機械設計へ転職するには? 未経験採用はある?

機械設計への転職状況は?

同業種からの転職が多い

機械設計は専門的な知識が必要となる職業であるため、転職する人の多くは、これまで同じ機械設計関連の仕事をしていた人が占めています。

<機械設計へ転職する人の代表的なタイプ>
・まったく同じ分野の機械設計をしていた
・設計分野は異なるが、機械設計の仕事をしていた
・機械関連のメーカーで、企画職やセールスエンジニアなどを担当していた
ITエンジニアなど他業界の技術職出身で、機械の知識は乏しいが、「設計」の仕事の経験はある
・業務の経験はないが、大学時代に機械工学を専攻し、最低限の知識は備えている
など

一般的に多いのは、たとえば自動車部品の設計をしていた人であれば、同じ自動車部品の設計職として同業他社へ転職するというパターンです。

20代でまだ年齢が若いエンジニアであれば、自動車部品→電化製品のように、設計分野や種別を変えて転職するケースもみられます。

また、機械設計の経験はなくとも「機械製品の企画をしていた」、「学生時代に機械工学を専攻していた」など、関連する経歴をアピールし転職を成功させる人います。

未経験で転職するケースもある

営業職や事務職など、関連性の薄い職種から、機械設計に転職するケースもないわけではありません。

中には、高校卒業後にフリーターをしながら、独学でCADなどを勉強して転職を成功させる人もいます。

人手不足の影響もあり、なかなか人の集まらない中小企業などであれば未経験採用も積極的に行われるようなってきているため、中にはさまざまな経歴を持つ人で溢れている会社もあるようです。

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機械設計への転職の志望動機で多いものは?

未経験者

未経験から機械設計を目指す人の志望動機には、主に次のようなものが多いです。

<未経験者の志望動機例>
・前職で機械設計に興味をもつきっかけがあった(例:設計部門とやりとりをする中で憧れた など)
・学生時代に機械工学を学び、設計者を目指していた過去があり、もう一度夢に挑戦したいと思った
・小さな頃から機械が好きであり、好きなことを仕事にしたいと思った
・資格の学校や職業訓練でCADについて学んだことがきっかけとなり、設計の仕事にも興味をもった
など

未経験者の場合は学生と似ており、機械に対しての「興味」や「情熱」が志望動機の根底となっていることが多いです。

その一方で、収入や安定性だけを動機として未経験からこの業界に転職しようとする人は、専門的な職種でもあるため少なめです。

経験者

これまでも同じ機械設計の仕事をしてきた経験者の場合は、次のような志望動機をかかげる人が多めです。

<経験者の志望動機例>
・より技術力やシェアの高いメーカーに転職し、より高度な機械を作り上げたい
・これまでとは異なる分野の機械設計に挑戦したい(例:業務用機械→民生品へ転向 など)
・今の会社の方針、社風、人間関係などに不満があり同業他社へ転職
・給料や福利厚生など、経済的な理由で同業他社へ転職
など

経験者の場合は、「新たな分野に挑戦したい」、「これまでの経験をベースに他の会社で〇〇のような機械を作りたい」などの具体的な目的があり転職に至るケースが多いようです。

また機械設計の仕事は、社内の閉じた環境でチームを組んで進めることになるため、社風や職場の人間関係などが原因となり転職をするケースも珍しくはないようです。

ただしそのようなネガティブな理由は、包み隠さず伝えると大きく評価を落とす恐れがあるため、表現を変えて伝える必要があります。

機械設計の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

未経験・社会人から機械設計になるには

未経験採用でそのまま就職する

既卒の社会人であれば、改めて大学や専門学校に入り直し機械工学を学んでから就職するというよりも、そのまま未経験採用で就職をしてしまったほうが進路としては現実的でしょう。

とくに20代前半の若い年代は未経験採用でも引く手は多いため、転職市場で需要があるうちに就職先を決めてしまうのも一つの突破口となってきます。

大学や専門学校で学ぶような機械工学やCADの知識などはあるに越した事はありませんが、必ずしも就職する上で必要となるわけではなく、最近は人手不足が深刻化していることもあり、まったくの未経験者を採用してくれる会社もあります。

ただし今直ぐに転職を考えていない人であれば、現職の仕事をつづけながら夜間の大学で機械設計を学んだり、資格の学校でCAD関連を学ぶなどして、スキルの土台を準備しておくのもよいでしょう。

職業訓練校を経て就職する

各都道府県には、自治体が運営する「職業訓練校」が設置されています。

職業訓練校は、就職に向けて必要となる技能を学べる公的な教育施設であり、機械設計コースやCADコースも用意されています。

基本的には「無料」で利用できるのが大きなメリットであり、人によっては「失業手当の延長」もしくは「受講手当の支給(10万円/月)」の恩恵を受けることもできます。

職業訓練を受けた未経験者のほうが会社側も採用はしやすくなり、技術者としての自信にも繋がりますので、就職にあたり職業訓練校で一度学んでみるのもよいでしょう。

ただし職業訓練校の利用は、基本的には求職者が対象となるため、現在離職中で次の道を探している人向けとなります。

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機械設計への転職に必要な資格・有利な資格

資格の必要性

機械設計の仕事をする上で、必ずしも必要となる資格や免許はありません。

弁護士建築士のように特定の資格がないと業務が行えない職業でもないため、資格に絶対的な権威はありません。

ただし、自主的に資格を取るというのは、機械設計に対する「意欲」や「関心」の表れともなりますので、面接での評価を高める要素にはなります。

また、資格の勉強を通じて設計に関する基礎を学べるため、実務能力の向上につなげることができます。

特に未経験者であれば、就職に向けての知識・スキルの準備として意味を成します。

おすすめの資格

機械設計分野のおすすめの資格としては、次のようなものが挙げられます。

<機械設計エンジニアにおすすめの資格>
・CAD利用技術者試験:民間資格、難易度★★☆☆☆
・機械設計技術者:民間資格、難易度★★★★☆
・技術士(機械部門):国家資格、難易度★★★★★
など

この中で、未経験者でも挑戦しやすいのは一つ目の「CAD利用技術者試験」です。

近年の機械設計業務は、コンピュータやCADソフトを使っての設計が当たり前となっているため、「CAD利用技術者試験」で基礎知識を身に付けておくと、就職する上での武器となりやすいでしょう。

「機械設計技術者」や「技術士(機械部門)」は、機械工学科卒業レベルの技術知識が必要となり、一部の試験は条件として実務経験が必要となることもあるため、人を選びます。

機械設計になるには

機械設計への転職に役立つ職務経験は?

次のような職務経験は、たとえ他業界で身に付けたものであっても、機械設計の仕事に生かしやすいです。

<役立つ職務経験>
・何らか開発業務や設計業務に携わった経験(例;IT業界でプログラムの設計を行っていた など)
・生産部門や製造工場などで働いた経験
・他部署や外部業者との調整業務を行った経験
・問題解決力や論理的思考力が問われる仕事に携わった経験
・チームや集団で協力して進める仕事に携わった経験
・リーダー経験やマネジメントの経験
・外国語でのコミュニケーションの経験
など

機械設計の仕事は、開発プロジェクトを立ち上げ、チームを組み、予定されたスケジュールや納期に合わせて仕事を進めていきます。

チームプレイの仕事に慣れていない人にとってはやや特殊な環境でもありますが、これまでプロジェクトを組んでの開発業務に携わったことのある人であればその経験は強みとなってくるでしょう。

機械設計への転職面接で気をつけるべきことは?

機械設計の仕事は、常に机に向かい一人で黙々と作業を進めるだけでなく、お客さま、チームメンバー、自社の他部署、部品業者など、さまざまな方面の人たちと関わってく仕事でもあります。

そのため、コミュニケーション力、ビジネスマナー、人間性など、技術以外の部分も面接では重点的に見られていることも多いです。

特に未経験者の場合は、技術が乏しい分「中身」で勝負する必要もありますので、言葉遣いや服装など細かな部分も技術職だからといって軽視せず、お客さま先に出しても恥ずかしくない人間と思われるような姿勢で挑むことが大切です。

機械設計に転職可能な年齢は何歳くらいまで?

未経験者は20代のうちに転職が望ましい

機械設計の仕事は、一人前になるまでに何年もの長い年月が下積みとして必要となるため、育成期間も考慮し、できるだけ若い人材を採用したいというのが企業側の本音になってきます。

特に大手メーカーの機械設計職などであれば、若く有望な人材の応募も例年多いため、できれば20代前半や「第2新卒」に該当する期間に転職をしておくのが望ましいでしょう。

また20代のうちであれば、たとえばスマホ→医療機械の設計へ転身といったように、設計する分野を大胆に変える同業種転職もしやすい傾向です。

30代を越えても転職が不可能なわけではない

機械設計分野は人手不足が深刻化しているため、中小やベンチャーの機械設計職まで視野を広げれば、「年齢不問」、「学歴不問」、「未経験歓迎」などの緩い条件で採用をしている企業も目立ちます。

実際に30代の未経験から、中小企業の機械設計職への転職を成功させているケースも昨今は珍しくはありません。

ただし30代以上の未経験者となると、簡単に転職が決まるとはいい難いため、自主的に資格の勉強をするなど、少しでも評価を上げるための対策も必要になってくるでしょう。

未経験から機械設計へ転職する際の志望動機

未経験者の志望動機では、新卒学生と同じように「なぜ機械設計の仕事がしたいのか」、「なぜ機械設計でなければならないか」の部分を重点的にアピールすることがポイントとなってきます。

具体的なエピソードなどを盛り込んでオリジナル性を高めると、より評価は高まってくるでしょう。

注意点として、既卒者の場合は、未経験であっても社会人の立場を自覚した上での志望動機とする必要があります。

学生のようにまっさらな状態での動機とするのではなく、できるだけこれまでの社会人経験を踏まえての動機としたほうが説得力は増してくるでしょう。