人事の需要・現状と将来性
人事の現状
日本では少子高齢化によって労働力不足が深刻化しており、企業にとって優秀な人材の確保は大きな課題です。
また、ブラック企業に代表される労働問題の改善は社会的な課題となっています。
近年はさまざまな立場の人が働けるよう、働き方改革やダイバーシティの推進も求められていますが、これらへの対応を担う人事は企業において非常に重要な職種となっています。
一方で、人事部にはそれほど人数を割けない企業も多く、少数精鋭で業務を遂行しているケースも多いです。
現在の人事には、企業の人事戦略を理解し、実行に移すことのできる実力に加え、最新ツールを使いこなして多くの業務を効率よくこなせる人材が求められています。
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人事の需要
人事業務はすべての企業にあるため、人事の需要がなくなることはありませんが、人材市場での求人は多くありません。
とくに大企業では、人事は生え抜きから育成されることが多く、中途での正社員採用はほとんどありません。
採用分野については中途採用はほとんど見られず、労務担当の求人がたまに見られる程度です。
中小企業やベンチャー企業などでは、採用・労務など専門分野ごとに人事の求人が行われており、組織の立ち上げや強化で経験ある人材は重宝されます。
人事を必要とする企業は多いものの、社風や理念などへの強い共感が求められるため、中途の求人需要は社風や理念の形成過程にある若い会社が多くなるでしょう。
人事の将来性
人事の仕事は、社会的な要請によってどんどん変わっていますが、効率化のためにITを利用する動きも広まっています。
労務システムによる自動的な労働時間や給与の計算、AIによる書類選考、ビデオ会議を利用した面接など、HRテックと呼ばれるさまざまな技術によって人事の仕事がなくなっていくという声もあります。
しかし、ITによって効率化ができているのはあくまで日々のオペレーションであり、人事にとって最も重要な人事戦略を考えることや、従業員を管理し育てるといった面を代替できるわけではありません。
HRテックの登場により、これからの人事は作業に費やす時間が減り、よりクリエイティブな仕事や教育に関係する仕事が増えていくと考えられます。
新しい技術を取り入れ、経営者の右腕として人事戦略を考案・実行できる人であれば、企業にとって欠かせない人材として重宝され続けるでしょう。
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人事の今後の活躍の場
人事の経験が豊富な人は、さまざまなフィールドで活躍が期待されます。
とくに日本においては、人口減少による人材不足が深刻化しているため、どの企業も採用で苦しんでいます。
採用に関するノウハウを有し、企業や労働市場の状況に合わせて臨機応変な対応ができる人なら、企業の人事だけでなく、採用コンサルタント、人材会社のエージェントなど、幅広い分野で活躍できるでしょう。
また、労務分野も労働問題や働き方改革などで、より高い専門性が求められるようになっています。
労務のスペシャリストは、社会保険労務士などの資格を取得しての独立や、労務コンサルタントとして活躍したりすることもできるでしょう。