インテリアコーディネーターになるには
資格を取得することで就職・転職の際に有利になったり、手当が上乗せされることはあります。
本記事では、インテリアコーディネーターになるために必要な情報をまとめて紹介します。
インテリアコーディネーターになるには
資格をとって企業に就職
インテリアコーディネーターとして働く人の多くが、インテリアコーディネーターの資格を取得しています。
これは絶対必要なものではありませんが、インテリア業界や住宅関連企業などに就職・転職をする際には、有利になることが多いといわれています。
特に未経験からインテリアコーディネーターを目指す場合はなおさらです。
関連企業に就職する
新卒であれば、たとえインテリアコーディネーターの資格を持っていなくても、業界に入ることは可能です。
関連企業に就職して経験を積むうちにインテリアコーディネーターとして配属されたり、インテリアコーディネーターの仕事に興味を持ち資格取得を目指したりする人もいるようです。
20代で正社員への就職・転職
インテリアコーディネーターの資格・難易度
インテリアコーディネーターの資格
インテリアコーディネーターの資格は、実際にインテリアコーディネーターになってから役立つ知識が多く、さらにお客さまの信頼を得やすいため、多くの人が取得しています。
また、こちらも必須ではありませんが、二級建築士の資格も取得しておくとより仕事の幅が広がるでしょう。
インテリアコーディネーター資格取得のメリット
就職、転職の際に有利
インテリアコーディネーターは、転職する人も多い職業です。
インテリアコーディネーター資格の合格率は20%前後とかなりの難関で、資格取得にはしっかりとした勉強が必要です。
資格があれば、知識やスキルが身についていること、この仕事に対する熱意があることを転職先に客観的に証明することができます。
お客さまから信頼される
名刺に「インテリアコーディネーター資格保持者」とあれば、お客さまやクライアントにも安心・信頼してもらいやすいでしょう。
知識の幅が広がる
インテリアコーディネーター資格試験の勉強をすることで、インテリアコーディネーターとして必要な基礎知識が身につきます。
未経験の場合はもちろん、すでにインテリア業界で働いている場合にも知識の幅が広がり、業務に役立つでしょう。
インテリアコーディネーター資格試験の費用
インテリアコーディネーター資格試験は、受験料が3種類に分かれています。
基本(一次+二次)タイプ
同一年内に一次・二次の両試験を通して受験する予定の方が申し込むもので、金額は税込14,850円です。
留意点としては、たとえ一次試験が不合格で二次試験を受験できなくても、受験料の一部返金は行われないという点です。
受験料を無駄にしたくないという人は、一発合格をめざす心構えが必要といえるでしょう。
一次試験先取りタイプ
これは一次試験のみ先に受験する方が申し込むもので、金額は税込11,550円です。
留意点としては、このタイプで申し込んだ場合、同一年度内に二次試験を受験することができないというルールがあることです。
勉強の進み具合や試験日程の問題で、今年はどうしても一次試験しか受験できないという人はこちらを選ぶとよいでしょう。
二次試験<一次免除>タイプ
すでに一次試験に合格していて二次試験のみ受験するという方が申し込むもので、金額は税込11,550円です。
ちなみに、この一次試験(学科)に合格した方が一次試験を免除される期間は、合格の次年度から3年間です。
インテリアコーディネーター資格試験対策の費用
大学に通う場合
私立の四年制大学の場合、初年度納入金が100万円から200万円、次年度以降も年間80万円から150万円ほどかかるのが一般的で、勉強する場合の選択肢としては最も費用が高額になります。
専門学校に通う場合
学費は年間50万円から100万円程度で、在学期間は2年から3年が一般的です。
初年度は別途入学金が必要です。
通信講座を利用する場合
どの通信講座を利用するかによっても異なりますが、平均すると5万円から7万円程度です。
これは、あくまでも一次・二次試験の両方を対策する場合で、一次試験のみや二次試験のみの対策講座では、各社とも1万円程度安く設定されています。
インテリアコーディネーターに関係する資格の種類は?
インテリアコーディネーターの仕事は、インテリアそのものだけでなく、建築や設計施工などとも密接に関わっています。
インテリアコーディネーター資格以外にも、この仕事をするうえで役に立つ資格はたくさんあります。
難易度の高い資格ではありますが、取得しておくと役に立つのは建築士でしょう。
大学の建築学科で勉強すれば試験を受けることができるので、この資格をめざすのであれば早い段階で進学先を決めることが大切です。
また、実務に役立てるために、製図の際に使うCADを取り扱うための資格試験を受ける人も多くいます。
CADの資格試験はさまざまな団体が実施しています。
「建築CAD検定試験」「建築CADデザイナー資格認定試験」などのなかから、自分のめざす仕事内容に役立つものを選ぶとよいでしょう。
この他にも、色彩のセンスを磨くために色彩検定を受ける人もいます。
色は人間の心理を作用すると言われ、インテリアを選ぶ際にも重要な判断材料のひとつになります。
資格を取得すれば、インテリアコーディネート業務をするうえで、色彩学の知識を活かして考えることができるようになるでしょう。
こうした資格すべてを取得するのは大変ですが、自分の目指す方向に合わせてスキルアップのために勉強している人が多いようです。
そのほかにも以下のような資格があります。
二級建築士
インテリアコーディネーターが密接に関わる建築物の設計や、施工管理に従事するための資格です。
所定の年数以上の実務経験がなければ受けられない資格ですが、大学や高等専門学校などの建築過程を卒業していれば受験可能な場合があります。
インテリアプランナー
インテリアの企画・設計や工事管理などを行うための資格です。
インテリアコーディネーターよりもインテリアに関する幅広い専門知識を持ち、商業施設や公共施設、オフィス、学校など、多種多様な空間の企画、設計、そして工事管理に携わります。
インテリアコーディネーターの上級版ととらえることもでき、インテリアコーディネーターからインテリアプランナーに転身する人も少なくありません。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は、不動産の取引に携わるプロフェッショナルです。
インテリアコーディネーターの仕事は住宅のインテリアを取り扱うことも多いので、不動産に関する知識を持っていることは決して無駄にはなりません。
宅建の勉強をして資格を取得することで、仕事の幅を広げられることもありますし、企業によっては資格保持者に手当を出すこともあります。
また、宅建というのは国家資格ですので、就職活動をする際に資格を持っていることが強みになることもあります。
仕事と資格試験勉強の両立
インテリアコーディネーター資格では年齢制限や学歴は問われないため、独学でも勉強は可能です。
市販の参考書や通信講座を利用して、働きながら独学で資格を取得する人もいます。
ただし、インテリアコーディネーターの合格率は20%と大変低いため、民間のスクールなどで試験対策をする方法もあります。
独学よりも多くの時間とお金は必要になりますが、学校によっては週末や夜間のコースもあるため、社会人になってからこうした学校を利用して勉強し資格を取得する人も多くいます。
インテリアコーディネーターになるための学校の種類
インテリアコーディネーターになるための学校
大学・短大
インテリアコーディネーターを目指す場合の学部としては、建築科などの建築に関する学部や、空間デザインなどデザイン系の学部があります。
インテリアコーディネーターとして就職する際、大手の住宅関連企業や家具メーカーなどでは「四年制大学卒」を採用条件としている場合もあるので、特定の企業やメーカーへの就職を希望する場合は大学を卒業しておいた方が選択肢は広がるでしょう。
専門学校
建築やデザインについての知識が学べる専門学校に加え、近年のインテリア人気を受けてインテリアに関する専門的な知識を学べるコースや、インテリアコーディネーターの養成に特化したコースも増加しています。
こうした専門学校は即戦力となる人材を育成するために実務に力を入れているところが多く、デザイン事務所や住宅メーカー、家具メーカーなどへの就職をあっせんしてくれることもあります。
インテリアコーディネーターは文系から目指せる?
インテリアコーディネーターになるための進学先として挙げられる建築系の学校は、数学や物理など理系の知識が求められます。
ただし、デザイン系やインテリア系であれば文系から進める学校もあります。
また、文系の学校を卒業したとしても、独学でインテリアコーディネーターの資格を取得して就職をしたり、インテリアコーディネーターのアシスタントとして働き、そこから一人前を目指す方法もあります。
インテリアコーディネーターになるために勉強すること
建築に関する専門知識
インテリアコーディネーターに必須な知識として、まずは建築に関する知識が挙げられます。
建物の種類や構造、内装に使っている壁や柱の材質など幅広い知識を持っておくことが大切です。
インテリアコーディネーターは建築家とは違い、建築の深い知識がないとまったく仕事ができないわけではありません。
ただし、担当する建築物の特徴をとらえ、それにふさわしいインテリアを考えるうえでは建築の知識は非常に重要です。
インテリアに関する専門知識
もちろん、インテリアに関する知識も必要とされます。
インテリアコーディネーターの仕事は室内に必要な照明や家具、什器やカーテンなど、それぞれを選んで適切に組み合わせることです。
クライアントに提案する商品の特徴や魅力を知っておく必要があります。
住宅やショップの外装・内装が多様化してきている昨今、仕事によって求められるコーディネートの方向性が大きく異なることも珍しくありません。
多様化する商品に対応できるよう、常に新しい知識を習得してセンスを磨くことが求められます。
設計やデザインに関する専門スキル
インテリアコーディネーターとして仕事をするうえでは設計やデザインに関する専門スキルも求められます。
機械を使って製図を行うCADやデザインの専門ソフトであるIllustratorは、実務で非常に役に立ちます。
こうしたソフトに関する資格を取得しておくと就職の際に有利になることもあるので、学生の内から積極的にスキルを身につけておくとよいでしょう。
インテリアコーディネーターになるためにはどんな学校に行けばいい?(大学・専門学校・スクール)
20代で正社員への就職・転職
インテリアコーディネーターに向いている人
インテリアが好きで美的センスのある人
インテリアコーディネーターは、センスのよい空間を提案する仕事であることから、優れた美的感覚が求められます。
また、インテリアはコーディネーター自身のセンスだけでなくトレンド感も重要です。
新しく出る家具や照明などの知識はもちろん、デザインの流行・住環境の変化など、常に時代の流れを汲み取ったコーディネートを意識しなくてはなりません。
インテリアが好きで、自ら新しい知識を蓄えようとする人は、インテリアコーディネーターに向いているでしょう。
コミュニケーション能力の高い人
インテリアコーディネーターは、お客さまはもちろん、メーカーの担当者や現場の施工業者などさまざまな人とコミュニケーションをとる機会が多いため、人が好きでコミュニケーション能力があることも重要なポイントです。
相手の要望を引き出すヒアリング力や、お客さまが実際に住むときのことを考えるなど、相手の立場に立って想像する力も大切です。
インテリアコーディネーターに向いている人・適性・必要なスキル
インテリアコーディネーターのキャリアプラン・キャリアパス
インテリアコーディネーターは、経験がものを言う仕事です。
長年の経験で培った知識やセンスを生かして、年齢を重ねてなお活躍するインテリアコーディネーターはたくさんいます。
また、インテリアコーディネーターとして働くうちに「建物の設計や企画から関わりたい」と建築士を目指したり、「インテリアの設計をしてみたい」とインテリアプランナーを目指したりする人も多いようです。
インテリアプランナーは、インテリアコーディネーターと明確な区別がない仕事なので、自分の興味や関心・スキルに合わせて徐々に仕事の幅を増やしていく人が多いようです。
インテリアコーディネーターの働き方とその特徴
インテリアコーディネーターの雇用形態
インテリアコーディネーターの多くは、住宅メーカーやリフォーム専門会社、設計・デザイン事務所などに就職して勤務しますが、その雇用形態は社員からパート・アルバイトまで多岐にわたります。
また、インテリアコーディネーターは独立できる仕事でもあります。
フリーランスとなってクライアントから請け負った案件を在宅中心で手掛ける人や、自分の事務所を立ち上げて会社経営をする人もいます。
正社員のインテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターの多くは、住宅メーカーやリフォーム専門会社、設計・デザイン事務所などに就職します。
新卒で採用されることもありますが、就職後にキャリアアップや転職でインテリアコーディネーターを目指す人が多いのが特徴です。
基本的には会社の就業規則に沿って働き、会社既定の給料が支払われます。
派遣のインテリアコーディネーター
正社員に比べると給料は低め
派遣として働くインテリアコーディネーターも少なくありません。
派遣で働く場合、人材派遣会社に登録し、そこから住宅メーカーやデザイン事務所に派遣されることが多いようです。
派遣先ではクライアントへの営業活動やプレゼンテーション、必要となるインテリアの発注や納品などさまざまな業務を担当します。
派遣社員の場合、給料は時給や日給制が多く、また福利厚生なども整っていないことがあるので、採用の際には必ず条件を確認しましょう。
派遣のインテリアコーディネーターで優遇される人材
前提として、未経験者で資格もない人の場合は即戦力とならず採用されにくいという実情があります。
- たとえ短い期間でも実務経験がある人
- 専門学校や大学などでインテリアについて学んだことがある人
- インテリアコーディネーターの資格を取得している人
- 設計図を作るときに必要となる機械製図CADのスキルを取得している人
- デザインや編集のソフトであるIllustratorを使いこなせる人
アルバイト・パートのインテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターを目指す方法として、まずはアシスタントとしてアルバイトの形で現場に入り、地道に仕事を覚えながら一人前を目指すという道もあります。
アシスタントの場合、正社員と同じようにフルタイムで朝から晩まで働くこともあれば、仕事が特に立て込んでいる日に依頼を受け、単発で働くこともあるようです。
アシスタント時代は知識やスキルを身につける下積み期間です。
「給料が安い」「残業が多い」など、厳しい環境で働かなくてはならない場合もありますが、実力を身につければ正社員になったり転職したりすることも可能です。
フリーランスのインテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターには、特定の企業に所属せずフリーランスとして働く人も多くいます。
フリーランスのインテリアコーディネーターは基本的に在宅で働き、打ち合わせや下見、インテリアの選別などのときだけ外出するという働き方をしています。
フリーランスになった場合、企業の枠にとらわれない自由な仕事ができる反面、すべての仕事を自分ひとりでこなさなくてはなりません。
ひとりでも仕事ができるだけの実力や人脈がなくては、フリーランスとして生計を立てていくことは難しいでしょう。
副業・在宅のインテリアコーディネーター
フリーランスのインテリアコーディネーターは、在宅で働く場合もあります。
ただし在宅で働く場合、仕事に必要な道具を一式揃えなくてはなりません。
定規やコンパスなどの製図道具をはじめ、パソコンやCADやIllustratorなどのソフトも必要です。
また、クライアントとコミュニケーションを取れるようにチャットやファイルの送受信ができるよう準備することも大切です。
業務委託のインテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターの中には、案件ごとに業務委託契約を結んで仕事を引き受けている人もいます。
業務委託というのは、仕事内容や金額・納期を確認し、お互いの合意が取れたら契約が成立するというスタイルの働き方です。
業務委託のメリットとしては、環境が整えば在宅で仕事をすることが可能な点です。
さまざまな理由で自宅から離れられないという人や自分のペースで仕事をしたいという人にとっては、非常に働きやすい方法といえるでしょう。
デメリットとしては、雑務まですべて自分ひとりでこなさなくてはならないこと、フリーランスと同じ扱いで、保険や福利厚生に期待できないこと、仕事がなくなってしまったときや身体を壊して働けなくなってしまったときに一気に収入を失ってしまうことが挙げられます。
インテリアコーディネーターを目指せる年齢は?
何歳からでも目指せる
インテリアコーディネーターは、いくつからでも目指せる仕事です。
ただし、年齢に応じた実務年数がなければ、お客さまから信頼を得られなかったり就職が難しかったりする面もあるため、できるだけ若いうちに転職を目指す方がよいでしょう。
現在、まったくインテリアと関係のない業界で働いている場合は、インテリアコーディネーターの資格を取得して、インテリア業界への転職を目指すのが一般的です。
インテリア業界で働いている場合
すでにインテリア業界で働いているものの、インテリアコーディネーターとは違う職種に就いているという場合は、未経験の場合に比べると比較的簡単に転職できます。
業界の基礎知識や実務経験があれば、インテリアコーディネーターの資格取得もしやすいため、まずは資格を取得するというのもひとつの方法です。
転職するにしても、実務経験だけでなく資格があることでより有利になることも多いようです。
インテリアコーディネーターは高卒から目指せる?
アシスタントとして現場で経験を積む
インテリアコーディネーターを目指す人のほとんどは、大学や専門学校などで専門知識を学んでから就職しています。
しかし、高卒からインテリアコーディネーターになれないわけではありません。
まずはアシスタントとしてアルバイトや契約社員の形で現場に入り、地道に仕事を覚えながら一人前を目指すという方法もあります。
アシスタント時代は厳しい環境で働かなくてはならない場合もありますが、実力さえ身につけば、正社員として登用されたり、よりよい待遇の職場に就職したりすることもできます。
インテリアコーディネーターのアシスタントの仕事内容
インテリアコーディネーターのアシスタントは、主にデザイン事務所や内装関連会社で募集されるほか、フリーのインテリアコーディネーターが、弟子となるアシスタントを募集することもあります。
仕事内容は先輩スタッフの補佐業務が中心で、コピーや資料集めなどの雑用から、図面の修正作業や見積書の作成など多岐に渡ります。
アシスタント時代にしっかりと勉強すれば現場で活躍できるスキルが身につくだけでなく、もし将来転職や独立する場合にも役立つ人脈をつくることもできます。
インテリアコーディネーターになるにはのまとめ
インテリアコーディネーターには、建築・インテリアに関する専門知識や設計・デザインのスキルが求められます。
また、優れた美的感覚やトレンドを掴む力も必要です。
お客さまやスタッフと関わる機会も多いことから、コミュニケーション能力の高さも大切です。
上記に加え、十分な熱意があれば、いくつからでも目指せる職業です。