夜間や通信で作業療法士の資格を取得できる?

夜間で作業療法士の資格を取得できる?

作業療法士の養成校では、朝から夕方にかけて授業を行う昼間コースだけでなく、夕方以降の時間帯に授業を行う夜間コースを併設しているところも多数あります。

昼間コースと夜間コースでカリキュラム内容に違いはありませんので、夜間コースでも、所定の単位を修得して国家試験に合格すれば、作業療法士の国家資格を取得することが可能です。

夜間コースは、午後6時頃から授業が始まり、午後9時頃には終了する時間割が一般的で、平日で不足する分は、土曜日にも授業を行うことで補い、昼間コースと同じだけの授業内容を消化します。

社会人から作業療法士資格の取得を目指す場合、できれば現在の職を辞めて勉強だけに専念したいところですが、養成校の学費は総じて高いため、経済的に辞められないという人も少なくありません。

そのような場合であっても、夜間コースであれば、定時で仕事を終えれば授業に間に合いますので、仕事と学業を両立させやすいでしょう。

作業療法士の夜間学校に通う際の注意点

ハードな生活を送る覚悟が求められる

本来であれば、養成校に通うことと社会人として働くこと、どちらか一方だけでもかなり大変です。

それを同時にこなすとなると、肉体的にも精神的にも非常にハードな日々を送る覚悟が求められます。

作業療法士の養成校では、在学中の国家試験合格を目指すために、かなり詰まったカリキュラムが組まれており、単位認定するためのテストも定期的に実施されます。

養成校での授業に出席するだけでなく、毎日の予習や復習、テスト対策にも多くの時間を割かなければなりませんので、遊んだりゆっくりする時間はあまりないかもしれません。

仕事が始まる前の朝の時間帯に勉強したり、あるいは睡眠時間を削って夜中に勉強しなければならないこともあるでしょう。

なお、養成校には3年制コースと4年制コースの2種類がありますので、勉強に自信がなければ、比較的スケジュールにゆとりのある4年制コースを選択したほうが無難かもしれません。

実習は日中に受けなければならない

作業療法士の養成校では、座学だけでなく、現場で行われる実習も必ずカリキュラムに含まれています。

実習は、実際の医療施設などを使用するため、どうしても日中でないと行うことができなません。

また、少なくとも1週間以上、最終年次に行われる臨床実習にいたっては1ヵ月~2ヵ月ほど連続して実施されます。

社会人として働きながら養成校に通う場合、この実習期間における仕事のスケジュールにどう都合をつけるかは、非常に頭の痛い問題といえます。

職場の上司などに養成校に通っていることを正直に報告し、実習期間中は休職扱いにしてもらうなど、協力を仰ぐことが必要になるでしょう。

国家試験対策は早めに始めるべき

日々まじめに勉強に取り組み続けて所定の単位を修得し、厳しい実習をこなした後には、国家試験という最後の関門が待ち受けています。

作業療法士国家試験を突破するために覚えなければならない知識量は膨大であり、一朝一夕でどうにかできるレベルではありません。

働きながら合格を目指すなら、1日に勉強できる時間が限られる以上、なるべく早いうちに試験勉強を始めることが必要です。

養成校でも最終年次には国家試験対策が行われますが、それ以前から自主的に取り組むことが望ましいでしょう。

日々の仕事と授業に加え受験勉強まで行うのは大変ですが、うまく時間配分し、すべてを上手にこなしている人は大勢います。

国家試験の合格率をみても、夜間コースの学生の合格率は昼間コースの学生の合格率となんら遜色ありませんので、働きながら資格取得することも十分に可能といえるでしょう。

通信で作業療法士の資格を取得できる?

通学ではなく、できれば通信講座や通信制の学校で作業療法士資格を取得したいという人もいるでしょう。

しかし、作業療法士国家試験の受験資格を得るには、国または都道府県の指定する大学・短大・専門学校に通うことが必須条件となっており、通信教育だけで資格を取得することは不可能です。

作業療法士は、直接患者とふれあいながらリハビリを行う仕事ですので、座学で得られる知識だけでなく、実際の現場において実習を体験する必要があり、職業特性上、通信教育に向いているとはいえません。

通信教育のなかには「作業療法士国家試験対策コース」も存在していますが、これはあくまで受験勉強の対策講座であり、受講しても受験資格が得られるわけではない点には注意が必要です。