機械設計の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

機械設計とは、さまざまな機械をつくるメーカーなどで、「設計」の業務を専門に手掛ける職種です。

ものづくりの土台となる重要な部分を担い、機械工学などに関する専門的な知識や技術が必要となります。

この記事では、機械設計の仕事内容や役割、主な勤務先の種類などについて紹介しています。

機械設計の仕事とは

「機械設計」とは、文字通り機械製品の設計や考案を専門に手掛ける職種です。

「機械設計エンジニア」「機械設計者」「メカニカルデザイナー」などと呼ばれることもあります。

小さな精密機械から、乗り物やプラントといった巨大な機械まで、機械設計が手掛けるものは多種多様です。

機械設計エンジニアが設計する機械の代表例
  • 電池・マイクロチップ・電球・ライトなどの部品パーツ類
  • テレビ・オーディオ・電子レンジ・スマホのような身近な電化製品
  • 自動車・バス・電車などの乗り物
  • 工作機械(マザーマシン)や生産ロボットのような産業用機械
  • 生産プラントや工場設備

機械設計エンジニアは、上記で挙げたような製品をつくる企業などにおいて、より新しく、より高性能な機械を設計し、世の中に提供していきます。

たとえば自動車メーカーが新型モデルを開発したくても、材料や工場設備を用意するだけでは生産できません。

車を作るには「設計図」が必要であり、その設計図を作成することが、機械設計の主な仕事内容です。

機械設計は、かつては手書きで行っていた時代もありましたが、現代ではCAD(Computer-Aided-Design)などのソフトを使用し、コンピュータ上で設計図を作成するのが一般的となっています。

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機械設計の業務の内容

機械設計の業務は、一般的に「概念設計」「基本設計」「詳細設計」「試作・評価」「生産設計」の大きく5つに分けられます。

どの業務を担当するかによって、日々の仕事内容や求められる能力も変わってきます。

概念設計

概念設計は、主に機械の機能や仕様(機械の構造、素材、サイズなど)を決める工程です。

企画部門やクライアントから要件(要望)をヒアリングし、コンセプトを確認したうえで、概念設計をつめていきます。

概念設計をするためには全体像を把握する必要があり、またクライアントと打合せする機会も多いため、経験豊富なベテランのエンジニアが担当します。

基本設計

「基本設計」は、各部の基礎的な設計を進める工程です。

概念設計で決まった内容をふまえ、CADソフトを用いて、コンピュータ上で構造を具体化していきます。

また、CAM(Computer-Aided-Manufacturing)」やCAE(Computer-Aided-Engineering)といったシミュレーションツールを使い、強度や安全性に問題がないかのチェックも行います。

コストを決め、部品メーカーとの調整も、基本的にこの段階で行います。

詳細設計

「詳細設計」では、部品一つ一つのさらに細かい部分まで、設計を行う工程です。

工場で安定した生産ができるように、各箇所の寸法、材質、加工や組み立て方法の詳細などを、数値なども交えてより具体的に設計していきます。

試作・評価

実際に製品として量産される前に、試作品(プロトタイプ)を作り、機能や性能に問題がないかの評価テストを行います。

たとえば自動車であれば、衝突、燃費、騒音、耐摩耗などを評価テストすることになり、問題点や改善点が発覚した場合は再度設計内容を見直していくことになります。

生産設計

「生産設計」は、いわゆる「コストレビュー」とも呼ばれるものです。

部品の共通化や削減、組立工数の簡略化が可能かなどを考慮し、コストダウンを図りながら、円滑に量産できるような仕組みを設計していきます。

生産設計では生産工場側の視点に立ち、コスト、安全性、効率化などの要素を意識しながら設計する力が求められます。

機械設計の役割

ここでは、機械設計が機械をつくる企業において、どのような役割を果たす職種なのかを説明します。

組織内の役割

メーカー系の会社であれば、一般的には「企画部門」「設計部門」「生産部門」のように社内で部門が分かれており、それぞれの部門が役割を分担して機械作りを進めていきます。

マーケティング分析を参考に、新しい機械の製品コンセプトを企画するのは、メーカーの企画部門、コンセプトにそって各部を設計するのが設計部門の機械設計エンジニアです。

設計が完了したら、完成した設計図をもとに、生産部門が市販品の製造を行っていくことになります。

機械設計の仕事は、製品の方向性を大きく左右する重要なポジションといえるでしょう。

機械設計エンジニアの腕次第で製品の売上が大きく変わることもあり、メーカーやブランドの評判に影響を与えることもあります。

社会的な役割

自宅で使う家電、通勤で使う電車や自動車、建築現場で使われる重機機械、医療現場で扱われる医療機械など、世の中にはさまざまな機械があふれています。

機械が生活の一部となっている現代社会において、高性能で使い勝手のよい機械を設計し、私たちの社会を便利にしていくことが、機械設計エンジニアの役割でありミッションです。

また自動車のように性能だけでなく安全性が問われる機械は、ひとつ間違えば人の命にもかかわります。

そのため、細心の注意を払いながら設計を進める必要があります。

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機械設計の勤務先の種類

機械設計エンジニアは、一般的には大学や専門学校を卒業後、メーカー系の会社の機械設計職に就職することが多いです。

メーカーは大きくわけると、完成品の開発・生産を手がける「完成品メーカー」と、電装品やバッテリーなど製品の一部の部品のみを作る「部品メーカー」があります。

また、「パナソニック」のように、完成品メーカーと部品メーカーの両方を兼ねる会社もあります。

以下で、機械設計の勤務先の種類別の仕事内容について紹介します。

勤務先の種類1.メーカー

「メーカー」とは、製品の開発から生産までを、自社で手がける会社のことです。

メーカーの場合、発注するクライアントというのは存在せず、自社が企画や設計を進めていくので、納期やスケジュールなどに関しても比較的融通がきく環境です。

メーカーに勤めた場合のキャリアとしては、エンジニアとして経験を積んだ後、ゆくゆくは現場から離れ、リーダー・マネージャーといった管理職に昇進するケースが多いです。

もしくはジョブローテンションの一環で企画部門や生産部門などの別部門に異動になることもあり、ずっと機械設計の仕事を続けられるとはかぎりません。

勤務先の種類2.設計事務所

「設計事務所」の場合は、メーカーのように自社で販売する機械を設計するのではなく、クライアント企業から機械設計の仕事を受託する形となります。

客商売となり、クライアントが立場的に上になるため、開発スケジュールや納期もシビアになりやすく、時には無理な要求をされることもあります。

設計事務所に勤めた場合のキャリアとしては、メーカーのように管理職に移行するのではなく、設計のスペシャリストとして、第一線で設計作業を続けるケースが多いでしょう。

機械設計の仕事の流れ

機械設計の仕事は、大きく以下の5つのステップで進みます。

  1. 概念設計
  2. 基本設計
  3. 詳細設計
  4. 試作・評価
  5. 生産設計

最終的に、工場において第三者の手で生産できる状態にするまでが、機械設計の仕事となります。

もちろんすべて一人で行うのではなく、社内でチームを組み、この人は概念設計を担当、この人は基本設計を担当といったように、分担して進めていくのが基本です。

機械設計の仕事は1日や2日で終わるものではありません。

一つの製品を設計するのに何カ月、時には何年と長い時間がかかるため、長期スケジュールを組んで計画的に進めます。

それこそ自動車のような複雑な機械となると、チームの規模も大きく設計期間も長くなるため、何年もじっくりと腰をすえて働くことになるでしょう。

機械設計と関連した職業

ここでは、機械設計と近しい役割を持つ職業を紹介します。

具体的には「CADオペレーター」「企画職」「デザイナー」の3種類についてピックアップし、それぞれの主な仕事内容と、機械設計との違いについて説明します。

CADオペレーター

「CADオペレーター」は、文字通り、CADソフトのオペレーター(操作する人)です。

機械設計エンジニアが考案した設計内容をもとに、CADを使って設計図に起こすことが、CADオペレーターの主な仕事内容です。

機械設計エンジニアもCADを使って製図することはありますが、機械設計エンジニアは「どのような設計にするか」を考える職種であり、その役割は、ADオペレーターとは本質的に異なります。

舞台作品に例えるとすれば、CADオペレーターが俳優であれば、機械設計エンジニアは脚本家といった関係でしょう。

ただし、機械設計エンジニアが設計からCADでの製図まで通して担当している職場も多いです。

CADオペレーターの仕事

企画職

「企画職」とは、新しく開発する製品のコンセプトや大まかなイメージを考える職種です。

消費者のニーズなどを分析し、自社で新しく開発する機械製品はどのようなものが適しているかのアイデアを練り、企画書などにまとめていきます。

マーケティング分野の知識やクリエイティブな発想力なども必要になるため、理系か文系かでいえば文系よりの職種です。

企画職が考えた企画内容をもとに、より具体的な製品の仕様や機能を設計していくことが、機械設計エンジニアです。

ただし、会社によっては機械設計エンジニアが企画職に近い仕事をすることもあります。

プロダクトデザイナー/インダストリアルデザイナー

機械製品を作るうえで、「プロダクトデザイナー」や「インダストリアルデザイナー」といったデザイナー職がチームに参加することもあります。

機械設計エンジニアとデザイナー職は、どちらも「機械を設計しデザインする」という点は共通していますが、「目線」が変わってきます。

機械設計エンジニアは、構造・素材・安全性・コスト等の要素を交えつつ、技術的、機能的に製品をデザインしていく職種です。

一方、デザイナー職は、美しさ・ファッション性・使いやすさなど、ユーザー目線に立った要素を交えつつ製品をデザインします。

スマホやカメラのようなデザイン性が求められる機械製品の場合、機械設計エンジニアとデザイナー職の双方が歩み寄り協力しながら、最終的なデザインを目指すことが多いでしょう。

プロダクトデザイナーの仕事
インダストリアルデザイナーの仕事

「機械設計の仕事」まとめ

機械設計は、ものづくりを行うメーカーなどの企業に欠かせない職種です。

機械工学などの専門的な知識・技術を生かして、安全性や機能面、コスト面などの要素を考慮しながら、自社が製造する機械の設計図を作り上げます。

機械設計には、大小さまざまな機械をつくるメーカーや設計事務所など、さまざまな活躍の場があります。