介護福祉学とは? 大学で学ぶことや就職先は?





介護福祉学の概要・理念

介護福祉学は福祉学の1分野で、とくに高齢者や障がいを持った方々をサポートし、自立した生活を送ることができるようにするための福祉のあり方について研究します。

理論を学ぶだけでなく、実際の介護福祉の現場で即戦力として活躍できる人材の輩出を目指しています。

今後、急激に高齢化が進んでいく中、介護福祉を担う人材の育成は喫緊の課題となっています。

誰もが安心して暮らせる社会を実現するためにも、介護福祉学はなくてはならない学問分野の1つとなっているといえるでしょう。

介護福祉においては、さまざまな人の人生を支えていくためのサポートを行います。

そのため、介護に関する知識だけでなく、社会福祉、医学心理学といった幅広い領域の知識が必要になります。

こうした分野を総合的に学びながら、実習にも取り組むなど実践的な経験を積んでいきます。

多くの人と出会い、感謝していただける場面も少なくないため、人の役に立ちたいと感じている人にとって大変やりがいと学びがいのある分野といえます。

介護福祉学で学ぶこと

介護福祉学では、介護福祉のあり方などの理論と、介護や生活支援のための実践的な技能について学びます。

適切な介護を行うためには、障がい者や高齢者の心身の状態や変化について正確な知識を持っている必要があります。

また、人の人生を支える仕事ですので、相手のことを思いやる心のありようや高い倫理観といった、介護福祉に携わる人材としてふさわしい人間性の素地を築くのも、介護福祉学を学ぶ上で重要な要素です。

実習においては、実際に福祉施設や訪問介護の現場に入り、高齢者や障がいのある方々の介護や生活支援の実務を通じて、学んだ知識をさらに深めていきます。

介護福祉の分野はすでに完成されているわけではなく、現状においても多くの課題が残されています。

これらの課題をどのように改善・解決していくのかを考えることも、介護福祉学の重要な研究テーマとなります。

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介護福祉学の大学での授業科目の例

生活支援技術論

人体の動作の基本や利用者の寝心地に配慮したベッドの作成方法など、生活支援を行う上で必要な技術を学びます。

人体の機能と疾病

臓器や器官の正常な働きと、異常が生じた場合の病気について、幅広い知識を体得します。

高齢者福祉論

高齢者の暮らしをサポートする上で必要な知識や、高齢者に接する上で知っておくべき知識について学びます。

障がい者福祉論

さまざまな障がいや障がい者へのサポートのあり方について学び、適切な支援ができるよう知識を身につけます。

介護コミュニケーション論

介護において求められる利用者とのコミュニケーションのあり方や実践的な方法について考えます。

介護演習

介護施設や訪問介護の現場で実際に利用者への支援を行い、介護福祉について学んだ知識や技能をさらに深めます。

介護福祉学のレポート・テーマの例

介護福祉学は介護の現場における実践的な知識や技能を学ぶ要素が色濃い学問であることから、レポートに関しても実際の介護で役立てるためのテーマが多く見られます。

介護福祉学に留まらず、社会学や心理学、医学といった分野の知識も求められるケースが少なくありません。

  • ・利用者の実態を伝える記録方法
  • ・高齢者とのコミュニケーション事例
  • ・介護保険制度の改正と影響について
  • ・障がい者の外出支援のあり方と課題
  • ・災害時のソーシャルワークについて

介護福祉学と関連する学問

福祉について社会環境や制度全般について研究する社会福祉学は、同じ福祉学に属する学問として関わりが深い分野です。

他にも、介護福祉学を学ぶ上で関連する学問は多岐にわたります。

介護を取り巻く世の中の環境や人々の感じ方・捉え方を考える上では社会学が関連しています。

利用者の心の動きやコミュニケーションについて学ぶためには、心理学の知識が求められることもあります。

また、人体について基礎的な知識を持っている必要があることから、医学や医療の分野にも関わりながら研究を進めます。

介護福祉学を学んで就職に有利な業界・仕事

介護福祉学を学んだことで得た知識は、特別養護老人ホームやデイサービスセンター、障がい者施設、訪問介護サービス事業者などで就業する上で活かすことができます。

福祉施設によっては公立の場合もありますので、公務員として介護福祉に携わることも可能です。

なお、在学中に所定の単位を取得することによって、国家資格である介護福祉士の受検資格を得ることができます。

資格を取得することにより、介護福祉の現場でリーダーとして活躍したり、将来的に管理職を目指したりできる可能性が増します。

介護福祉学を学ぶ中で、実習を通じて介護施設等の現場を経験していることや、介護福祉を取り巻く状況について体系的に学んできたことは、介護福祉に携わる仕事に就く上でかなり高い確率で有利になると考えられます。

今後は高齢化がさらに進み、介護福祉に携わる人材がますます必要になります。

介護福祉学を学ぶことで身につけた知識は、これからの社会で働いていく上で重要な知識・スキルとなっていくでしょう。

介護福祉学の知識は人生でどう役立つ?

介護の現場においては、予測していなかった事態が発生するなど、とっさの判断や対応が求められることも決してめずらしくありません。

実習を通じて体得した判断力や対応能力は、人生の中で遭遇する予測不能な事態にも落ち着いて対応することができる力を身につける上で役立つでしょう。

また、介護福祉に関する知識は、社会の高齢化が進むにつれて専門化だけに必要なものではなく、広く一般的に求められる教養へと移り変わっていくことも十分に考えられます。

介護福祉学を通じて得た知識や技能は、まさにこれからの世の中を生きていく上で必須のものであり、身近な人が介護や生活支援を必要とする状況になったときにも、適切なサポートを選択するための素養として役立てていくことができるでしょう。

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