回路設計の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説
回路設計の平均年収・給料の統計データ
回路設計の年収は、一般的なサラリーマンの平均年収に比べ、やや高めの水準です。
電子回路の特化したスキルが求められる職種であるため、「機械設計」に比べて、平均収入はわずかに高くなります。
ただし会社によっても給料事情は異なり、大手メーカーと中小メーカーでは給料の額に差が生じます。
回路設計の平均年収・月収・ボーナス
賃金構造基本統計調査
厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、回路設計の平均年収は、43.3歳で688万円ほどとなっています。
・平均年齢:43.3歳
・勤続年数:15.9年
・労働時間/月:160時間/月
・超過労働:16時間/月
・月額給与:434,500円
・年間賞与:1,667,600円
・平均年収:6,881,600円
出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
求人サービス各社の統計データ
職業・出典 | 平均年収 | 年収詳細 |
回路設計 (Indeed) |
3,821,394円 | 時給:1,341円 |
日給:16,729円 | ||
月給:270,561円 | ||
回路設計 (求人ボックス) |
512万円 | 月給: 43万円 |
初任給: 21万円 | ||
全体の給与幅 :285〜832万円 | ||
派遣社員:平均時給2,242円 | ||
アルバイト・パート:平均時給1,087円 | ||
回路設計・実装設計 (転職会議) |
510万円 | 20代前半:平均 379 万円 |
20代後半:平均 458 万円 | ||
30代:平均 548万円 | ||
40代以上:平均 666万円 | ||
回路設計・半導体設計 (マイナビエージェント) |
502万円 | 20代の給料:397万円 |
30代の給料:563万円 | ||
回路/システム設計 (DODA) |
529 万円 | 生涯賃金: 2億6,290万円 |
20代:429 万円 | ||
30代:558 万円 | ||
40代:671 万円 | ||
50代~: 695 万円 |
これら各社のデータを見ると、回路設計の平均年収は約450万円~600万円が中心であることがわかります。
40代以上であれば年収700万円以上になることもあり、大手企業であれば年収1000万円以上の収入を得る回路設計エンジニアもいます。
回路設計の手取りの平均月収・年収・ボーナスは
20代前半の回路設計を例とすると
・月収23万円
・ボーナス92万円(夏冬1回ずつ、計4か月分)
・月収にボーナスを足すと年収368万円
各種社会保険料や所得税など差し引いた「手取り額」については、約19万円~20万円が目安です。
回路設計の初任給はどれくらい?
回路設計の初任給は、大手企業であっても約21万円~約22万円となります(4年制大卒の場合)。
大学院卒であればプラス1万円~2万円ほど初任給が上乗せされ、高校や専門学校卒であれば1万円~2万円低くなる会社もあります。
回路設計の勤務先の規模別の年収(令和5年度)
回路設計の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。
10〜99人規模の事業所に勤める回路設計の平均年収は580万円、100〜999人規模は620万円、1,000人以上の規模では742万円、10人以上規模の事業所平均は688万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)」で半導体設計、電子工事施工管理技士など他職業を含むデータです。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
回路設計の勤務先の年齢別の年収(令和5年度)
回路設計の年収を年齢別に見ると、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、50~54歳の841万円です。
全年代の平均年収は688万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)」で半導体設計、電子工事施工管理技士など他職業を含むデータです。
回路設計の福利厚生の特徴は?
「メーカー」系の会社は、次のように充実した福利厚生を用意している会社が多いです。
・各種健康保険
・年2回以上のボーナス
・財形貯蓄
・退職金制度
・社宅完備
基本的な福利厚生は用意されており、さらに大手メーカーでは全国保養所利用や従業員持株会制度、自社製品の優遇購入制度などを用意している会社もあります。
一方、回路設計事務所などの場合、法律上必要な社会保険制度は整っていても、メーカーのような手厚い福利厚生は期待できません。
20代で正社員への就職・転職
回路設計の給料・年収の特徴
年功序列となることが多い
成果よりも勤続年数や年齢が給料に響く「年功序列」を採用している会社が多めです。
勤続することで毎年着実に基本給が底上げされていき、30代40代になると入社時の1.5倍、2倍以上もの基本給となることもあります。
ただし近年は、回路設計職にも「成果主義」にシフトする会社が少しずつ増えているため、状況は変わりつつあります。
管理職や残業代で給料アップ
チームリーダーや部課長職などの「管理職」に任命されると、同じ年齢でも給料水準がひと回り高くなることが多いです。
また「納期」前などは残業が増えやすい業界のため、連日遅くまでの残業が続いた月などは、残業代によって給料が大きく底上げされることもあります。
回路設計の勤務先別の給料・年収
大手メーカーの給料
「トヨタ自動車」や「SONY」など、業界を代表する大手メーカーの回路設計職でれば、年収1000万円以上の年収をもらっている人も少なくはありません。
ボーナスに関しても、中小メーカーであれば月収の1.5~2ヶ月分程度が相場ですが、大手メーカーであれば月収の3~4カ月分のボーナスが支給されることもあります。
設計事務所の給料
設計事務所や中小メーカーの給料は、大手メーカーに比べるとひと回り少ない傾向であり、年収500万円前後の会社が目立ちます。
また、ボーナス・退職金・各種手当(家賃手当や家族手当など)も大手メーカーと比べて低いことが多く、生涯収入でみると大きな差となります。
20代で正社員への就職・転職
回路設計が所属する代表的な企業の年収
会社名 | 平均年収 | 平均年齢 |
SONY | 1101万円 | 42.4歳 |
日立製作所 | 915万円 | 42.9歳 |
トヨタ自動車 | 895万円 | 40.6歳 |
出典:2024年現在(各社有価証券報告書より)
SONYの平均年収
SONYは大手メーカーの中でも収入水準がずば抜けて高く、平均年収が1000万円を越えています。
なかには1200万円以上の年収を得る人もいるようです。
日立製作所の平均年収
日立製作所は2014年より、年功序列から成果主義にシフトしている会社です。
優秀な成果を上げた社員であれば、年収1000万円を越えることも珍しくありません。。
トヨタ自動車の平均年収
トヨタ自動車も年収1000万円に近い収入を得ている社員が目立ち、ボーナスも100万円以上支給されている社員もいます。
豊富に用意された福利厚生の中から自分に合ったものを選ぶ「ウェルチョイス」と呼ばれる制度を採用しているのも注目点です。
回路設計の正社員以外の給料・年収
派遣社員・アルバイト
派遣社員の場合、時給は1500円~2500円程度の求人が目立ちます。
プロフェショナル向けの求人では、時給3000円を越えるものもあります。
アルバイトの場合は、時給1000円~1500円程度のものが多く、設計職というよりは「CADオペレーター」の位置付けで募集されることが多いです。
フリーランス・開業
回路設計はフリーランスとしても働けますが、ソフトウェア系のエンジニアほど案件の数は多くありません。
月単価50万円~60万円のフリーランス案件がいくつか出回っていますが、月単価は本人のスキルや担当する業務によっても変わってきます。
独立して回路設計事務所を立ち上げた場合は、事業として大きな収入を狙うことも可能ですが、大口の設計作業を受託するための人脈なども必要になります。
回路設計が収入を上げるためには?
年功序列の会社が多いため、まずは一つの会社に長く勤め、基本給を上げていくことが一般的な方法となります。
周囲からの信頼を獲得し、サブリーダー、チームリーダー、課長、部長と「役職」を上げ、役職手当などを得ることも収入の底上げには重要です。
どうしても今の会社では給料が頭打ちになる場合は、給料水準の高い大手メーカーや外資系メーカーへの転職も選択肢となります。