内部監査の需要・現状と将来性
内部監査の現状
内部監査が行うチェック内容は、業務がルール通りに行われているか、不正が行われていないかなど多岐に渡ります。
上場企業による不祥事が多発したり、投資家や個人株主に適正な情報を提供するため、上場企業や大企業には内部監査部門の設置が義務づけられています。
不祥事や不正は、企業規模が大きいほど社会的な影響も大きいため、未然に防ぐことも重要です。
健全な運営状態を維持し、社会的な信用を得るために、内部監査は企業にとって不可欠な存在といえます。
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内部監査の需要
一定規模の企業には内部監査が義務付けられている以上、職種としてのニーズは途切れることはないでしょう。
業務特性上ある程度の業務経験が求められるため、新卒がいきなり内部監査部門に配属されることはありません。
経験を積んだ人材を異動させて内部監査人に任命するため、社内の限られた人員から確保しなければならず、多くの企業で内部監査の人材不足が課題となっています。
そうした背景から、内部監査人の中途採用は活発化しているといわれています。
時代とともにガンバナンスの強化やコンプライアンスの徹底が求められており、企業が起こす不祥事にも厳しい対応が求められています。
内部監査人の経験を積んだ人材は貴重で、知見や対応力を生かしてもらうため中途採用に積極的な企業は多いようです。
内部監査の将来性
内部監査の目的は会社または部門が定めた管理方法や仕組みが機能しているかを監査し、規定に反していれば是正を求めることです。
いわゆる「内部統制」が機能しているかのチェックが内部監査の目的です。
なお内部統制は、以下に挙げる4つの目的があります。
1.業務の有効性および効率性
2.財務報告の信頼性
3.事業活動に関わる法令などの遵守
4.資産の保全
この4つの目的は、以下の6つの基本要素から成り立っています。
1.統制環境
2.リスクの評価と対応
3.統制活動
4.情報と伝達
5.モニタリング
6.ITへの対応
内部監査の目的は6つの要素のうちの「モニタリング」で、内部統制がきちんと機能しているかどうかのチェックを行うために実施しています。
ただし、内部監査のニーズが高まるにつれて求められるようになったのが、知識の専門性です。
例えば、企業内でのインターネット利用が一般的になった昨今、IT監査やシステム監査なども求められており、そのような専門知識を持った人材も求められています。
また、企業や業界によって内部監査が担う役割の範囲も変わってきています。
近年は、社内制度や業務をチェックするだけでなく、業務効率化のための提案や経営面のサポートなども、内部監査の役割の1つです。
企業活動を支えるために内部監査の仕事は今後も求められていくでしょう。