【2021年版】校正者の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「校正者」とは

書籍や雑誌、広告などの原稿と校正刷り(ゲラ)を照らし合わせ、内容のチェックをする。

校正者とは、書籍や雑誌、広告などの原稿と校正刷り(ゲラ)を照らし合わせて、間違いがないかチェックをする仕事をする人のことです。

文字の大きさ、書体、組方を含めた誤植などの文字校正を担当します。

勤務先は出版社、新聞社、印刷会社などが中心ですが、フリーランスで仕事を請け負う人も少なくありません。

この仕事に就くためには、出版社などに正社員やアルバイトとして務めるほか、スクールに通って校正の技術を学び独立する方法などがあります。

給料は一般的な会社員のものとさほど変わりませんが、フリーランスは出来高払いとなるため、受注数が多ければ収入もアップします。

校正者と近しい職種に文章の事実確認や内容の整合性を確認する「校閲者」があり、校正と校閲の両方をあわせて「校正者」と呼ばれることもあります。

「校正者」の仕事紹介

校正者の仕事内容

印刷前の出版物の原稿に間違いがないかをチェックする

校正者とは、書籍や雑誌、広告などの印刷物の原稿と、「ゲラ」と呼ばれる校正刷りを照らし合わせて、文字の内容に間違いや修正する箇所はないかを確認する仕事です。

具体的には、文字の大きさや書体、組方を含めた誤植など、文字に関するあらゆる校正を担当します。

校正者の仕事は、原稿と校正刷り(ゲラ)を受け取るところからスタートします。

双方を見比べて間違いや直すべきところがないかを、集中してくまなくチェックします。

「初校」「再校」「三校」と校正刷りが繰り返し出力され、そのたびに修正が必要と思われる部分には、「赤字(:修正指示のこと)」を入れます。

その後、赤字を入れるべき点がなくなる「校了」となるまで校正を繰り返します。

校閲者との違いは?

校正者と似た仕事に「校閲者」がありますが、校閲者は原稿に書かれている文章の意味や内容を読んで、事実確認や誤りを正す仕事です。

内容そのものを深く読んでいき、人物名や歴史的事実、数値などに間違い・違和感がないかをチェックしたり、作品全体でつじつまが合っているかどうかなども検討します。

校正者と校閲者はどちらも原稿を仕上げるのに不可欠な仕事で、分業されることもありますが、最近では一人で双方の業務を担当するケースが増えています。

校正者になるには

大手出版社や新聞社などへの就職を目指す

校正者として会社勤めをしたい場合は、出版社や新聞社、印刷会社がおもな就職先の選択肢となります。

出版社であれば、ある程度の大きな会社になると、定期的に採用が行われることもあります。

一方、中小規模の会社では採用人数があまり多くなく、欠員が出ないと新規採用がまったく行われない場合もあります。

需要に対して志望する人が多くなりがちなため、就職活動は厳しくなると覚悟しておく必要があるでしょう。

未経験でも採用されるチャンスはゼロではありませんが、スキルがある人が優先的に採用されることが多いです。

民間の校正スクールで学んでおくと校正の基礎スキルをアピールしやすく、また就職先を紹介してもらえることもあります。

独立して働くことも可能

校正の仕事は、独立してフリーランスとして行うことも可能です。

近年は社内に社員の校正者を置かない企業も増えており、校正の仕事をフリーランスに外注するケースが増えています。

そのため、正社員採用を目指すよりも仕事を見つけやすいかもしれません。

しかし、フリーランスで校正者をする場合には、経験やスキル、実績が求められることも多いです。

完全な未経験でいきなりフリーランスになるのはハードルが高いため、アルバイトであっても、会社で校正を行った経験を積んでおくほうが安定的に仕事を見つけやすいでしょう。

校正者の学校・学費

校正者を目指す人のための民間スクールがある

校正者になるために特別な学歴は必要なく、出身学部などを問われることもほとんどありません。

ただし、大手の出版社や印刷会社は「大卒以上」を応募条件としているところが多いため、注意が必要です。

校正者の募集はあまり多くないため、学力的に優秀な人でもなかなか就職できないことがあります。

就職の可能性を広げたいのであれば、校正者を養成する民間のスクールや講座に通い、校正の知識・技術を身につけておくのも一つの方法です。

スクールによっては、校正者を募集する出版社などから、直接求人票が届くこともあります。

それを活用して就職活動をすることもできるため、校正者を目指したい人は調べてみるとよいでしょう。

校正者の資格・試験の難易度

日本エディタースクールの校正技能検定

校正者になるにあたって絶対に必要とされる資格はありませんが、校正業務に関連する民間資格が存在しています。

その一つが、1966年より「日本エディタースクール」が主催している「校正技能検定」です。

校正技能検定は、校正者としての技能を認定する唯一の検定試験で、出版業界や校正者の間ではよく知られています。

独学で受験することも可能ですが、校正スクールを卒業したり、すでに校正者として働いたりしている人が腕試しのために受験するのが一般的です。

この試験に合格すると、合格者による団体「校正者クラブ」に所属することができ、校正に関する情報交換や求人情報の配信などを受けられます。

校正士(校正実務講座)

もう一つ、校正に関する資格として「校正士」があります。

この資格は「一般財団法人 実務教育研究所」の校正実務講座を修了することで受験できるものとなっています。

試験に合格すれば校正士資格認定証書が交付されるため、一定レベルの校正スキルがあることをアピールしやすくなるでしょう。

校正者の給料・年収

出版社などに勤務する校正者の収入

大手出版社や大手新聞社に正社員として勤務する場合、平均年収は400万円~500万円ほどといわれています。

諸手当が充実している場合には、もう少し高めの収入も望めるでしょう。

一方、校正プロダクションに勤務する正社員の平均年収は、もう少し低めとなり300万円~400万円程度、アルバイトの場合は地域や経験などに応じて、時給1,000円~1,800円程度が一般的です。

フリーランスの校正者の収入

会社に勤務する校正者はそこまで多いわけではありません。

フリーランスで校正の仕事をする人も多く、その場合、報酬(ギャラ)は出来高払いとなります。

報酬の決まり方は「1文字あたり」であったり、「案件単位」だったりとまちまちですが、個人の実務経験や能力、あるいは校正内容によって大きく幅があります。

駆け出しの校正者は年収100万円~200万円程度しか得られないことも珍しくありませんが、経験豊富なベテランになると、年収1000万円近くを目指すことも不可能ではありません。

校正者の現状と将来性・今後の見通し

校閲もできる校正者の需要が拡大している

活字離れや出版不況が嘆かれるようになって久しい出版業界ですが、それでも紙に印刷された文章を読みたいという人は根強く存在します。

また、近年の出版業界では電子書籍など新しい分野の仕事もあり、校正という仕事そのものは、今後もなくなることはないでしょう。

ただ、最近では、原稿と校正刷りを照らし合わせる従来の「校正」そのものよりも、文章の事実確認や内容の整合性を確認する「校閲」の作業のほうが、需要が高まっています。

校閲も含めた作業ができる校正者が求められるケースが増えているため、そのような校正者を目指していくと、活躍の場を広げやすいでしょう。

校正者の就職先・活躍の場

出版社や印刷会社を中心に活躍する

校正者が活躍するのは、おもに出版社や印刷会社のような、校正を必要とする原稿をつくる職場です。

ただ、社内に校正部門や校正チームが置かれているところは老舗の出版社や大手の出版社に限られており、編集者や営業職に比べると、校正者の人数は少なめです。

そのため、競争率は非常に高く、難関となることが多いです。

中小の出版社などでは、編集者として活躍しながら校正の仕事を行う人も珍しくありません。

このほか、編集プロダクションに所属したり、独立してフリーランスの校正者として活動していたりする人もいます。

校正の流れや仕事の進め方を覚えれば、在宅でも仕事をすることは可能です。

校正者の1日

ひたすら原稿に向き合い続ける

校正者の仕事は、出勤してから仕事が終わるまで、ひたすら原稿に向き合う仕事です。

手には赤ペンや鉛筆を持ち、担当する原稿の文字を、一つひとつ細かくチェックしていきます。

集中力が必要な仕事のため、こまめに休憩を挟み、人によっては合間に音楽を聴いたり体を動かしたりすることもあります。

ここでは、大手出版社に勤務する校正者のある1日の流れを紹介します。

8:30 出社
9:00 業務開始
担当している原稿(初校)をチェックしていきます。
校閲的な仕事も同時に担当しているため、事実確認にも時間を割きます。
12:00 昼休憩
原稿を読み続けると疲れるので、気分転換に外に出ることも。
13:00 原稿チェック
午前中に引き続き原稿を読んでいきます。
15:00 小休憩
15:30 2つめの原稿チェック
気分を切り替えて、別の原稿(再校)をチェックします。
指摘や疑問のある個所には鉛筆でその内容を記載します。
18:00 退社

校正者のやりがい、楽しさ

原稿の質を高めるために不可欠な存在として活躍できる

印刷物を作る過程では、どれだけ作家や記者が慎重に原稿を作成していても、必ず間違いは起こります。

その間違いを印刷前に発見し、作品の質を高めていくために、校正者は非常に重要な役割を担っています。

校正者はほとんどの場合、クレジットに名前が載るわけでもありませんし、制作に関わる人間のなかでは「縁の下の力持ち」といった存在です。

しかし、他業種でいえば「品質保証」のような仕事であり、重大なミスを事前に防ぐための最後の砦として、校正者は誰からも一目置かれ、頼りにされます。

ときには編集者に自身の考えを意見することもありますし、原稿をいち早く読めるのも楽しいところです。

一見地味な仕事かもしれませんが、やりがいも十分に感じられる仕事です。

校正者のつらいこと、大変なこと

集中力を切らさずに原稿を読み続ける苦労

校正者は勤務中、ずっと原稿を集中して読み続けなくてはなりません。

しかも「ながら読み」ではなく、そこに間違いがないか1文字1文字細かく確認していくため、1つの原稿を読み終えたときにはドッと疲れがやってきます。

また、近年ではDTP(desktop publishing:コンピュータを使って編集や印刷前の工程を行うこと)の技術が発達し、印刷物の納期が短くなったため、校正にかける時間も少なくなってきています。

限られた時間で集中して校正を行わなくてはならず、いくら好きな仕事であっても大変だなと感じることもあります。

細かな文字を追い続けるため眼精疲労になったり、ずっと同じ態勢で座り続けることから肩こりや腰痛などに悩まされる校正者も少なくありません。

校正者に向いている人・適性

集中力があり、さまざまな文章を読むのを苦にしない人

校正者は膨大な量の文章を1文字ずつ確認します。

誤字や脱字、文法をはじめ、文字や言葉、文章、文脈に間違いや矛盾がないか、徹底的にチェックすることになります。

こうした作業では集中力や根気が求められるため、地味な作業を淡々とこなすことが得意な人は、校正者に向いているでしょう。

細かな変化や違和感にも気づきやすい人も、校正者の適性があります。

また、校正者は原稿の中に知らない文字や言葉、内容があれば曖昧にはせず、もれなく調べなければなりません。

どのような文章でも興味をもつことができる人、読書好きで好奇心旺盛な人は校正者に向いているといえるでしょう。

校正者志望動機・目指すきっかけ

出版業界の仕事に興味をもつ中で目指す人が多い

校正者を目指す人は、もともと本を読むことが好きだったり、出版業界の仕事に興味をもっていたりする人が大半です。

この仕事では長時間、原稿を読み続けなくてはならないため、活字を読むのが好きであることは、校正者にとっては重要なポイントになるといえるでしょう。

また、最近では校正者や校閲者にスポットを当てたドラマや漫画作品なども増えているため、そういったものをきっかけに、この仕事を目指すケースもあるようです。

もともとは編集職を目指していた人が、途中で校正者の魅力を感じ、志望変更することもあります。

また、校正者はスキルを身につければ独立して在宅などでも働けるため、副業や在宅ワークをしたいという理由から、校正の勉強をしていく人も増えています。

校正者の雇用形態・働き方

フリーランスや在宅の校正者も増えている

出版社や印刷会社に勤める校正者は、ほとんどが正社員です。

しかし正社員は狭き門であり、欠員が出なければ新規採用がまったくかけられないことも珍しくありません。

アルバイトから制作現場に入り、雑用から少しずつ業務を任されて一人前の校正者を目指す人も多いですが、その道すらも険しいものがあります。

雇用されて働けるチャンスがあまり多くないこともあって、校正の知識や技術を身につけると、フリーランスとして独立する人も少なくありません。

とくに近年では、校正者養成スクールを卒業した後、ネットを活用して仕事を探し、在宅で校正をする人も増えています。

スキルがあれば、副業や主婦であっても、校正者としての仕事をすることは可能です。

校正者の勤務時間・休日・生活

締め切りに間に合うようにスケジュールを管理

出版社や新聞社、印刷所、校正プロダクションの正社員は、一般的な日勤の会社員と同様、土日祝の週休2日制、1日8時間勤務が基本になります。

契約社員やアルバイトであっても、フルタイム勤務であれば、勤務時間や休日は正社員とほとんど同じでしょう。

一方、フリーランスの校正者の場合、勤務時間や休日などのライフスタイルは千差万別です。

校正作業は締め切りに間に合うように個人でスケジュールを管理するため、納期に遅れることがなければ、いつ仕事をしようが自由です。

収入を増やすために多くの案件を受注していると忙しくなり、あまり休みをとらずに仕事をする人もいます。

校正者の求人・就職状況・需要

採用人数が少ないため、狭き門になりがち

出版社、新聞社、印刷会社の校正部門に所属する校正者は、正社員として採用されるケースが多いです。

しかし、校正者の人数は決して多くなく、その割に就職希望者がたくさんいるため、採用倍率は高くなる傾向が見られます。

中小の出版社や編集プロダクションなどではアルバイトとして校正者が募集されることもありますが、経験者が優遇されます。

未経験で就職を希望する場合、編集アシスタントなど、校正とは別の仕事から制作に関わっていくことも視野に入れたほうがよいかもしれません。

校正者は独立してフリーランスで働くこともできますが、この仕事は経験や実績がないと、なかなか安定的に仕事をとっていくのも難しいため、なんとかして現場経験を積める場所を探すことをおすすめします。

校正者の転職状況・未経験採用

未経験からの転職は厳しい

校正の知識やスキルは、一度身につければさまざまな場所で生かすことができます。

そのため、これから校正の勉強をして、校正者に転職したいと考える人は少なくありません。

ただし、未経験を歓迎する求人は少なく、あったとしても校正の勉強をしてきた人を優遇する傾向が見られます。

校正者は「校正記号」と呼ばれる特殊な記号を使用したり、Wordなどのアプリケーション上で校正したりすることもあるため、専門的な知識やスキルが必要です。

まったくの未経験から転職を目指す場合は、一度は校正スクールで勉強をして資格を取得するくらいの意欲が必要でしょう。

また、最初は正社員雇用ではなく、アルバイトとして経験を積んでいく道も模索したほうがよいかもしれません。

校閲者の仕事内容・校正者との違いは?

校閲は、文章の内容そのものもチェックしていく

校正者と校閲者は、どちらも出版業界では古くから活躍している職種であり、なくてはならない存在です。

どちらも似た要素をもつ仕事ではありますが、「校正」と「校閲」では、以下のような違いがあります。

・校正:仮刷りをしたものの文字や記号などの表記を原稿と比べ合わせて、誤りを正す
・校閲:文章を読んで、その内容や表現に間違いや違和感がないかを確認し、誤りを正す

校正は、定められているルールにもとづいて誤字や脱字、体裁の誤りなどを指摘しますが、基本的に文章の内容そのものを深く見ていくことはしません。

一方、校閲では人物や地名などの固有名詞に間違いがないかや、データの間違い、差別表現などがないかなど、内容そのものにも踏み込んでチェックをします。

校正者と校閲者は双方がタッグを組むことで、より完成度の高い原稿を仕上げていきます。

ただ、現場によっては「校正者」と呼ぶときには、校閲も含めた作業を行う人を指す場合もあります。