国家公務員の非常勤職員とは?仕事内容や働き方について解説

国家公務員の非常勤職員は、一般職員とは異なる雇用形態で働く人たちです。

非常勤職員は、一時的な欠員や臨時の職がある場合に採用されることが多く、短期間の任期が原則となっています。

この記事では、国家公務員の非常勤職員がどのような仕事や働き方をしているか、詳しく解説します。

一定期間のみ雇用される職員

国家公務員には常勤で働く正規職員に加えて、非正規の職員も存在します。

非正規職員には「期間業務職員」と「パートタイム職員」があります。

期間業務職員は、非常勤の官職であり、特定の期間に限って臨時的に採用される職員を指します。

一般の官職以外の職種で、一会計年度内に限って置かれることが多く、週に38時間45分の4分の3を超えない勤務時間の職員を除いて任用されます。

この制度は、従来の日々雇用職員が不安定な地位にあったため、より安定した雇用形態を提供するために設けられました。

また、パートタイム職員は、週に38時間45分の4分の3を超えない勤務時間で雇用される職員を指し、委員、顧問、参与などが含まれます。

臨時的任用職員は常勤職員の扱いではありますが、緊急の場合や臨時の官職に関する場合、あるいは採用候補者名簿がない場合に臨時的に採用される職員です。

育児休業などを行う職員の業務処理のためにも、臨時的な任用が行われることがあります。

国家公務員には「一般職」と「特別職」がありますが、国の機関で働く非常勤職員のほとんどが「一般職」に該当します。

非正規職員は一時的な需要や特定の業務に応じて雇用されることが多く、常勤の正規職員とは雇用形態が異なる点に注意が必要です。

内閣人事局の調査によれば、令和3年7月1日時点で、全体の非常勤職員数は159,257人、うち、女性職員は76,095人となっています。

また、平成28年の調査では、期間業務職員が30,429人(54%)、期間業務職員以外の非常勤職員が25,590人(46%)となっています。

国家公務員のうち、約4人に1人が非常勤職員とされており、非常勤として働く人もたくさんいることがわかります。

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主に一般行政事務を担当する

国家公務員の非常勤職員は、国の各機関で一般行政事務などに従事しています。

主な業務はパソコンを使ったデータ入力や書類作成などのデスクワークですが、採用先によっては来客対応、物品管理、軽作業など多様な業務があります。

任期は原則として1年以内で、その後再度の試験を受けるなどで再任用される場合もあります。

勤務時間はフルタイムまたは短時間勤務が一般的で、内閣人事局の調査によると、常勤職員と同じ7時間45分の職員が24%、それ以下の職員が74%です。

なお、非常勤職員には転勤がなく、同一任期内における転居を伴う異動はありません。

参考:内閣官房 国家公務員の非常勤職員に関する実態調査について

国家公務員の非常勤職員になるには

国家公務員の非常勤職員の募集は、大抵の場合各省庁や官庁のウェブサイトなどで公告されます。

募集の内容には職種、勤務地、応募資格、募集人数、採用条件・期間などが記載されています。

希望がある場合は、募集要項に基づいて、応募書類を提出します。

応募書類には履歴書、職務経歴書などが求められます。

応募書類の審査や面接、試験などの選考が行われ、それを通過した人が採用されます。

新卒採用のように一斉に採用されるのではなく、職員の不足があった場合に不定期に募集されますので、こまめにホームページをチェックするなどして情報を集めるとよいでしょう。

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非常勤職員の給料・待遇は?

正規職員より給料は低め

国家公務員の非常勤職員は、常勤職員と同じように俸給表に基づいて給料が支給されます。

職種によって異なりますが、中央省庁の場合、日額約8,000円前後が相場とされています。

フルタイムで働いても、月給は常勤職員より低くなることが一般的ですが、ボーナスは支給されます。

給料は定められた給与規程に基づいて支給されるため、常勤職員と同じように公平な条件で支給されることになります。

ただし、非常勤職員の給与は勤務時間や勤務日数に応じて変動する場合もあります。

待遇改善に向けた動きも

国家公務員の非常勤職員は、従来は常勤職員と比べて手当や休暇制度などで格差がある状況でした。

しかし、近年ではその待遇改善の必要性が認識され、非常勤職員の働きやすい環境整備が進んでいます。

2020年の夏からは、非常勤職員も常勤職員と同じように夏季休暇を取得できる仕組みが導入されました。

これにより、年次休暇とは別に7~9月に連続3日間の休暇を取得することが可能となりました。

民間企業での正社員と非正規社員の格差是正が進む中で、国家公務員の世界でも非常勤職員にとって働きやすい環境の整備が進んでいると言えるでしょう。

今後もさらなる待遇の改善が期待されています。

参考:人事院 非常勤職員の勤務時間及び休暇の一部改正について

非常勤から常勤になることは可能

国家公務員の非常勤職員から正規職員を目指すことは可能ですが、特別に優遇されるわけではありません。

正規職員として雇用されるためには、他の受験生と同様に国家公務員試験を受けて合格する必要があります。

実際には、非常勤職員として働きながら公務員採用試験に挑戦し、合格を目指す人もいます。

このような受験生は、仕事と勉強を両立させるために努力を重ねることが求められます。

非常勤職員の経験があるということは、公務員の仕事に慣れているというメリットがあるかもしれませんが、合格にはさらなる努力と準備が必要です。

国家公務員の非常勤職員のまとめ

国家公務員の非常勤職員は、主に国の各機関で一般行政事務やデスクワークを担当し、書類作成やデータ入力、物品管理などの業務を行っています。

常勤職員と同じように給与が支給されますが、一般的にはフルタイム勤務よりも給料が低い傾向にあります。

任期が満了した後も再度試験を受けて再任用されることがあり、最近では非常勤職員の待遇改善の動きも見られ、働きやすい環境整備が進んでいるといえるでしょう。