不動産鑑定士の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説

不動産鑑定士の業務スケジュール

不動産鑑定士は、データ分析や評価書の作成といったデスクワークと、物件の現地調査や周辺環境調査といったフィールドワークの双方をこなさなければなりません。

業務スケジュールは担当する物件次第ですが、土地のみで約6日~7日、小規模なビルで約8日、大規模な物件だとそれ以上の日数がかかります。

ホテルやゴルフ場など、広大な敷地面積をもつ物件の調査では、現地でのフィールドワークだけで数日かかることもあり、長期滞在のために家を空けるケースも珍しくないでしょう。

ただ、出張する機会がやや多いということ以外は、一般的なサラリーマンの生活とほぼ変わりなく、朝に出社して日中仕事をこなし、夕方頃に帰宅するというサイクルで働くことになります。

よほど案件が立て込まない限りは、深夜まで残業に追われたり、休日出勤を強いられたりすることはないでしょう。

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不動産鑑定事務所で働く不動産鑑定士の1日

不動産鑑定事務所では、依頼者との面談から物件調査、報告書の作成という一連の流れを、案件ごとに単独で受け持つケースが一般的です。

事務所でのデスクワークだけでなく、役所や法務局で資料を確認したり、対象物件を訪問して調査したり、顧客と面談したりと、忙しく各所を移動してまわる日も少なくないでしょう。

ただ、基本的に1日のスケジュールは自分でかなり自由に設定できるため、日によって業務内容が大きく違うのが、不動産鑑定士の特徴といえるでしょう。

8:30 出勤
パソコンを立ち上げてメールをチェックし、依頼者からの質問などに対応します。
9:00 法務局訪問
法務局を訪れ、「地歴調査」という過去の使用歴情報を取得します。
9:30 役所訪問
役所に移動し、法律関係の確認を行ったり、上下水道やガスの引き込み状況を調べます。
12:00 昼食休憩
レストランに入ったり、弁当を食べたりします。
13:00 現地調査
土地の使用状況を調べるとともに、車を走らせて周辺の環境を調査します。
16:00 デスクワーク
事務所に戻り、収集したデータを整理したり、報告書を作成したりします。
18:00 退社
業務に一通りの目途がついたら帰社します。

コンサルティング会社で働く不動産鑑定士の1日

コンサルティング会社では、不動産鑑定事務所とは異なり、顧客との面談や、弁護士税理士との打ち合わせを考慮したうえで、自身の1日のスケジュールを組まなければなりません。

現地調査や役所訪問などで外出する時間よりも、部内ミーティングを行ったり、自席でプレゼン資料を作成したりと、社内で過ごす時間が多くなるでしょう。

また、業務時間自体も、顧客や他士業者の都合を優先させなければならない関係上、朝早くや夜遅くに予定が入ったりと、やや不規則になりがちです。

8:30 出勤
メールチェックやスケジュール確認、部内打ち合わせなどを実施します
9:00 ミーティング
クライアントに提案する予定の資産運用方法について、担当弁護士と方向性を協議します。
11:00 資料作成
打ち合わせ結果に基づいて、プレゼン資料を作成し直します。
12:00 昼食休憩
社員食堂などで昼食を取ります。
13:00 顧客面談
顧客が保有している土地について、新たに店舗を誘致する計画をプレゼンします。
15:00 ミーティング
帰社し、顧客の反応などを踏まえたうえで、再度提案内容を練り直します。
18:00 退社
業務の進捗状況によっては残業することもあります。

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不動産鑑定士の勤務時間・休日

不動産鑑定士の勤務時間

不動産鑑定士の勤務時間は、一般的な日勤の会社員と大差ありません。

勤務先によって多少の時間差はあるものの、9:00~17:30くらいに設定されているところがほとんどであり、極端に朝が早くなったり、夜勤シフトや深夜帯の勤務などはありません。

先にも挙げましたが業界全体の特徴として、調査物件のフィールドワークをこなすために、出張する機会が多いことが挙げられます。

物件の種類や規模、自宅からの距離などにもよりますが、日帰りで済む案件はどちらかというと少なく、現地に泊まり込んで朝から晩まで調査に追われる日も珍しくありません。

調査が数日間におよぶと、1週間のうち平日はほぼ家にいないことになるケースもあり得ます。

仕事には大きな社会的意義があり、また待遇面も高収入が期待できる一方、平日はほとんど仕事だけに忙殺されることが多いでしょう。

不動産鑑定士の休日

平日の業務とは対照的に、不動産鑑定士の休日はかなり安定しています。

ほとんどの勤務先では土日祝日が休日に設定されているうえ、よほどスケジュールが立て込まない限り、休日出勤や休日出張を強いられることもありません。

お盆やゴールデンウイークなどの長期休暇についても、ほぼ暦通り取得できるケースが一般的です。

不動産鑑定士は大企業に勤めるケースも多く、出産休暇や育児休暇などの制度も利用しやすいといえます。

ただし、独立開業している場合はやや事情が異なり、顧客との打ち合わせや各種会合への出席、勉強会の主宰など、営業活動のために休日でも忙しく働く人が多いようです。

不動産鑑定士の残業時間

不動産鑑定士は、フィールドワークにもかなりの仕事量がありますが、調査で持ち帰った情報を分析し、報告書に落とし込むデスクワークも、作業量としては膨大です。

さらに、物件が遠方にあることも珍しくないため、移動時間がかさみやすいという特有の事情もあります。

現地調査、事務作業、移動と、そのどれにも多くの時間を費やすことが必要なうえ、顧客との打ち合わせや、報告書の説明といった業務もあります。

このため、不動産鑑定士の残業時間は、どうしても長くなりやすい傾向です。

そのぶん休日にしっかり休めるとはいえ、ワークライフバランスに関しては、それほどほかの職業より恵まれているとはいえないかもしれません。

不動産鑑定士は忙しい?激務?

不動産鑑定士は、秋口から冬にかけての期間が繁忙期となります。

新年度に向けて、公的評価や決算評価業務の依頼が集中するうえ、クリスマスから年末年始にかけては、不動産鑑定士の代表業務ともいえる地価公示評価もあります。

不動産鑑定士は、基本的にそれぞれの物件を最初から最後まで一人で担当するため、それらの時期には一人で数百件の案件を抱えて、きわめて忙しくなることも少なくありません。

世間一般の動きとは対照的に、不動産鑑定士は大晦日やお正月も慌ただしく動き回ることが多いでしょう。

その代わり、公的評価が終わる4月頃には、ゆったりと余裕をもって働きやすくなります。

不動産鑑定士の休日の過ごし方

不動産鑑定士は、平日についてはかなり忙しく働く分、休日はゆっくりと休み、英気を養いたい考える人が多いようです。

急に職場から呼び出されたりすることはまずないため、趣味にいそしんだり、家族や友人と出かけたりと、余暇の予定も立てやすいでしょう。

閑散期には、まとまった長期の休暇を取得して、海外旅行に出かける人も少なくありません。

不動産鑑定士は、比較的オンとオフがはっきりとしており、働き方にメリハリがあるといえるでしょう。