国家公務員の総合職と一般職の違い
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総合職と一般職の仕事内容・役割の違い
国家公務員は、大きく「総合職」「一般職」「専門職」の3種類に分けることができます。
このうち、専門職に関しては、「刑務官」や「国税専門官」など特定の行政分野に係る専門的な知識を必要とする事務を担う職員のことをいいます。
一方、総合職と一般職に関しては、いまちい違いがわからないという人もいるかもしれません。
両者の違いを考えるにあたって、まずはそれぞれの仕事内容・役割について紹介します。
総合職は幹部候補
国家公務員総合職は、将来の幹部候補生として中央省庁やその出先機関で働きます。
総合職の職員は、政策の企画・立案や高度な知識、技術を必要とされる重要なポストを担い、ゼネラリスト的な思考を持った、行政のプロフェッショナルとしての活躍が期待されます。
一般職は事務を中心に担当
国家公務員一般職は、各府省において、事務処理などの定型的な業務を担当します。
簡単にいえば、政策の企画・立案を行う総合職に対し、その政策を実際に運用していくのが一般職の役割だといえます。
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総合職と一般職のなる方法の違い
国家公務員になるには、国家公務員採用試験を受験し、採用される必要があります。
これは総合職も一般職も同様です。
なお、総合職試験には「大卒程度試験」「院卒者試験」が、一般職試験には「大卒程度試験」「高卒者試験」「社会人試験」があり、各試験の受験資格(年齢など)を満たしていれば、自分で種類を選んで受験することが可能です。
総合職の採用試験はハイレベルなものとなっており、難関大学出身者も多く受験します。
一般的に「キャリア官僚」と呼ばれる人たちは、総合職として採用された国家公務員のことをいいます。
一方、一般職の採用試験は総合職より難易度が易しいとされますが、それでも倍率は高くなることがあります。
試験に合格し、各府省によって実施される面接にもクリアすることで、内定が出されます。
各府省ごとにさまざまな配属先があり、入省後は、配属された場所で国家公務員として働くことになります。
総合職と一般職の資格・必要なスキルの違い
国家公務員採用試験の受験にあたって、何か特別な資格・免許を持っている必要はありません。
しかし、自分の強みや得意なことは明確にアピールできるよう準備する必要があります。
採用試験の最終合格者になると「採用候補者名簿(3年間有効)」に名前が登載され、各省庁はその採用候補者の中から採用面接等を行います。
総合職試験と一般職試験(大卒程度試験)では、この採用面接等が行われる場が「官庁訪問」というものです。
官庁訪問は各府省ごとに実施され、受験生にとっては志望府省に採用されるための重要なステップとなります。
面接では、受験者がこれまでに大学等で学んできたことや経験してきたことなどを深く聞かれますので、自分の持っているスキルや強みをしっかりとアピールできるように準備しておくことが大切です。
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総合職と一般職の給料・待遇の違い
国家公務員の総合職と一般職は、基本的には国家公務員として同じ立場になります。
国家公務員の給料は「俸給表」によって定められており、初任給は学歴や採用区分によって違いがあります。
たとえば、平成31年度4月に採用された人の初任給(行政職俸給表(一))は、総合職(院卒)で213,000円、総合職(大卒)で186,700円、一般職(大卒)で182,000円となっています。
その後は、勤続年数や役職が上がることで昇給していきます。
役職がアップすると昇給幅が大きい傾向にありますが、昇任に関しては、総合職と一般職では考え方が異なります。
リーダーになることが期待される総合職の職員は、幅広い見識を身に付けるため、若いうちから異動を繰り返しながら多様な職務を経験し、スピーディーに昇任を目指します。
本省の課長級以上の役職は、ほとんどが総合職の職員で構成されています。
一方、一般職の職員の場合は、比較的ゆっくりとしたペースで年功序列での昇任が普通です。
役職の上限は、課長補佐クラスまでとされています。
こうした違いが給料に反映されてきます。
なお、各種手当や福利厚生などについては、基本的に総合職と一般職の職員で同等のものを受けることができます。
参考:人事局 国家公務員の初任給の変遷(行政職俸給表(一))
総合職と一般職はどっちがおすすめ?
国家公務員の総合職と一般職は、どちらも国と国民の生活を良くするために活躍する役割を担います。
将来は幹部となって、政策の企画・立案、法律の制定・改定などの重要な仕事に携わっていきたいのであれば、総合職を目指すほうがやりたいことに近づける可能性が高まるでしょう。
一方、本省庁で企画立案された事項を実際に運用していく、事務中心の仕事に携わりたい思いが強ければ、一般職を目指すのがおすすめといえます。
なお、国家公務員には異動がありますが、総合職と一般職では異動の範囲が異なります。
総合職の場合、日本全国が移動範囲となり、職務によっては海外勤務を命ぜられることもあります。また、2~3年という比較的短いスパンでの異動が多いことも特徴です。
一方、一般職の場合は原則として採用された管区内での異動となっています。
総合職の職員が異動を繰り返しながら国政をリードする立場としてさまざまなポストの経験を積むのに対し、一般職の職員はスペシャリストとしての活躍が期待されることも多いです。
自分のやりたいことやキャリアの志向に合わせて、どちらを目指すか考えていくとよいでしょう。