機械設計に将来性はある? 現状と需要について解説

機械設計の現状

古くからある必要不可欠な仕事

機械設計は、文字通りどのような機械を作るかを考え、設計図に起こす仕事です。

国内の機械設計業は、第二次世界大戦後、製造業が復興し始めた1960年頃より仕事として一般化していった歴史を持ちます。

半世紀以上に渡り、日本のモノづくりを陰から支えてきた息の長い仕事でもあります。

今現在の社会でも必要不可欠な職業です。

機械設計をする人がいなければ、新型のスマホや自動車のニューモデルなどは作られなくなり、機械製品の進化はそこでストップするでしょう。

より新しく、より便利な機械が求められる社会が続く以上、今後も一定の需要が求められる職業です。

人手不足が深刻化している

近年、機械設計を行う人材は非常に不足しています。

「5年後技術者が不足すると予想される分野」と題したアンケートで、全業界・業種中最も回答が多かったのが、機械設計の分野です。

参考:経済産業省 平成30年 理工系人材需給状況に関する 調査結果概要

同じく人手不足が深刻化しているIT・コンピュータ分野を大きく引き離した結果となっており、業界の多くの人が機械設計分野の人手不足を実感していることがわかります。

人手不足の理由はさまざまですが、「業界や自社の認知度が低く、人材が集まらないため」、「当該分野で学んでいる学生が少ないため」などが大きく影響しているようです。

国や企業団体が力を合わせ、若年層が機械に興味を持てるような取り組みも進められてきましたが、人手不足はいまだ食い止められていません。

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機械設計の需要

経験者は重宝される

機械を設計するには、四力学(機械力学・熱力学・材料力学・流体力学)などの専門的な知識が必要です。

知識だけでなくCADの操作スキルなども求められます。

新人の機械設計職を一人前にするには、長い時間とコストをかけて育成しなければなりません。

そのため企業側は、すでに一定のスキルをもつ同業種の経験者、もしくは大学などで関連する知識を学んだ人材を求める傾向にあります。

ただでさえ人手不足が深刻化しているため、十分な経験を有する機械設計エンジニアは、業界全体のニーズが多い状況です。

とくに伸び盛りの20代~30代の若手エンジニアの需要は大きく、前職と設計する機械の種別が多少異なっても、同業種に転職できるでしょう。

未経験採用も存在する

企業側としてはできれば経験者が欲しいところですが、人手不足が深刻化していることもあり、働き手がほとんど集まらない中小企業もあります。

働き手の集まらない企業では、未経験者の採用を行う企業も以前から比べると増えています。

中には、業界・業種ともまったくの未経験者を採用する企業や、年齢不問、出身学部不問で募集する企業もあり、ゼロからスタートするチャンスもあります。

ただし、ベースとなる経験や知識がまったくない人の場合、入社後についていけずに苦労するでしょう。

専門的な業務であることには変わりないため、未経験で就職する場合は覚悟と努力が必要です。

中小企業の求人も多い

機械設計の就職先として、自動車メーカー電機メーカーなど、大手メーカーをイメージする人も多いかと思いますが、就職先は大手だけではありません。

中小の部品メーカー、地域の小さな機械設計事務所なども機械設計職を採用しています。

日本国内の企業は、大手企業よりも中小企業の方が数は圧倒的に多いため、中小にまで視野を広げれば、より多くの求人が見つかってくるでしょう。

Web上の求人サイトだけでなく、ハローワークや求人雑誌などを使えば、地元中小企業の設計職の求人が見つかることもあります。

機械設計の将来性

定年退職者が増え、人手不足が加速

機械設計の分野でも、高度経済成長期やバブル期にたくさんの技術者が採用されました。

そのときに採用された世代のエンジニアたちが、今後続々と定年退職していきます。

一方で、出世率の低下により若者の総数は減っています。

また、機械やメカに興味をもち、機械設計分野を志す若い人は少なくなってきています。

年齢層のバランスが崩れかけている業界でもあるため、逆に、機械設計の道を目指す若者にとっては、売り手市場で有利です。

IoTやロボット分野の需要拡大

IoT(Internet of Things)とは、「インターネットにつながるモノ」という意味です。

これからの時代、身の回りのあらゆるモノがインターネットとつながり、IoTの機能を備える自動車や家電製品、医療機器の需要は急速に拡大するといわれています。

今後は「ロボット社会」が到来するともいわれており、高齢化社会が進む中、特に介護ロボットや医療ロボットの需要は大きく拡大するといわれています。

社会からの需要が伸びる半面、そのようなIoTやロボットなどの分野に精通した技術者は少なく、育成が課題となっています。

これらの分野に精通するエンジニアとなれば、多くの企業から求められる人材として、将来的に安定したキャリアを歩める可能性が高いでしょう。

AIによって仕事が奪われるリスク

近い未来、AI(人工知能)の進化によって、多くの職種の仕事が奪われると危ぶまれています。

機械設計の仕事も例外ではなく、特に数値の設定や、CADでの製図作業などは、早い段階でAIに代替えされるともいわれています。

AIのほうが作業は正確であるため、より仕上がりの質が良くなるという声もあります。

ただし、仮にAIが進化したとしても、AIでは代替えが難しい部分があるのも事実です。

人間にはAIにはない「感性」があるからです。

たとえば、AIは機能性を追求した設計はできても、製品の「見た目」や「美しさ」などを考慮した設計は難しいかもしれません。

また、良い機械を設計するためには、お客さま、他部署や生産工場の担当者などさまざまな人達とコミュニケーションが欠かせません。

そのような対話や調整の能力をAIが身につけるのは、遠い先の未来といわれています。

人間ならではの強みをいかに伸ばしていけるかが、今後おとずれるAI時代を生き残っていくうえでカギとなるでしょう。

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機械設計の今後の活躍の場

機械事業に新規参入する会社も増えている

インターネット系大手の「Google」社が自動車の開発に乗り出したり、流通・小売業の「Amazon」社が自社製のタブレットやスピーカーを開発するなど、新たに機械製品の開発にビジネスを広げる会社も増えています。

現在は、古くからある老舗(しにせ)メーカーが市場を独占する時代ではありません。

今後も異業種から機械開発に乗り出す会社は続々とあらわれると予想されます。

機械開発に新規参入する会社が、機械設計エンジニアの新たな活躍の場として期待されます。

国内だけでなく海外も活躍の場となる

仕事のグローバル化が進む中、日本人だから国内メーカーで設計を行うという時代は終わりつつあります。

優秀な機械設計エンジニアは海外メーカーから引き抜きに合うことも珍しくなく、その逆に、国内メーカーが優秀な海外のエンジニアを採用するケースも増えています。

就職・転職における国境の壁というのはなくなってきており、特に機械設計分野においては、国内のみならず海外でも人手不足が進んでいるため、能力のある人材は国を越えてでも採用したいという傾向が見られます。

ただし海外で働く場合には、設計の技術的スキルに加え、高い「語学力」も必要になるので、能力的なハードルは高いでしょう。

フリーランスや事業化の道もある

近年は働き方の多様化が進み、会社勤めのサラリーマンとして定年まで働く人ばかりではありません。

機械設計分野でも、機械設計エンジニアの中には、フリーランスや副業などの形態で働く人もいます。

「3Dプリンタ」などを利用することで、少人数でも簡単に機械製品を製造できる時代になったため、個人で機械開発メーカーを立ち上げる設計エンジニアも、今後増えてくるでしょう。