大学教授への転職・社会人からなるには
大学教授への転職状況は?
社会人から大学教授へ転職する人はあまり多くありません。
大学教授になる人のほとんどは、学部を卒業した後に大学院へ進学し、博士号を取得してから大学の専任教員になり、そこから教授の職階を目指します。
大学院に進んでから大学教授になるまでの道のりは長く、学部卒の社会人が会社勤めを辞めて大学教授になるには、相当な覚悟が必要だといえます。
しかし、社会人から大学教授になる人がまったくいないわけではありません。
社会に出てから20代のうちに大学院に入り直したり、すでに修士号を持っている人が博士課程から大学に戻ったりなど、数は少ないものの、社会人からアカデミック・キャリアに戻るケースもあります。
また、社会人として身につけた専門性を武器に、博士号をもたないまま大学教員の公募に応募する人もいます。
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大学教授への転職の志望動機で多いものは?
大学教授になるには、事実上「博士号」が必須となります。
そのため、大学教授を目指していきたい場合、大学卒業後は、自身の専門分野や研究を深めていきたい分野の大学院に進む道が一般的なルートとなります。
研究というものは、決して大学教授だけがおこなっているわけではありません。
企業などもさまざまな研究をおこなっていますし、各方面で最先端の研究も進められています。
しかし、一般的に企業で行われる研究は、企業の意向で行われるところが多くあります。
また、企業は収益がなくては成り立たないものであるため、研究に対しても営利が絡んでくる場合があり、純粋にその分野について研究をおこなうことが難しい場合があります。
こうしたことから、企業勤めの研究者たちがより研究を究めるために、大学教授に転身を考える場合があるようです。
社会人から大学教授になるには
先に挙げた通り、大学教授への道のりは、大学から大学院に進み博士号を取得することが一般的ですが、企業勤めをしていた研究者が大学教授になる場合は、この限りではありません。
たとえば、企業で働いてきた実績が買われて大学にスカウトされ、大学教授になる人がいます。
大学教授とは、その分野について高度な専門的な知識を持つことが必要な職業です。
博士号の取得が必須とされているのも、そうした背景によるものですが、別の見方をすれば、世界的に有名な芸能人やスポーツ選手も、「他にない技術や才能を持っている」という意味で大学教授となる資格があるといえます。
実際、こうした分野の人たちが大学教授となっている例もあります。
この場合、芸能人やスポーツ選手は普通、博士号を持っていません。
それと同じように、企業勤めの研究者の場合も、企業での研究成果や実績について資格があると判断されれば、博士号の有無に関係なく、「客員教授」といった名称で大学教授となる場合があります。
とはいえ、企業の研究者として実績があるからといって、誰しもが大学にスカウトされて大学教授になれるわけではありません。
客員教授という形で大学教授となる場合は、その人自身がその大学を卒業していたり、大学院を修了していたりする場合がほとんどのようです。
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大学教授への転職に必要な資格・有利な資格
大学教授になるために絶対に必要となる資格はありません。
実際には博士号を取得している大学教授がほとんどですが、規約的には、大学教員にふさわしい専門性を持っていると判断されれば博士号がなくても教授になることができます。
しかし、社会人歴が浅いなど、十分な専門性を持っていない人は、社会人からでも大学院へ進学して博士号を目指すのがよいでしょう。
博士号を取得するには、大学の学部を卒業した後、2年間の博士前期(修士)課程を終え、さらに3年間の博士後期課程を修了する必要があります。
また、博士後期課程を修了するには、博士論文を提出しなければいけません。
論文が審査に通って初めて博士号がもらえますが、審査を1度で通過する人は多くなく、さらに数年間大学に在籍して論文を書き上げるケースもあります。
大学教授への転職に役立つ職務経験は?
社会人から大学教授への道に進むのは難しいイメージもありますが、社会人だからこそ生かせる武器もあります。
研究者でもある大学教員は、特定の分野における専門知識やスキルが不可欠な職業です。
社会人経歴が長く、金融業界や製造業、医療業界など、自分が勤務していた業界に関して深い知識を持っている人や、経理や総務、法務、営業などの業務で専門的なスキルを身につけた人であれば、博士号を持っていなくても、その専門性を生かして大学教員の公募にチャレンジできます。
また、大学教授は学生の指導も仕事のひとつなので、塾の講師や大学の非常勤講師など、教育関連の職歴がある人も、応募の際にアピールできるでしょう。
一度大学を離れて社会人として職歴を積んだ人は、そうでない人に比べて学術的なブランクはありますが、実務を知っているという点は強みとなります。
大学教授への転職面接で気をつけるべきことは?
大学教授を目指すには、まず大学の専任教員として採用されなければいけません。
大学教員の場合も一般企業と同じく、面接を受けて合格する必要があります。
転職面接に臨むときには、企業の面接と同様に、志望動機や自己PRをしっかり準備しておきましょう。
さらに、大学教員の面接では、応募先の大学について事前によく調べておくことが大切です。
その大学の強みや目標、学風、重点的に取り組んでいること、理念やポリシーなどを調べておくと、面接の質問を前もって予測できますし、面接官にも熱意が伝わります。
また、大学によっては事前に面接官の名前を知らせてくれるところもあるので、面接官となる教授のプロフィールも調べておくのがおすすめです。
担当教授の研究領域について調べたうえで、できればその教授が書いた論文にも目を通しておくとよいでしょう。
大学教授に転職可能な年齢は何歳くらいまで?
大学教授になるのに年齢制限はありません。
しかし、学部卒の社会人が大学教授になるまでには、大学院で最短5年を過ごし、博士号の取得後すぐに助教の職に就けたとしても、そこから10年ほどかけて教授まで昇進する必要があります。
そのため、社会人が大学教授を目指すのであれば、できるだけ早いうちに大学院試験の勉強などの行動を起こすのがよいでしょう。
ただし、社会人としての職務経歴のなかで教員にふさわしい専門性を身につけてきた人や、すでに修士号・博士号を持っている人は、大学院へ進学し直さなくても大学教員になれる場合があります。
社会人から大学教授を目指した人のなかには、40歳ごろから大学教員になるための準備を始め、45歳で教員として採用され、50歳で教授になった人もいます。
社会人から大学教授の転職での志望動機
一般企業への就職と同じく、大学教員の求人に応募する場合も、応募者の「志望動機」は採用の重要な評価材料となります。
大学教授を目指す人の多くは、「大学という環境で自分の好きな研究を続けたい」という理由を志望動機としています。
しかし実際には、ただ「研究がしたい」と伝えるだけでは、大学側があなたを採用するメリットがなく不十分だといえます。
大学教授は、研究のほかに、学生の教育と大学運営にも携わらなければいけません。
書類や面接などで志望動機を伝える際には、研究への熱意と同時に、教育・運営分野にどのように貢献できるかアピールすることが大切です。
非常勤講師やチューターの経験がある人は、講義や学生指導のなかで意識してきたことや工夫点などを織り交ぜて伝えるとよいでしょう。