AIエンジニアの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

AIエンジニアの仕事とは

AIエンジニアとは?

「AI(Artificial Intelligence)」は日本語で「人工知能」と訳され、人間と同様の知能をコンピューター上で実現させるための試みや、そのための一連の技術のことを意味します。

そのようなAIの開発を行うエンジニア(機械学習エンジニア)のことを、一般的に「AIエンジニア」と呼ばれます。

AIエンジニアの仕事は、「機械学習」や「ディープラーニング」といった技術を用いて、機械に「データ」を与え、かつ判断方法や考え方を「学習」させていき、人間と同じように自ら思考できるシステムである「AI」を生み出すことが主な仕事となってきます。

わかりやすくいえば、AIも最初は何もしらない赤子のようなシステムであり、それにこれが正しいこれが間違っているのデータを与え、学習させていくことがAIエンジニアの役割となります。

たとえば、普段私たちが使う「迷惑メールフィルタ」もAIの身近な例であり、機械学習によって法則性を学習したAIが、どれが迷惑メールやスパムメールであるかを識別してくれています。

そのような身近な分野にもAIエンジニアの仕事は存在します。

その他にも、スマートフォンの音声認識のほか、自動車の自動運転、産業用ロボット、画像処理の分野まで、AIは現在さまざまな場所で活用されており、また、これからさらなる発展や普及が見込まれると予想されています。

AIエンジニアの意味は広い

厳密にいうと、「AIエンジニア」という言葉の定義は明確化されているわけでありません。

いってみれば、AIに関する仕事を行うエンジニアや技術者に対する総称が「AIエンジニア」となり、その意味は実際のところ広いです。

一般的には、前述したようなAIを開発するエンジニア(機械学習エンジニア)をAIエンジニアと呼ぶことが多いですが、他にも、たとえばAIを活用してデータ分析やビジネス戦略を考案する「データサイエンティスト」と呼ばれる職業も、広くはAIエンジニアに括られてきます。

会社によってもAIエンジニアの捉え方が異なる場合もありますので、就職をする際には、就職先の会社が想定している仕事内容をよく確認しておくことが、ミスマッチを避けるためにも大切でしょう。

AIエンジニアの業務の内容

AIエンジニアの業務の内容は、「企画」「AIシステムの開発」「データの準備」「AIの学習」「テスト&評価」「最新技術の研究や調査」の大きく6つに分類されます。

企画

「企画」は、これから新しく開発するAIをどのようなものにするかを企画・考案する業務です。

AIでできること、AIで解決したいこと、それがAIで実現できるかなどを整理した上で、企画を練っていきます。

なお一般企業でAIを企画する場合は、ビジネス目的でAIを活用することになるため、AIを開発することにより、あくまでビジネス上でどのようなプラス効果が得られるかという視点も重要になってきます。

また企画の仕事は、AIについて専門的な知識を持たない人を相手に、AIの活用法をわかりやすく伝えなければならないこともあるため、エンジニアとしての技術力だけでなく、営業力や提案力も問われてきます。

AIシステムの開発

プログラミング言語のPython(パイソン)などを利用し、ベースとなるAIのシステムを構築していきます。

構築・修正を繰り返し、より精度の高いAIを作り上げていきます。

なおこの時点ではAIは単なるシステムに過ぎず、AIとして機能させるには、データを与え、学習を進めていく必要があります。

データの準備

AIを学習させる上では、ベースとなる「学習データ」を準備する必要があります。

学習データは、一般的にトレーニングデータ、開発データ、テストデータの3つを揃える形となります。

また、機械学習に使うデータは、そのままの状態では使えないことが多く、データクリーニングなどの「前処理」も行います。

学習に必要な最適なデータを集め、また欠損や傾向を把握したり、Pythonライブラリや分析ツールを用いて可視化したデータの特徴を掴んだりすることも、AIエンジニアの重要な業務の一つとなってきます。

AIの学習

AIの学習は、一般的に「機械学習」や「ディープラーニング」を用いて行われます。

準備した学習データをもとに「モデル」を構築し、AIに一定のモデルを学習させていきます。

なお、「モデル」というのは、未知のデータが入力された際、結果を予測できるようにするためのロジックのようなものです。

テスト&評価

学習をおえたAIに対して、期待した通りの動きをするか、問題のある動作はないかなどをテストし、性能を評価します。

例として、たとえば検索エンジンに用いるAIであれば、検索ユーザーの求める検索結果が上位に来るかをテストすることになります。

会話型のAIであれば、期待する会話応答やコミュニケーションができるかなどをテストします。

AIの場合、最初からすぐに上手く機能するとは限らないため、想定した動作をしない場合は、再び学習を繰り返し、都度性能をチェックしながら、AIとしての精度を高めていきます。

最新技術の調査や研究

AI分野の技術は、日々、目まぐるしいスピードで進化しています。

より高度で優秀なAIを開発するためには、最新の論文などを調査して新たな知識や技術を吸収すること、社内のエンジニアたちで研究を進めていくことも大切です。

また、業務の一環で技術調査を行うこともありますが、AIエンジニアとしてスキルアップしていくには、業務外のプライベートな時間においても自主的に技術の勉強などは必要になってくるでしょう。

AIエンジニアの役割

社会的な役割

AIエンジニアの社会的な役割は、AIを用いて、人々により便利な生活を提供することです。

たとえば、私たちが普段使うインターネットも、ワード検索をかけた際、今では自分のイメージにかなり近い情報が表示されるようになってきています。

これはAIが検索をかけるユーザーの意向を分析し、ユーザーが求める有益な情報が何かを判断してくれているためです。

他にも、身近な所では、たとえばスマホカメラの画像認識もAIが活用されており、最近では料理レシピの考案や金融投資の考案を行うAI技術なども生まれきています。

AIは、今後よりさまざまな場所で用いられ、より便利で労力の減る社会になるといわれています。

それを根底で支えるのが、AIそのものを作りだすAIエンジニアです。

組織的な役割

企業は営利目的でAIを活用しますので、企業に勤めるAIエンジニアの役割は、AIを開発し、ビジネス上でのプラス効果を自社にもたらすことです。

たとえば、自動車の「自動運転技術」にもAIが活用されています。

自動車メーカーに勤めるAIエンジニアであれば、より高度な自動運転技術を開発し、ユーザーの購入意欲を上げ、自動車売上台数に貢献することが、企業という組織内での役割となってくるでしょう。

AIエンジニアの勤務先の種類

代表的な勤務先

AIエンジニアの勤務先はさまざまですが、代表的なものとしては次のような場所が挙げられます。

<AIエンジニアの勤務先の例>
・一般企業、メーカー系企業など:トヨタ自動車、パナソニックなど
・IT業界のSIer:NTTデータ、日本ユニシスなど
・AIベンチャー:Shannon Lab、リープマインドなど
・Web系大手企業:DeNA、サイバーエージェントなど
・大学の研究職
・研究機関の研究職:産業技術総合研究所、理化学研究所、人工知能研究センターなど
・外資系IT企業:google、IBMなど

AI技術の開発を専業とするAIベンチャー企業というのも勤務先の一つではありますが、昨今は、これまでAI事業は行っていなかった一般企業や総合メーカーなどが、新たにAI部門を創設し、AIエンジニアを採用する動きも目立ってきています。

特に自動車メーカーや総合電機メーカーなどはAIとの相性がよく、そのように自社商品にAI機能を組み込みたいと考える企業では、積極的にAIエンジニアを募集している傾向があります。

また、AIエンジニアの場合は、大学や研究機関で「研究職」として採用される道も用意されています。

高まる需要で活躍の場も広がる

AIの需要は今後より拡大し、近い将来、社会全体に大きく普及するといわれております。

2019年3月29日には、政府から人工知能(AI)の本格導入に向けた「AI戦略案」が発表され、データサイエンス・AIを理解し、各専門分野で応用できる人材を年間25万人育てるという大きな目標も掲げられました。

AI事業に乗りだす企業も今後はより増えると予想されており、AIエンジニアの活躍の場はさらに広がり、時代を象徴する職業となっていくともいわれています。

一般企業と研究機関の違い

一般企業に勤めるAIエンジニアの場合、「営利目的」でAIを開発することが基本です。

開発予算や、AIがその後もたらす売上や収益も考慮しながら、あくまでビジネスとして開発を進めていくため、一般企業ならではの制限が生まれることもあります。

対して、大学や研究機関の研究職の場合は、どちらかというと純粋な社会全体への貢献を目的として、AI開発が行える機会に恵まれております。

ただし、大学や研究機関であっても、予算や研究テーマなどに対してある程度の制限はあり、自分の思うがままの研究に没頭できるというわけではありません。

メーカーで働くAIエンジニア

「トヨタ」や「パナソニック」などのメーカーでも、AIエンジニアの採用が積極的に行われています。

メーカーはあくまで民間企業ですので、自社の利益を追求するために、AI技術を開発することになります。

実用化や収益面の視点も強く求められ、納期やコストも意識しながら開発を進めていくことになります。

開発する技術も、たとえば自動車メーカーであれば「AIによる自動運転技術」といったように、基本的にはそのメーカーが販売する商品に関連する技術となってきます。

またメーカーなどの民間企業でも、「研究職」としてAIエンジニアが採用されることもありますが、大学などが行うような「基礎研究」ではなく、既存の技術を利用した「応用研究」であるのが一般的です。

SIerで働くAIエンジニア

「NTTデータ」や「日本ユニシス」など、SIer(システムインテグレータ)系の会社もAI技術の活用したビジネスを進めています。

SIerの場合、クライアントとなる企業の「ITシステム」や「業務システム」を受託開発することが主事業となります。

「ITシステムによって、クライアント企業の業務の課題を解決する、円滑化させる」といった事業方針が大前提にあり、そのための手段としてITシステム+AIを組み合わせソリューションを行っていく形となることが多いです。

研究機関で働くAIエンジニア

国立大学の研究室、また、「産業技術総合研究所」や「理化学研究所」などの公的な研究機関でも、AI技術の研究開発が行われています。

そのような研究機関では、民間企業のように利益第一でなく、社会全体への貢献や、純粋に「知りたい」という動機で、AI開発が行える機会に恵まれております。

また、民間企業に比べ、結果や期限をシビアに求められず、一つのテーマを長く追及しやすいという利点もあります。

加えて、既存技術の応用ではなく、全く新しいAI技術を開発する「基礎研究」に携われる機会にも恵まれています。

ただし、その分求められる知識やスキルは高度なものが必要となり、採用は狭き門となってきます。

「常駐」で働くAIエンジニア

AIベンチャー企業やSIer系の企業の場合、自社のエンジニアをクライアント先に派遣し、「常駐」して働いてもらう制度としている会社も少なくはありません。

「常駐」というのは働き方の一種のことであり、自分の勤める会社ではなく、クライアント先のオフィスや外部のプロジェクトルームに席を置き、そこに直行直帰する働き方となります。

いわばお客さま先の環境で働くことになり、就業規則なども基本的には常駐先のルールに従う形となります。

外部の環境となるため、独特の緊張感や難しさもありますが、その分濃い経験を積みやすいという利点もあります。

一方で、メーカーなどに勤務するAIエンジニアの場合は、「自社開発」となるのが一般的であり、自分の勤める会社のオフィスで、自分の会社の同僚たちに囲まれながら開発できることが多いです。

外資系企業が活躍の場となることも

国内企業は海外から比べるとまだまだAI分野に出遅れています。

一方で本場であるアメリカなどの外資系企業は、はやくからAI研究に乗り出しており、企業のAI開発への取り組みも積極的です。

また、それでもAIエンジニアというのは世界的にまだまだ不足気味であるため、GoogleやIBMといった外資系企業は、優秀なAIエンジニアを国問わず世界中から募集しています。

AIエンジニアとして誇れる経験やスキルを積むと、将来的にそのような外資系企業にキャリアアップ転職する道も描けてくるでしょう。

高度なスキルが必要となるAIエンジニアはもともと高収入な職業でありますが、特に外資系企業では国内企業以上にAIエンジニアの価値を尊重する会社が多いです。

外資系企業のAIエンジニアの場合、年収数千万円クラスの待遇で迎えられることも決して珍しいことではありません。

AIエンジニアの仕事の流れ

AIの開発は、企画・設計→AIシステムの開発→データの準備→AIの学習→テスト&評価といった流れで進められていくことが多いです。

なおAIの場合は、どんなに企画や設計を詰め、あらゆる面に気を配って開発を進めたとしても、最初から完璧なAIを作り出すことは難しく、都度、調整やチューニングを行いながら、精度を高めていく開発スタイルとなってきます。

また、AIエンジニアの場合、工程毎に分業することは少なく、一人のエンジニアがプロジェクトの最初から最後まで担当することが多いようです。

時には1つの開発案件に、何年間もの長期間携わることもあるようです。

ITエンジニアと関連した職業

AIエンジニアとデータサイエンティストの違い

前提として、「AIエンジニア(機械学習エンジニア)」と「データサイエンティスト」は、どちらも大きくは同じAIエンジニアに括られます。

具体的な仕事内容の違いとしては次のようになります。

・AIエンジニア(機械学習エンジニア):AIの開発を主に担当、機械に学習させAIを作り出す
・データサイエンティスト:AI技術を活用し、データ分析やビジネス戦略を練る

データサイエンティストはどちらかといえば、データ分析やアナリティクス分野の職業となります。

AIの機能を利用して、大量の「ビックデータ」を分析、その分析結果から企業のビジネス戦略などを提案していくまでがデータサイエンティストの仕事となります。

どちらも「機械学習」や「ディープラーニング」を用いてデータを扱う職業であることには変わりありませんが、AIエンジニア(機械学習エンジニア)はいってみればAIを作り上げるエンジニアです。

一方でデータサイエンティストは、AIを用いて新たな価値を生み出していくオペレーターのような仕事ともいえます。

データサイエンティストの仕事

AIエンジニアとITエンジニアの違い

SEやプログラマーといった「ITエンジニア」も、「AIエンジニア」も、コンピュータ上のシステムを作るエンジニアであることには変わりありません。

ただし、ITエンジニアの作るITシステムは、機械自らが判断する機能はもたず、あくまで決められた通りに動くシステムです。

対して、AIエンジニアが作るのは、機械自らが判断する「AI」というシステムであり、決まった通りに設計をするというよりも、学習させ成長させていくイメ―ジの開発方法となってきます。

ITエンジニアの仕事

AIエンジニアとロボットエンジニアの違い

「AI」と「ロボット」は混合されやすく、「ドラえもん」や「ターミネーター」のように、AIを搭載して意志を持つ機械をロボットとイメージする人もいます。

しかし、「ロボット」というのは、本来、人の代わりに作業を自律的、自動的に行う装置、もしくは機械のことを指します。

たとえば製造工場などで用いられている、決められた一連の定例作業を行う産業ロボットもロボットの一つであり、必ずしもロボットがAIを搭載しているわけではありません。

また、そのようなロボットを作り上げるエンジニアの総称が「ロボットエンジニア」となります。

対して「AIエンジニア」は、AIという頭脳の部分を作り上げるエンジニアです。

ただし、たとえばお掃除ロボット「ルンバ」のように、AIを搭載するロボットというのも既に存在し、そのようなロボット作りにはAIエンジニアの手も加わっています。