司書の勤務時間・休日

勤務体系の種類

 

司書の勤務時間や休日は、雇用形態によって大きく異なります。

たとえば地方公務員として正規雇用で働いている人もいれば、嘱託の職員として働いている人もいます。

正規雇用の場合は時間外労働(いわゆる残業)がありますが、嘱託の職員の場合は基本的にありません。

また、アルバイト・パートの司書として働いている人もいます。

アルバイトやパートの場合は短時間勤務になるなので、週に何回かシフトを決めて出勤することになります。

最近の図書館は地域によっては夜遅くまで開館していることもあるのでどのようなシフトになるのかは勤務先によって変わりますが、一般的にはどの図書館も10:00~20:00までの時間帯に開館していることが多いようです。

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司書の勤務時間

公立図書館の正規雇用の場合

まずは公立図書館で正規職員として勤務する司書の勤務時間を見てみましょう。

正規雇用ということは、その図書館がある自治体の地方公務員試験を受けて合格していることが大前提です。

司書の募集をしているある市の勤務を参考にすると、「司書Ⅰ類(大学卒程度)」という試験区分で採用試験に合格した場合に、市立図書館にて正規職員の司書として業務に当たることができます。

市の職員の勤務時間は原則8:30〜17:15の7時間45分ですが、この図書館の開館時間は10:00〜20:00(火〜金曜日)、10:00〜18:00(土・日・祝日)なので、このうち週に38時間45分働くようにローテーションが組まれている勤務となります。

公立図書館の嘱託職員の場合

別のケースとして、ある都道府県の公立図書館で募集されている嘱託での司書職の勤務時間についても見てみましょう。

9:15〜18:00、11:30〜20:15、9:30〜18:15という三つの就労パターンがあり、シフト制で働くことになります。

休憩時間はいずれも60分です。

嘱託職員の場合、残業はありません。

公立の学校の「学校図書館司書」の場合

2000(平成12)年から段階的に始まった「総合的な学習の時間」は、学校図書館を基盤として調べ学習を行なうことが多く、それに伴って小・中学校の図書館に配される司書(「司書教諭」とは別)が増えました。

このような公立の学校の図書館司書は、学校図書館を活用した授業の支援や資料収集、司書教諭の補佐や蔵書の管理などが主な仕事です。

ある市の募集要項を見てみると、「学校図書館司書」として勤務する場合、1日6時間以内かつ1週間のうち5日間働くことになっています。

たとえば8:30〜15:15(休憩45分、実働5時間)を基本の勤務時間として働き、年間10日程度は研修に参加します。

もちろん、学校によって勤務時間が多少前後したり、行事がある日は図書館が閉館になったりしますので、勤務日程の詳細は勤務校と相談して決めることになります。

ちなみに、夏休みなどの長期休業中は休日となることがあります。

司書の休日

 

司書の休日は、基本的に週休2日制になります。

ただし、公立図書館は土・日も開館しているので、一般的な会社員のように土・日で連休が取れるわけではなくどちらか一日は出勤日となります。

その代わりに図書館の休館日である月曜(祝日の場合は翌火曜)・第3金曜日や年末年始は休みになり、開館している曜日でも休日になる場合があります。

年間休日数は125日で、有給休暇も採用時に20日間与えられます。

正規雇用の職員の場合は産前産後休暇・育児休業・介護休暇なども付与されるので、働きやすい環境があるといえるでしょう。

地方公務員としての安定感もあり、結婚や出産、介護などと仕事を両立させることができるので、女性にとって長く続けていきやすい職場です。

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司書の残業

司書の仕事は、カウンターでの貸出・返却業務やレファレンスサービス(利用者の探している資料を検索する)だけだと思われがちですが、実際には「見えない仕事」に従事している時間の方が圧倒的に長いのです。

例えば、新着本を棚に並べるまでには、カバーや帯(本の下部に巻かれているキャッチコピー等を記載した紙)を外し、どのページも自然に開くように「開きぐせ」をつけ、作者や出版社、出版年など本の詳細な情報をコンピュータに入力して蔵書登録を行い、蔵書管理のためのバーコードや本の背に貼るラベル(請求記号を記載)を印字し、貼り付けるなど膨大な作業が必要です。

利用者が帰ったあとに残業をしてこのような作業を終わらせることも珍しくありません。

司書の夜勤

最近では行政によるサービスも多様化し、地域のニーズによっては図書館を夜遅くまで開館しているところも増えてきました。

このような図書館に勤務している司書の場合、シフト次第では夜の20時くらいまで働くことがあります。

子育てをしている人や介護をしている人にとっては夜勤が難しいと感じるケースもあるでしょう。

夜勤が必要かどうかは地域や図書館によって異なりますし、家庭の事情に応じてシフトの組み方を配慮してもらえることもあるので、就職を希望する図書館に事前に確認しておくとよいでしょう。

司書は忙しい?激務?

司書の仕事の忙しさは図書館によって異なります。

たとえば、利用者が少なくてカウンター業務がそれほど忙しくない図書館の場合は自分のペースで仕事をすることができますが、大きな図書館や人気のある図書館の場合は作業が山積みとなるので、開館から閉館まで非常に慌ただしく過ごすこともあります。

正規雇用の職員の場合は残業も発生するので、決して楽な仕事とはいえません。

それでも「本が好き」「図書館が好き」という熱意から仕事を楽しんでいる人が多い職場です。

司書の休日の過ごし方

司書になる人はもともと本が大好きな人が多いので、休日も読書をしているという人は少なくありません。

普段なかなか足を運ぶことができない大きな本屋まで出かけて、新刊をチェックしたり店員の手書きのPOPを眺めたりしながら、好みの作家や人気のある本を発掘するのです。

また、カフェでお茶を飲みながらのんびりと読書を楽しむこともあります。

普段から本に接する仕事をしているとはいえ、勤務中はゆっくり読書をすることができないので、休日にこのような趣味の時間を確保することでエネルギーを充電しているのです。

司書の1日・生活スタイル