AIエンジニアの需要・現状と将来性

AIエンジニアの現状

世界中でAIエンジニアが求められている

AI技術は、世の中の至る所に普及がはじまっており、「AI時代」が到来しようとしています。

今後は、金融や医療、農業や輸送業など、よりさまざまな分野にAIが活用されるようになると予想されています。

車はAIによる「自動運転」となり、接客や介護などの人的サービスもAIを搭載したロボットが代行するようになるともいわれており、身近な部分でも、私たちの生活はAIによって大きく変わる可能性があります。

そのようなAIの普及に伴い、AIを開発するAIエンジニアというのは、今世界各国が必要としています。

一方で、AIエンジニアには、機械学習やディープラーニング分野の専門知識、数学統計学分野の知識、プログラミング能力など、高度なスキルが要求されます。

そのため、成り手となる人材というのはまだまだ少ないのが現状であり、次世代を担う人材の育成や教育が急ピッチで進められている状況です。

国内でもAIなどの「先端IT人材」が不足

日本国内でも、「AI」「ビッグデータ」「IoT」などの、いわゆる「先端IT」分野に携わるエンジニアの数が不足している傾向です。

経済産業省が纏めた「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によれば、現時点(2016年時点)での先端IT人材は約9.7万人、そのうちの不足数は約1.5万人、2020年までにこの人材数が12.9万人、不足数が4.8万人にまで拡大するという試算結果も公表されています。

先端IT分野は、今後産業としても大きく成長すると考えられており、人材不足は国際競争力にも影響します。

これまでは、日本は海外と比べるとまだまだ先端IT人材の育成が遅れている傾向にありましたが、国をあげてAIの教育を行う「AI戦略」の案が2019年に発表されるなど、ここ最近になり新たな動きも出始めてきています。

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AIエンジニアの需要

スキルを要求される求人が多い

前述もしたように、AIエンジニアは人手が大きく不足しています。

とはいえ、AIエンジニアの仕事内容は高度かつ専門的であるため、企業側のニーズとしては、やはり教育が不要で、既に一定のスキルを持っている「経験者」が欲しいというのが実際のところのようです。

とくに「トヨタ」のような大手企業のAIエンジニアとなると、何年間ものAI開発業務の経験がある人を前提としており、仕事としての職務経験がないとニーズから外れるとこがあります。

ただし、同時に大企業の場合は、多様な人材を求める余力もあるため、「AI開発の経験はないけれど、システムエンジニアとしてITインフラ構築のスキルはある」「AI開発の経験はないけれど、自動車の開発経験はある(自動車メーカーの場合)」など、何かしら関連する経験があれば、採用に繋がることもあるようです。

未経験者にもニーズはある

もちろん、絶対的な人手不足から、未経験者であっても採用しようとする企業もあります。

特に、中小やベンチャーのAI開発企業や、SES(システムエンジニアリングサービス)を主事業としている企業などですと、未経験者を積極的に採用する動きがみられます。

ただし、AIエンジニアには高度なスキルが求められるため、業務自体は未経験であっても、基礎的な知識は自主的に勉強して有している未経験者を求める企業がやはり多いようです。

20代の若い世代であれば、まったくのゼロから育ててくれる企業もありますが、30代以降で挑戦する場合は、プログラミングスキルや機械学習系のスキルを自主的に学ぶなどして基礎を固めておかないと、就職・転職活動では苦戦が強いられる可能性があります。

海外エンジニアと競合することもある

アメリカなどの海外は、AI開発に対する意識が日本以上に高く、すでに国や教育機関、企業が一丸となって、AIエンジニアやデータサイエンティストの育成を進めています。

そのような環境で育った本場海外のエンジニアの中にも、日本企業で働きたいという人もおり、また日本企業側としても、優秀なエンジニアであれば、国籍問わずグローバルに採用しようとする動きも見られます。

そのため、大手企業の採用や給料や待遇のよい企業の採用では、応募してきた海外の優秀なエンジニアがライバルとなり、熾烈な戦いとなることもあり得ます。

AIエンジニアの将来性

AI産業の当面の将来性は明るい

AI産業は、今後の時代を担う一大成長産業ともいわれています。

これからの時代はAI技術が生活のあらゆる面に普及しはじめ、AI開発に乗り出す企業なども今後より増えてくるといわれています。

そのような中、AIを開発する機会学習エンジニア、またAIを活用するデータサイエンティストに対する仕事というのはより増えると予想されており、当面の間は一定の需要が確保されている、将来性の明るい職業といえるでしょう。

一方で、事務員、販売員、ドライバー職など、既存の職種の多くは、いずれAI+ロボットが普及することにより、仕事が奪われると危惧もされています。

イギリスのオックスフォード大学からは、「近い将来に現在ある仕事の90%は機械(AI)に置き換えられる」との将来予想も公表されています。

AIエンジニアが今後増えるリスク

現状、AIエンジニアは世界的に人材不足となっているため、AIエンジニア側からしてみれば、有利な「売り手市場」が続いています。

ただし、水面下では次世代を担うAIエンジニアの育成が始まっております。

これまで海外から出遅れていた日本でも、2019年3月29日、ついに政府より「AI戦略」が発表されました。

このAI戦略は、今後おとずれるAI時代をみこし、政府がAI関連領域で実行するべき政策を提言したものです。

「データサイエンス・AIを理解し、各専門分野で応用できる人材を年間約25万人育成」などの大胆な目標も掲げられています。

小中高生向けの教育体制についても強化する案が出され、小学生からプログラミング教育を取り入れ、高校生に対しては、「全ての高校卒業生が理数・データサイエンス・AIに関する基礎的なリテラシーを習得」という目標まで立てられています。

今後はそのようにAI教育の地盤が整っていく予定であるため、AIエンジニアの数は少しずつ増えていく可能性が高いです。

それは現役のAIエンジニアにとっては脅威ともいえ、売り手市場ではなくなるリスクも生じてきます。

また、これからの世代はより高度なAIスキルを身に纏う可能性も秘めており、英才教育を受けた次世代の若いエンジニアに負けないためには、これまで以上に、新たなスキルを磨く意欲や情熱が必要になってくるかもしれません。

AIエンジニアもいずれなくなる可能性もある

プログラマー」が行うプログラミング作業は、AIでも代行しやすいため、今後AIが進化することにより仕事自体がなくなるとも危惧されています。

そして、AIエンジニアの仕事もプログラマーと似ている部分もあります。

AIエンジニアは、機械学習、ディープラーニングを用いてAIに「学習」させていきますが、その作業もプログラミングと似ている部分があり、いずれAIが進化すれば、AIがAIエンジニアに代わり学習を行い、新たなAIを生み出す可能性もないとはいい切れません。

このままAI開発が進むと、2045年には「技術特異点(シンギュラリティ)を迎え、AIが人間に近い能力を備え、また人間以上の能力を持つとも考えられています。

AIの進化のスピードは早く、また未知の可能性も多々秘めているため、30年後40年後の未来にはAIエンジニアという職業自体もなくなる、もしくはまったく別のものになっている可能性もあるでしょう。

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AIエンジニアの今後の活躍の場

さまざまな業界が活躍の場に

これまでは、自動車メーカーや総合電機メーカー、もしくはIT系企業やWeb系企業など、AI技術と比較的近い位置にいる企業で、AIエンジニアの採用が行われている傾向でした。

しかし今後は、金融系企業、医療メーカー、製造業、物流業、農業など、これまでAIと関連性の薄かった業界や会社などでも、AI技術が扱われるようになるといわれています。

大きな企業であれば、外注ではなく、社内に新たにAI部門を創設し自社開発することも珍しくはないため、たとえば「医療メーカーに社内AIエンジニアとして採用される」「物流系企業のAI部門に入社する」といったようなケースも、今後はより増えてくるかもしれません。

運用・保守の仕事も増える

AIも、従来のITシステムのように、維持してくためには「運用・保守」のアフターフォロー的な仕事も必要となってきます。

現在、続々と新たしいAIが開発され世に普及し始めていますが、そのAIたちを運用・保守していく仕事も、今後比例して増えていくでしょう。

運用・保守の仕事は、開発業務と比べると難易度は低めのため、未経験の人などが運用・保守の仕事からステップアップしていくとうケースも今後増えてくるかもしれません。

教育者としての道も

最近は、Pythonプログラミングやディープラーニングなど、AI関連の技術を教える専門学校や民間のスクールも増えて来ています。

今後は、政府の「AI戦略」によってAI教育が一般化していくことに伴い、よりAI関連の教育ビジネスがより盛況となる期待も持たれます。

そのような状況になれば、AIエンジニアとして身に付けた経験や知識の価値はより大きくなり、これからAIについて学びたい人たちのために役立てることもできます。

専門学校やスクールなどの教育の場で、「講師」や「アドバイザー」などの教える立場として働くケースもこれから先はより増えてくるかもしれません。