警察官採用試験の合格率・倍率｜試験内容や身体要件についても解説
警察官採用試験は都道府県ごとに行われており、高卒や大卒など、さまざまな学歴の人が受けられるものとなっています。
この記事では、警察官採用試験の試験内容や合格率、また身体要件についても詳しく解説しています。
警察官採用までの流れ
都道府県警察で働く警察官になるためには、各地方自治体が実施する「警察官採用試験」に合格し、採用されなければなりません。
この試験は、「都道府県別」「男性・女性別」「Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類といった区分別」に年に複数回実施されることが一般的ですが、採用までの一連の流れは共通しています。
以下は、警察官採用試験の大まかなステップです。
- 願書提出：毎年、4月・8月・12月頃の試験申し込み期間中（1週間～10日前後）に必要書類を提出する
- 第一次試験：教養試験や論文試験などの筆記試験、資格経歴の評定、身体検査、適性検査などが行われる
- 第一次試験合否発表（約2週間後）：合格者は第二次試験に進み、面接試験や体力検査を受ける
- 最終合格発表（第二次試験日から約2か月後）
最終合格者については「警察官採用候補者名簿」に名前が記載され、翌年度の4月1日以降に、順次「巡査」として採用されます。
警察官採用試験の難易度
警察官採用試験の筆記試験についてみれば、大卒程度のⅠ類で必要な勉強時間は約1500時間、高卒程度のⅢ類で300時間がひとつの目安とされています。
Ⅰ類の場合は、政治や経済、法律などに関する専門的な内容が出題され、かなり難易度が高いといえます。
民間の専門学校などに通い、1年ほどかけて準備する人が多いです。
一方、Ⅲ類については、問題は漢字の読み書きや作文などが中心で、数か月〜半年ほどの対策でも合格は難しくないでしょう。
また、筆記試験に加えて体力検査も実施されますが、その内容は腕立て伏せや腹筋・背筋、1500m走などです。
筋力や持久力、瞬発力など、さまざまな運動能力が試されますが、あくまで警察官として最低限必要な能力を備えているかを確認するものであり、そこまで高度なレベルが求められるわけではありません。
腕立て伏せの回数など、具体的な目安を開示している都道府県警察もあるため、一度都道府県警察のホームページをチェックしてみるとよいでしょう。
警察官採用試験の受験者数・合格率
ここからは、各地方自治体で行われている警察官採用試験の過去の受験者数・合格率を紹介します。
警視庁の警察官採用試験受験者数
警視庁における警察官採用試験の総受験者数は2015年度以降ほぼ横ばいで、2023年度は9,703人となりました。
警視庁の警察官採用試験競争倍率
警視庁の警察官採用試験の競争倍率は5倍〜8倍ほどの間で推移しています。2023年度試験は6.3倍となりました。
警察官採用試験の受験資格
警察官採用試験を受けるためには、区分ごとに定められている受験資格を満たす必要があります。
警察官採用試験の年齢制限
警察官採用試験は、大卒程度のⅠ類、短大卒程度のⅡ類、高卒程度のⅢ類といったいくつかの区分で実施されています。
それぞれの試験には年齢制限があり、下限については、Ⅰ類は21歳以上、Ⅱ類は19歳以上、Ⅲ類は17歳以上となっており、上限については地方自治体によってばらつきがあるものの、おおむね30歳〜35歳未満です。
警察官採用試験の身体要件
警察官採用試験を受けるためには、警察官としての業務遂行に支障のない身体要件を備えていることが必要です。
基準は地方自治体によって若干の差がありますが、おおむね以下の通りです。
- 視力 裸眼視力が両眼とも0.6以上、又は矯正視力が両眼とも1.0以上であること
- その他 色覚、聴覚、疾患、運動機能が職務執行に支障のないこと
これらの要件はあくまで目安であり、条件に合致しないからといって必ずしも受験資格が得られないとは限りません。
不安な点がある場合は、受験を希望する都道府県警察に問い合わせてみるとよいでしょう。
2024年度 警視庁警察官採用試験の概要
| 試験日 | ・第1次試験 第1回Ⅰ類：2024年4月13日(土) 第2回Ⅲ類：2024年9月14日(土)、Ⅰ類：2024年9月15日(日) 第3回Ⅰ・Ⅲ類：2025年1月12日(日) ・第2次試験 ＜女性＞ |
|---|---|
| 受験資格 |
Ⅰ類 （大学卒業程度）1989年4月2日以降に生まれた人で大学（学校教育法による大学(短期大学を除く。)）を卒業又は2025年3月までに卒業見込みの人 Ⅲ類 （高校卒業程度）1989年4月2日以降に生まれた人で高校（学校教育法による高等学校）を卒業又は2025年3月までに卒業見込みの人 身体要件＜視力＞ |
| 試験科目 |
第1次試験・筆記試験：警察官として必要な一般教養及び政治、社会、法律、経済等の知識について、試験の類別に応じた下記の筆記試験を行います。 ・資格経験等の評定：所持する資格経歴等についての評定を行います。 ・第1次適性検査：警察官としての適性について、記述式等の方法により検査を行います。 第2次試験＜面接試験＞ ＜第2次身体検査＞ ＜第2次適性検査＞ ＜体力検査＞ |
| 採用予定数 | 男性：900名、女性400名 |
| 詳細情報 | 警視庁 警察官・職員採用 |
「警察官採用試験の合格率・倍率」まとめ
警察官採用試験は、都道府県ごとに実施されています。
大卒程度のⅠ類、短大卒程度のⅡ類、高卒程度のⅢ類といったように、いくつかの区分に分かれて実施され、それぞれ応募資格が設けられるため、自分がどの区分を受験するのかを事前に考えておきましょう。
警察官採用試験の特徴として、筆記試験だけではなく、身体能力や体力をはかる検査や、健康状態の確認なども行われることが挙げられます。
