AIエンジニアになるには

AIエンジニアになるまでの道のり

高校では「理系」で数学や情報処理を学ぶ

AIエンジニアとして将来働く上で、微分積分・線形代数・ベクトル・行列・確率などの数学的知識、プログラミングやサーバー、データベースの知識など、IT関連のスキルも必要になってきます。

またAIエンジニアは、「考え方」の部分においても、数的思考、論理的思考を取り入れた理系寄りの考え方が求められる職業でもあります。

そのため、高校は理系のコースに進み、数学や情報処理を重点的に学び、また理系の考え方を身に付けておくと、早くからAIエンジニアとしての基礎を固めやすいでしょう。

さらに最近は、高校でも「AI科」、「AIコース」のような特化した科を設置する学校も増えてきています。

既に中学卒業段階で、将来の目標をAIエンジニアに定めている人であれば、そのような専門の科に進んでみるのも一つの方法でしょう。

大学に進学するのが一般的

AIエンジニアは、数学、統計学、機械学習・ディープラーニングなど、高度で専門的な知識を扱う職業です。

そのため、高校卒業後は「大学」に進学し、学生のうちから研究活動などを行い、知識を深める人が多い傾向です。

AIエンジニアに関連する知識を学べる学部としては、理学部工学部情報学部情報工学部などが挙げられ、最近では、コンピュータサイエンス学部・データサイエンス学部・知能工学部など、よりAI分野に特化した学部を用意する大学も増えて来ています。

大学卒業後は、AIエンジニアを募集しているメーカー、sler、AIベンチャーなどに、新卒採用で就職するのが模範的なルートといえるでしょう。

また、大学卒業後、大学院に進学してより深い研究を行ったり、職員として研究室に残り研究活動を続ける人もいるようです。

知識が武器となる職業でもありますので、高度な研究活動を続けていると、タッグを組んだ大手企業などから引き抜きに合い、より高みを目指せる環境で働けることもあるようです。

ルートはさまざまある

前述した大学に進むルートは、あくまで模範的なルートであり、AIエンジニアになるためのルートはそのほかにもさまざまあります。

専門学校やITスクールに通いAIエンジニアになる

「専門学校」や民間の「ITスクール」でも、AIエンジニアとして必要なプログラミングスキルやディープラーニング・機械学習の知識を学ぶことができます。

専門学校やITスクールでは、大学のようにアカデミックな研究などはなかなか行えないものの、より実践的なスキルを学べるという利点もありますので、それを足掛かりにAIエンジニアとして就職するケースも珍しくありません。

関連する職種からAIエンジニアになる

システムエンジニアプログラマーインフラエンジニアWebエンジニアデータベースエンジニアなど、いわゆる「ITエンジニア」に分類される職種は、AIエンジニアと共通する知識やスキルも多いです。

また、これらのITエンジニア職は、一般的にはAIエンジニアに比べると就職のハードルというのは低めです。

そのためAIエンジニアとして就職が難しい場合は、まずは足掛かりとして、ITエンジニアとして就職して開発経験を積んでから、将来的にAIエンジニアに転職するというルートも存在します。

未経験でAIエンジニアになる

現在、AIエンジニアは人手が大きく不足しているため、未経験者を採用する企業も少なくはありません。

中には、大学や専門学校でAI分野を学んでもいない、本当にまったくの未経験者を採用する会社もあるようです。

いってみれば、高校卒業後にそのままAIエンジニアとして就職したり、まったく関係のない職業からAIエンジニアに異業種転職することも、意欲や適性次第で不可能というわけではありません。

特に、新しいことに対する吸収力の高い20代前半程度の若い人材は歓迎されやすく、未経験で挑戦できるチャンスに恵まれています。

AIエンジニアの資格・難易度

資格は必要か?

AIエンジニアの業務内容は専門的ではあるものの、医師弁護士などのように、資格がないと業務が制限されるものではありません。

就職や転職においても、資格が「必須」とされることは基本的になく、まったく何の資格を持っていなくともAIエンジニアになることは可能です。

同時に、資格は就職を左右する絶対的な要素とはならず、資格を所持しているからといってAIエンジニアにすんなりとなれるとは限りません。

資格のメリットや恩恵

とはいえ資格が無意味という訳ではなく、資格を取得することで次のようなメリットや恩恵が受けられます。

<AIエンジニアが資格を取得するメリット>
・資格の取得はその職業への「熱意」や「意欲」の表れとなるため、面接時などに好感を得やすい
・専門的な用語や基礎的な概念の理解が深まるため、専門家たちとのコミュニケーションも円滑に行えるようになる
・幅広く、理解に差がでやすいAI分野の知識において、世間とズレていないかを客観的に確認・テストできる
・資格を取得することで、「自信」や「プロ意識」などを得られる
・AIに関する最新技術やトレンドの知識を身に付けられることもある
など

AIエンジニアは、プログラミング、機械学習・ディープラーニングなど、専門的な知識やスキルを扱います。

資格を取得することで、それらの知識を有していることを客観的に示すことができますので、特に未経験者の場合であれば自分をアピールする武器の一つとして用いることができるでしょう。

また、資格勉強を通じてスキルアップも図れますので、AIエンジニアとしての基礎を固める上でも力となってくれるでしょう。

取得しておくとよい資格

AIエンジニアを目指す人が取得しておくとよい資格としては、主に次のようなものが挙げられます。

<AIエンジニア(機会学習エンジニア)におすすめの資格>
・G検定(ジェネラリスト):難易度:★★★☆☆
・E資格(エンジニア):難易度:★★★★☆
・Python3エンジニア認定基礎試験:難易度:★★☆☆☆
・Python3エンジニア認定データ分析試験:難易度:★★☆☆☆
・基本情報技術者試験:難易度:★★★☆☆
など

AIエンジニアと関連性の深い資格としては、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)の主催する「G検定」と「E資格」が挙げられます。

機械学習やディープラーニング分野の代表的な資格となり、取得しておくとその分野に対して一定の理解があることを示すことができます。

また、AIエンジニアはプログラム言語の「Python(パイソン)」を扱うことが多いため、
「Python3エンジニア認定基礎試験」や「Python3エンジニア認定データ分析試験」などの試験勉強を通じて、Python言語の扱いを学んでおくのも効果的でしょう。

「基本情報技術者試験」はこの中では唯一の国家資格となり、サーバーやネットワーク、データベースなどITインフラの知識を幅広く体系的に学べます。

一般的には、システムエンジニアやプログラマーが取得することの多い資格ですが、AIエンジニアにおいても扱う知識でもあり、取得しておくとITインフラまで知見のあるAIエンジニアとして、個性を見い出せるでしょう。

AIエンジニアを目指す人におすすめの資格は?

AIエンジニアになるための学校の種類

学校の種類

AIエンジニアになるための学校の種類は、大きく以下3種類に分けられます。

・大学(国立大学、私立大学、短期大学)
・専門学校(高等専門学校を含む)
・スクール

「大学」では、AIに関する技術を、「学問」としてアカデミックに追及していく授業形態となることが多いです。

また、大きな大学ではAIに関する「基礎研究」などを行っていることも多く、そのような本格的な研究に携わっている教授たちと関われる機会にも恵まれているでしょう。

対して「専門学校」や「スクール」は、実際のAI開発現場を想定したより実践的な知識やスキルを学びやすい環境です。

実習形式の授業も多いため、AIエンジニアとしての業務のイメージを、学生のうちから固めやすいという利点もあります。

学費

AIエンジニアになる上での学費については、おおよその目安として次のようになります。

<学費の目安(学校別)>
・大学:国立大学は4年間で約250万円、私立大は4年間で約500万円~600万円
・専門学校:2年制コースは約220万円~250万円、4年制コースは約400万円~500万円
・ITスクール:1ヶ月あたり無料~50万円(授業内容、学習期間、オンラインあるいは通学かなどでも費用は異なる)

学費的に最も高くなるのは「私立大学」です。

「私立大学」の場合、文学部経済学部などの文系学部は年間100万円程度の学費ですが、AIエンジニアを目指す学生が通うことの多い、理学部・工学部・コンピュータサイエンス学部などの理系の専門的な学部は割高となり、年間150万円程度の学費が発生する学校が多めです。

対して「国立大学」においては、基本的に学部関係なく学費は一律であり、年間50万円程度に設定されています。

「専門学校」の場合も、理系やAI系の学科だからといって割高になることは少なく、学科関係なく年間100万円程度となるのが一般的です。

文系か理系か

AIエンジニアとして働く上で、大学初期レベル~大学卒業レベルの数学知識が必要となってきます。

また、プログラミングやデータ解析などの業務を行う上では、数的思考や論理的思考などの理系的な考え方が必要となります。

このため、AIエンジニアを目指す人、AIエンジニアとして活躍している人には、理系の学部学科出身者がやはり割合としては多めです。

もちろん文系出身でもAIエンジニアとして活躍している人もいますが、文系出身者の場合、数学やプログラミングの知識を自主的に学び養う必要が生じてきます。

有利な学部・学科

AIエンジニアになる上で、次のような学部や学科に進むと、将来的に学業で得た経験を有利に役立てやすいです。

<AIエンジニアになる上で有利な学部・学科の一例>
■大学の学部・学科
・理学部
・工学部
情報学
・情報工学部
・コンピュータサイエンス学部
・データサイエンス学部
・知能工学部
・AI人工知能学部
・情報知能工学科
・コンピュータ科学科
など

■専門学校の学科・コース
・情報処理科
・コンピュータ学科
情報システム
・高度情報技術科
・AIシステム科
・ITイノベーション科
・AIコース
など
※学部・学科の名称は、学校によって若干異なる場合もあります。

上記のような名称の学部・学科では、コンピュータサイエンスの基礎にはじまり、機械学習やディープラーニングなど、AIエンジニアとして必要な知識やスキルを専門的に学べることが多いです。

また、就職活動をする上でも、以前からAIに関心があり、すでにAI分野の基礎を学んだ学生として見られるため、面接官からの評価も少なからず高まってくるでしょう。

必要な学歴

一部上場の大手企業や人気有名企業の新卒採用では、専門学校卒以上の学歴がある人を対象としている会社が多い傾向です。

また、学歴で明確に制限はしていなくても、暗黙の了解で大学卒業レベルの能力を求める大手企業も多いようです。

たとえばインターネット系大手の「DeNA」は、「AIスペシャリスト職」の新卒採用を行っていますが、学歴の制限はないものの、研究者としてトップレベルなのが前提であり、学生時代に国際会議に論文を通しているのはほぼ最低条件とされているようです。

そのように大手企業では、求める人材のハードルも高く、また世界中から優秀な学生が応募してくる可能性もありますので、学歴は高いに越したことはないでしょう。

一方で、中小企業、ベンチャー企業、スタートアップ系企業の場合、学歴というのはあまり重視されない傾向であり、会社によっては中卒者や高卒者であっても、意欲や適性があれば採用することもあるようです。

AIエンジニアになるための学校と学費(大学・専門学校・スクール)

AIエンジニアに向いている人

AIエンジニアに向いている人の性格的特徴としては、次のようなものが挙げられます。

<AIエンジニアに向いている人の性格>
・新しいことを学ぶことが好きな人
・理論的、数的に物事を考えられる人
・プログラミングの適性がある人
・集団で協力して物事を進めるのが好きな人
など

一つ目の「新しいことを学ぶことが好きな人」は、特に重要となってくる部分です。

今後、本格的なAI時代が到来するのを前に、AIの技術開発は今世界中で進んでいます。

テクノロジーの進化のスピード、そして移り変わりのスピードはとても早く、数年前に覚えた内容がすでに古いものとなっていることもAI業界ではよくあることです。

そうした中、AIエンジニアは、情報にアンテナを張り、新しい論文などにすぐに目を通し、常に自分の技術スキルを最新化していかなければなりません。

新しいことを学ぶことが苦にならない人、AIが好きな人であれば、AIエンジニアとしての伸びしろは大きく、逆に、既存の知識ややり方に固執する人にとっては、苦痛となることも増えてくるでしょう。

AIエンジニアに向いている人・適性

AIエンジニアのキャリアプラン・キャリアパス

一人前になるまでのキャリアパス

AIエンジニアの業務内容は高度であり、数多くの専門知識を扱う職業でもあるため、一人前になるには何年もの時間が必要となります。

もともとの基礎知識や適性にもよりますが、これまで学校などでまったくAIについて学んでこなかった未経験者ですと、最初の1年目、2年目などは何をやっているかさっぱりわからないという状況が続くこともあるようです。

とはいえAIエンジニアは、何人ものエンジニアでチームを組み仕事を進めるのが基本でありますので、新人にいきなり難しい仕事が与えられることは少ないです。

新卒採用や未経験採用で入社した場合、研修や先輩からのOJTを受けながらまずは専門性の低い業務から任されるのが一般的であり、その中で少しずつ知識やスキルを磨いていく形となります。

その後、経験年数が増えてくると、徐々にチームのサブリーダーなどにシフトしていき、ゆくゆくは開発現場を纏め、今度は自分が後輩たちを指導する立場になっていくケースが多いです。

一人前になった後に必要な努力

前述もしたように、AIの技術開発は今世界中で進んでおり、テクノロジーの進化のスピードはとても早いです。

やっと一人前の仕事ができるようになったと思ったら、これまで用いていた技術や知識がすでに古いものとなっており、時代の求める優れたAIを開発するには、また新たな技術を学ばなければならないこともあります。

AIは最先端な技術分野でもあるため、歩みを止めず、エンジニアとして常に新たな技術を追う必要があります。

一人前になったからと慢心し学びを止めてしまうと、今後入社してくるAIに明るい世代の若手エンジニアにポジションを奪われてしまうこともあるかもしれません。

その先のキャリアプラン

AIエンジニアの将来的なキャリアプランとしては、次のようなものが挙げられます。

<AIエンジニアのキャリアプラン>
・スペシャリストなエンジニアとして、引き続き現場で活躍する
・チームリーダーやプロジェクトマネージャーなどの管理ポジションに移行する
・本場海外の外資系AI企業などに転職し、より高度なAI開発に携わる
・大学や研究機関の研究員に転職し、AIの基礎研究などに携わる
・専門学校や民間スクールの講師として活躍する
・「データサイエンティスト」や「システムエンジニア」など、関連するIT職種に転職する
など

AIエンジニアは誕生して間もない職業であるため、まだまだキャリアプランが未知数な部分もあります。

企業によっては、まだAI部門を創設したばかりでベテランのAIエンジニアが少なく、社内でどのようなキャリアを歩むかのモデルケースが確立していないような会社も少なくはありません。

とはいえ、AIエンジニアの用いる技術の社会的ニーズは高く、また時代はAI時代に突入しようとしています。

AIエンジニアへの需要は今後さまざまな場所で生まれる可能性が高く、それこそ技術力やスキルのあるエンジニアであれば、多彩なキャリアを描ける期待が持たれます。

AIエンジニアを目指せる年齢は?

AIエンジニアは、今人手が大きく不足している職業であり、「年齢不問」、「ミドル歓迎」などの条件で募集している求人も少なくはありません。

そのような求人が出されている以上は、極端にいえば何歳からでも目指せる職業ともいえ、実際に30代以降からAIエンジニアに挑戦する人もいるようです。

ただし、AIエンジニアは常に新しい知識を学ぶ必要があるため、吸収力が早く、発想も柔軟な、20代前半~20後半程度の若者の方がやはり歓迎はされやすいです。

また、今後は政府の進める「AI戦略」により、若い世代のプログラミング教育やAI教育が強化されていく予定もあるため、そのような英才教育を受けた若い世代に、よりニーズが移っていく可能性もあります。

したがって、30代40代以降からAIエンジニアを目指す場合は、年齢的弱点をカバーするためにも、資格勉強をするなどプラスαの対策が求められることもあるでしょう。

AIエンジニアは女性でもなれる?

AIエンジニアには性別的な制限はなく、もちろん女性でもなることのできる職業です。

力仕事ではなくデスクワークがメインの仕事となるため、男女の身体的能力差の影響も受けにくい職業ともいえます。

ただし、AIエンジニアの場合、数学・統計・コンピュータサイエンスなどの分野の知識が強く求められてきます。

理工系の色が濃いために、大学や専門学校でAIに関連することを学ぶ学生も圧倒的に男性のほうが多く、卒業後にAIエンジニアを目指す学生も、やはり男性中心となっているのが実情です。

実際にAIの開発現場で働いているエンジニアも、その多くは男性が占めており、女性エンジニアが一人もいないプロジェクトというのも珍しくはありません。

とはいえ、AIエンジニアは人手の絶対数が大きく不足している職種でもあり、水面下では人手を確保するため、女性やシニア世代の人材を積極的に取り込もうという動きも進んでいるようです。

「理系女子」や「エンジニア女子」なども定期的に話題になる中、今後はAIエンジニアを目指す女性も少しずつ増えてくるかもしれません。

女性のAIエンジニアのキャリアパス・結婚後の生活