勤務先を見つけるのは簡単なことではありません。

現地の日系ガイド会社などの求人情報がインターネットや雑誌に掲載されることもありますが、基本的には日本の旅行会社に就職して海外へ赴任をするか、「ワーキングホリデー制度」で渡航をし、現地でアルバイトのガイドを探すパターンになるといわれています。

ワーキングホリデーでガイドの仕事をしたい場合は、日本人向けの求人情報や知人の紹介などでツアーガイドの募集を地道に探していきます。

未経験者でも働ける可能性はありますが、その土地の事情に詳しいことや、現地の人と問題なく会話ができるくらいの語学力は求められます。

海外ツアーガイドの転職状況・未経験採用

現地のビザを取得できるかが鍵となる

海外ツアーガイドは、日本からツアーに行く人がいる国・地域であれば、世界中で活躍できるチャンスがある職業です。

転職によっても目指せますが、海外で長期的に働きたい場合、まずは現地に住むための「ビザ」を取得する必要があります。

現地の企業に就職して就労ビザを取得するのは難しく、海外支店を持つ日本企業に就職するか、ワーキングホリデービザを利用してガイドのアルバイトを探すほうがハードルは低めです。

なお、ガイドの仕事をすること自体に特別な資格・ライセンスを必要としない国は多くあります。

ビザを取得することさえができれば、未経験でもスタートしやすい仕事だといえます。