【2021年版】青年海外協力隊の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「青年海外協力隊」とは

世界の途上国に派遣され、ボランティアとして現地の公共事業や社会福祉などの支援を行う。

青年海外協力隊員は、途上国などに派遣され、2年間(長期の場合)の任期でボランティアとして勤務します。

日本がもつ高度な技術を人的リソースから途上国に伝えることが、青年海外協力隊の役割です。

応募資格は、20歳から45歳で、かつ日本国籍を有することで、応募書類を提出し、面接に合格すると青年海外協力隊として活動できます。

合格後は派遣される前に語学や業務の知識を修得するために、訓練もおこなわれます。

ボランティアではあるものの、現地の生活費や手当が支給され、住まいもあっ旋してもらえます。

若者の安定志向、少子化などが原因で青年海外協力隊への応募者は減少傾向です。

しかし、このプログラムの意義は高く評価されており、現地での経験を生かして、帰国後に希望のキャリアを実現している人も多くいます。

「青年海外協力隊」の仕事紹介

青年海外協力隊の仕事内容

発展途上国でボランティアとして活動する

青年海外協力隊とは、国際協力機構(JICA)における海外協力隊事業のひとつで、発展途上国でボランティアとして活動する人たちのことをいいます。

JICAの海外協力隊事業は、かつては「JICAボランティア」と呼ばれていましたが、2018年秋募集以降「海外協力隊」と呼称変更されています。

海外協力隊では多様な職種の募集がありますが、「一般案件」で派遣される隊員のうち、20歳から45歳までの人が「青年海外協力隊/日系社会青年海外協力隊」と呼ばれます。

青年海外協力隊の役割

青年海外協力隊を含めた海外協力隊の役割は、日本で培った知識や技術を、途上国に地域密着型で伝えていくことです。

青年海外協力隊では、コミュニティ開発、教員補助、スポーツ指導員、農業指導員など、ニーズに応じて多種多様な職種として活動する人がいます。

なかでもエネルギーや農林水産など、理工学系の職種の需要が大きく、JICA海外協力隊の職種をすべて合わせると120以上もあります。

青年海外協力隊の隊員は、個々が学んできた分野や仕事で培ってきた専門的なスキルを、派遣先で存分に生かすことが求められます。

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青年海外協力隊になるには

年齢制限などの応募資格がある

青年海外協力隊は、JICA海外協力隊のプログラムのひとつで、幅広い職種・スキルで応募可能な「一般案件」に分類されます。

そのうち、20歳から45歳で派遣される隊員が青年海外協力隊と呼ばれます。

応募書類を提出し、面接に合格することで青年海外協力隊に参加できますが、興味をもったら、まずJICA主催の応募説明会やイベントに参加してみましょう。

説明会などは日本各地で実施されています。

青年海外協力隊さまざまな職種の募集があるため、自分に合う職種をしっかりと検討することが大切です。

自分に合う職種を選択することが大切

青年海外協力隊に入るにあたって、一部の専門的な職種を除けば、特別な資格や実務経験は必要ありません。

ただし、全部で120ほどの職種があり、職種ごとに求められるスキルや知識は異なります

大学での専門分野、社会人になってからの職務経験が活かせる職種を選べば、隊員試験の際に有利になるでしょう。

なお、長期の青年海外協力隊員として派遣される前には、派遣前に語学の訓練も実施されますが、応募時点では英検3級もしくはTOEICスコア330点程度の英語力が必要とされています。

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青年海外協力隊の学校・学費

学歴不問で応募できる職種が多い

青年海外協力隊には応募に際して年齢制限(20歳~45歳)がありますが、学歴は基本的に問われません。

職種は120以上あるため、どのような勉強をしてきた人でも、個々の知識・技能・スキルを生かして活躍できるチャンスがあります。

エネルギーや鉱工業、農林水産など、理工学系部門における職種の募集がやや多く見受けられるため、その分野で専門性を持っていると有利になることがあるといわれます。

ただ、文系の学生が応募できる職種も多いです

「看護師」や「小学校教諭免許」など一部の職種では特別な資格・免許が必要になるため、目指す職種によって通うべき学校は変わってきます。

青年海外協力隊の資格・試験の難易度

専門技術や資格が求められる職種もある

青年海外協力隊は、さまざまな職種で募集されており、そのなかには学歴や資格、免許などは不問で応募できるものも多々あります。

一方、専門的な知識・技能を必要とする職種では、その分野の資格や免許所持が応募条件となる場合が多いです。

たとえば「看護師」「助産師」「保健師」などの職種では、それらの国家資格が求められます。

いずれの職種でも、応募時には「中学卒業程度(英検3級もしくはTOEICスコア330点)の英語力が求められるため、その要件は満たしておきましょう。

なお、青年海外協力隊の隊員募集試験の採用倍率は、職種によって差があります。

全体としては応募者が減少傾向にあるものの、毎回2~3倍を超える職種もあり、必ず合格できるわけではありません。

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青年海外協力隊の給料・年収

給料は出ないが、生活費や手当は支給される

青年海外協力隊員はボランティアとして業務にあたるため、一般企業に勤める人のような「給料」はもらえません。

ただし、月々の生活費や手当はJICAから支給されます。

現地での生活費は派遣国によって異なりますが、目安は1ヵ月285~755米ドルほどです。

手当は派遣国に関わらず一律で、訓練期間は月々40,000円、派遣期間は月々55,000円です。

活動期間を満了すると、帰国時にも「協力活動完了金」という手当も支給されます。

隊員としての活動を通して高い給料が得られるわけではありませんが、生活に大きく困ることはないでしょう。

住居や家賃・光熱費は支給される

派遣先では、住居が現地勤務先もしくはJICAによってあっ旋されます。

家賃や光熱費も全額支給されるため、住まいに関する負担はありません。

派遣国と日本の間の往復交通費も、最初に派遣国に赴くときと、任期を終えて帰国する際には全額支給されます。

活動に必要な機材も原則として受入国が負担するため、活動に関して、隊員本人が大きなお金をかける必要はありません。

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青年海外協力隊の現状と将来性・今後の見通し

隊員としての経験を自身のキャリアにどう生かしていくかが重要

青年海外協力隊を含むJICA海外協力隊は、有意義な国際協力活動として、何十年もの歴史をもつボランティアプログラムです。

近年は一時期に比べて応募者は減少傾向ですが、募集職種をより具体的で実践的なものにすることで、応募者の任期終了後のキャリア形成を考慮する動きが見られます。

実際、隊員としての活動を終えた人は、就職を中心に、復職、進学、起業などさまざまな道へ進んでいます。

派遣先では、学校で学んできたことや、仕事の専門分野に関する知識・スキルを存分に発揮できる機会があり、途上国の支援をしながら、自身の将来にもつながる貴重な経験ができるでしょう。

単なるボランティア活動で終わらせないためには、自分が青年海外協力隊としてどのような活動をし、なにを目指したいのかを明確にして応募することが重要だといえるでしょう。

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青年海外協力隊の就職先・活躍の場

さまざまな課題を抱える途上国での活動が中心

青年海外協力隊員の派遣地域は、アジア・アフリカ・中南米・大洋州・中東の国々です。

発展途上国への支援を目的としているプログラムのため、たとえば対象地域の中にあっても、すでに先進国になっている、あるいはそれに近い発展を遂げている国への派遣はまったくないか、あっても少数です。

わかりやすくいうと、貧しく課題が多い国が青年海外協力隊の活動地域となります。

また、日本との関係性が深い国や、国交を強化したい国への派遣が多いことが特徴です。

応募者は、面接で派遣先の希望をアピールすることは可能ですが、100%その国や地域に派遣されるとは限りません。

青年海外協力隊の1日

派遣先や職種によって生活スタイルは異なる

青年海外協力隊には、さまざまな派遣先があり、また職種も多岐にわたっています。

そのため、同じ青年海外協力隊の隊員であっても、人によって生活はまったく異なるものになります。

ここでは、南米地域にてコミュニティ開発に携わる隊員のある1日の例を紹介します。

6:30 起床・朝食をとる
8:00 バスに乗って活動をする村へ向かう
9:00 村の住民の農作業のお手伝い
13:00 昼食
持参したサンドイッチやフルーツなどシンプルな食べ物が中心。
14:00 村の住人にインタビュー
家庭環境の調査や困りごとについて話を聞きます。
15:00 子どもたちと交流
18:00 帰宅・夕食
20:00 自由時間
本を読んだり、日本の友人や家族に連絡をとったりします。
23:30 翌日の活動に向けて早めに就寝

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青年海外協力隊のやりがい、楽しさ

人生において貴重な経験が得られる

青年海外協力隊として活動する大きなやりがいは、自分の人生において、貴重な時間と体験を得ることができるところだといえるでしょう。

ビジネスでも観光でもなく、国際貢献をおこなう立場で発展途上国に入りこむ経験は、誰しもできるものではありません。

日本を飛び出ることで視野が広がりますし、多様な人とのコミュニケーションをとりながら自分自身を成長させることができます。

青年海外協力隊の2年間が、自分の人生観を大きく変えるかもしれません。

実際に、隊員としての活動を糧にして、帰国後に民間や公務員への就職や進学、起業など、さまざまな道へ進んでいる人が多くいます。

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青年海外協力隊のつらいこと、大変なこと

貧しい国で慣れない生活をする苦労

青年海外協力隊として派遣される国は発展途上国であり、電気も水道もまったく通っていない環境で生活する可能性も十分に考えられます。

生活習慣や衛生状態も日本とはまったく異なる場所で暮らすのは、想像しているよりもずっと大変です。

また、最初は現地の言葉もうまく理解できず、周囲とコミュニケーションが思うようにとれなくて寂しい思いをするかもしれません。

慣れない場で心身ともに調子を崩さないよう、自分自身をうまくコントロールしていく力が必要です。

とくに派遣先に溶け込み生活が充実してくるまでは、孤独に耐えられる精神的なタフさが重要になってくるでしょう。

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青年海外協力隊に向いている人・適性

生活面での不便さや変化も楽しめる人

青年海外協力隊の活動地域は、日本よりもずっと貧しく、生活環境が不便であることがほとんどです。

そうした不便さにも耐えられる人や、普段では体験できない環境を楽しめるくらいの人が、青年海外協力隊には向いています。

また、現地では多様な考え方や価値観をもつ人たちとコミュニケーションをとりながら活動するため、柔軟性があり、良い意味で自分を変化させることを怖がらないタイプの人に適しているといえるでしょう。

日本よりも危険度の高い地域へ派遣される可能性もあるため、自己管理をしっかりとできる人であることも重要です。

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青年海外協力隊志望動機・目指すきっかけ

国際的なボランティア活動に関心がある

青年海外協力隊で活動する人の多くが、もともと海外や異文化に興味があり、貧しい国の人たちを助けたいという思いを抱いています。

とくに学生時代や20代など、若いうちに青年海外協力隊としての経験を積み、そこで得たものをその先の人生に生かしていきたいと考える人も多いです。

外国語が得意だったり、留学経験があったりする人もいますが、それは参加にあたっての必須要件ではありません。

大切なのは「人のために力を尽くしたい」という思いと、途上国でのボランティア活動に熱意をもてることです。

実際に志望動機を考える際には、自分の経験や関心のある分野を掘り下げて、途上国でなにをしたいのか具体的に話せるようにしましょう。

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青年海外協力隊の雇用形態・働き方

国内での一般的な働き方とは大きく異なる

青年海外協力隊は、政府開発援助(ODA)の一環として行われるJICAのボランティアプログラムであり、民間の会社に雇用される社員などとはまったく別の形となります。

あくまでも「自発的参加の精神」に基づき行われているものなので、キャリアアップや待遇などを一番に求めると、少しミスマッチになるかもしれません。

ただし、隊員には現地での安全な生活やスムーズな活動のために、JICAによって現地生活費の支給、住居の提供、各種手当など、さまざまな活動のサポートがあります。

なお、派遣中のボランティアは「海外居住者」扱いとなり、任意で国民年金に加入します。

日本国内で働くのとはさまざまな面で異なるため、詳しくはJICAのウェブサイトなどを通じてよく確認しておいたほうがよいでしょう。

青年海外協力隊の勤務時間・休日・生活

派遣先によって勤務時間や生活スタイルは異なる

青年海外協力隊員は、基本的に派遣先の職場のスケジュールに基づいて勤務します。

毎日、同じような時間帯で働く場合もありますが、派遣先によっては季節によって仕事量に波があり、生活リズムが多少変動することも考えられます。

休日・休暇の取得についても、派遣先のルールに従います。

ただ、長期で2年間派遣される人は、1年に20日間を限度として派遣国の外に出ることができます。(ただし、安全面などで認められた国に限ります)

普段の活動はそこまで激務になりませんが、慣れない土地での生活や、現地の人とのコミュニケーションに苦労し、最初の数ヵ月は少し疲れが溜まりやすいかもしれません。

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青年海外協力隊の求人・就職状況・需要

募集職種とのマッチングが重視される

青年海外協力隊を含むJICAプログラムの一般案件は、通常、年に2回(春・秋)の募集がおこなわれています。

倍率は職種によって違いがあり、全体では2.5倍前後です。

ただ、「計画・行政部門」の「コミュニティ開発」など人気のある職種では、3倍以上の倍率になることも珍しくありません。

ただ、要請ごとに選考基準が異なるため、各職種の単純倍率だけでは合格の難易度は判断できません。

一般的には、専門性がさほど高くなく、特別な知識や資格が求められない職種の倍率が上がりやすい傾向が見られます。

とはいえ、青年海外協力隊では各職種と自分の能力や適性のマッチングが重視されますので、自分がなにをやりたいのか、なにを得意としているのかをよく考えて、それに合う職種へ応募するのが合格への近道といえるでしょう。

青年海外協力隊の転職状況・未経験採用

未経験から青年海外協力隊になる人が大半

青年海外協力隊は、二度目、三度目と派遣される人もいますが、多くの隊員は初めての派遣となっています。

つまり、ほとんどの人が未経験から青年海外協力隊として活動するということです。

未経験で特別な職務経験がなくても、熱意や意欲、適性が認められれば採用される可能性はあります。

なかにはすでに社会人として働いている人が会社を辞め、青年海外協力隊に応募して派遣される人もいます。

社会人経験を通して培ってきたスキルや知識、取得した資格などは、青年海外協力隊の職種によっては存分に生かすことができます。

自身の目指すキャリアを考えながら応募するとよいでしょう。

青年海外協力隊の職種の種類

約120もの職種で募集されている

青年海外協力には、全部で約120の職種があり、大きく9つの分野(「計画・行政」「農林水産」「鉱工業」「人的資源」「保健・医療」「社会福祉」「商業・観光」「公共・公益事業」「エネルギー」)に分けられています。

ここでは、とくに人気のある職種をいくつかピックアップします。

コミュニティ開発

コミュニティ開発は「計画・行政」に分類される職種で、地域住民のための生活向上や、地域活性化につながる支援をおこないます。

各地域の課題を把握して、農業普及や生活改善、地場産業振興などに取り組みます。

看護師

看護師は「保健・医療」に分類される職種で、病院や地域における看護業務の指導や、住民へ衛生改善指導、衛生教育などに携わります。

この職種への応募には看護師国家資格が求められるため、日本で看護師として活躍していた人が多数応募しています。

青少年活動

青少年活動は「人的資源」に分類される職種で、家庭や学校教育では対応が難しいテーマ・事例に対し、子どもや若者の健全な育成と自立を支援する活動をおこないます。

具体的には、IT教育や英語教育、非行少年の社会復帰支援、児童養護施設や難民キャンプでの支援などが挙げられます。

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青年海外協力隊の年齢制限は? 大学生でもなれる?

20歳から45歳まで応募でき、大学生が隊員になるケースも

青年海外協力隊の年齢に関する応募要件は、「20歳から45歳」です。

したがって、日本国籍があり、この年齢の範囲内におさまる人であれば、誰でも青年海外協力隊に参加できるチャンスがあります。

学歴は不問なので大学生でもなれますし、大学を休学中の人や、フリーターの人などが応募するケースも見られます。

JICAによれば、青年海外協力隊の平均年齢は27歳前後とされており、大学卒業後に青年海外協力隊で活動し、帰国後に就職活動をする人も比較的多いようです。

なお、46歳から69歳の人も、一般案件の「海外協力隊」に応募できます。

ただし、職種や要請内容によっては応募可能な年齢に制限が設けられることもあるため、詳しくはJICAホームページの最新の募集情報や、説明会などで確認してください。