精神保健福祉士の求人・採用の状況・就職先選びのポイント

精神保健福祉士の就職先にはどんなところがある?

かつて精神障がい者の「長期入院」や「社会的入院」が問題視されたことを契機として、厚生労働省は「入院医療中心から地域生活中心へ」というスローガンを掲げ、精神障がい者の支援方針を転換しました。

これに伴って、精神病院などの医療施設に勤めることが大半だった精神保健福祉士の就職先は、現在ではさまざまな分野に広く拡大しています。

医療施設以外で代表的なのは、就労継続支援事業所や地域活動支援センターといった福祉施設や、保健所や精神保健福祉士センター、市役所といった行政施設です。

ほかにも、グループホームやケアホームなどの高齢者施設や、児童養護施設、保護観察所や矯正施設などの司法施設もあります。

さらに、ストレス社会といわれる現代においては、精神障がいをもたない一般の人たちの間にも「心の悩み」が蔓延しています。

このため、中学校や高校に勤め、スクールソーシャルワーカーとして生徒からのいじめや不登校といった相談に応じる人や、一般企業に所属し、従業員のうつ病などのメンタルヘルスケアを手掛ける人もいます。

精神保健福祉士の就職先の種類と仕事内容の違い

精神保健福祉士の求人の状況

精神病院などの医療施設では、ほぼ精神保健福祉士の人員数が充足しているうえ、離職率が低く、スタッフの入れ替わりもあまりありませんので、求人数は限定的です。

その一方、2018年に一般企業における障がい者雇用が義務化された影響もあって、就労支援関係をはじめとする福祉施設からの求人数は増加傾向にあります。

さらに、高齢者人口の増加に伴って、グループホームをはじめとする認知症患者を対象とした施設からの需要も大きく伸びています。

なお、施設別ではなく、地域別に精神保健福祉士の求人動向をみると、東京や大阪といった都市圏では豊富な求人がある一方、地方では、年度替わりの時期以外の求人はさほど多くありません。

地元に帰って就職したい人などについては、就職活動のタイミングを図るか、あるいは介護福祉士ケアマネジャーといったほかの資格も取得することが必要になるかもしれません。

精神保健福祉士の就職先の選び方

障がい者への支援分野で選ぶ

上述のように、精神保健福祉士の就職先は多岐にわたっており、役所のように包括的に障がい者の生活全般をサポートしている施設もありますが、多くはある程度の役割分担がなされています。

たとえば、障がい者の日常生活訓練や指導を行いたいなら、デイケア施設のある病院や、生活訓練施設、短期入所生活介護施設などが選択肢となるでしょう。

同じように、就職面を支援したいなら、就労継続支援事業所や、福祉工場などの社会復帰施設が、入院生活から地域生活への移行を推進したいなら、民間の地域移行支援サービス事業所があります。

子どもへの支援を手掛けたいなら、求人数はあまり多くありませんが、児童養護施設がおすすめです。

また、行政機関に勤めて市民に対する啓発活動などを手掛け、精神障がい者の地位向上に貢献することで、間接的に精神障がい者を支援するという道も考えられるでしょう。

勤務体系で選ぶ

精神保健福祉士の就職先は、たいていが日勤の職場ですが、宿泊形式の訓練を行う施設やグループホームなどでは、夜勤を含むシフト制のところもあります。

また、休日についても、市役所のように土日が休みの完全週休二日制のところもあれば、病院のように交代で休みを取得するところもあります。

就職先を選ぶにあたっては、個々の生活事情に合わせて、そうした勤務体系を考慮するという方法も考えられるでしょう。

ただ、行政施設だから一概にすべて土日が休みというわけではなく、また医療施設だからといって必ず休みが不定期というわけでもありませんので、各施設の事情については、個別に問い合わることが必要です。

安定性で選ぶ

精神保健福祉士は、地方公務員として市役所や保健所に就職することも可能です。

将来にわたって安定的に働きたいなら、民間の病院や福祉サービス事業所などよりも、公的機関のほうが望ましいといえます。

ただし、行政機関に就職するためには、精神保健福祉士国家試験だけでなく、公務員試験にも合格することが必要ですので、かなりの勉強量をこなさなければなりません。

また、公務員の採用枠は限られている一方、人気が高く志望者が多いため、とくに都市部ではかなりの高倍率となることを覚悟しておく必要があるでしょう。

精神保健福祉士の志望動機・面接

精神保健福祉士の役割は、ソーシャルワーカーのなかでも「精神障がい者の支援」に特化しており、その業務目的ははっきりしています。

志望動機の構成としては、まず最初に精神障がいに興味をもったきっかけから入り、その次に、どのように精神障がい者を支援していきたいかという展望を述べるとよいでしょう。

精神保健福祉士の就職先は幅広くありますので、志望動機を考える際には、まず各施設の事業内容や特徴をよく調べて、それらを踏まえたうえで、個々にあった内容を作成することがポイントです。

採用面接の場においても、調べたことを踏まえて質問に回答すれば、福祉の現場の実情を理解し、熱意をもって精神保健福祉士を志望していることが面接官に伝わるでしょう。

併せて、できる限り自然体を心掛けて、精神保健福祉士にふさわしい、気さくで話しやすい人柄であることをアピールしましょう。

精神保健福祉士の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

就職先はどのように探したらいい?

精神保健福祉士の養成校では、在学生・卒業生のための就職支援を実施しているところがほとんどです。

ある程度の規模の学校では、学校主催の就職フェアや就職セミナーを開催しており、企業や施設の人事担当者から、各施設の特徴や雇用条件などの話を直接聞くことができます。

その後、必要に応じて施設見学を行い、採用面接を受けて内定へと至るケースが一般的です。

また、一般的な職業と同じように、インターネットの求人サイトやハローワークなどから就職先を探すことも可能です。

なかには、精神保健福祉士や社会福祉士、介護福祉士だけの求人情報に絞った、介護専門の求人サイトもあります。