大学教授の退職金はいくら? 国立大学と私立大学の違いとは?

大学教授の退職金を決定する重要なポイントは勤続年数です。その他、勤務先となる大学の学生数や経営状況なども影響します。

大学によって多少の違いはありますが、およそ3000万円、あるいはそれ以上の退職金をもらうことが多いとされています。

ここでは国立大学と私立大学の教授の退職金について詳しく解説していきます。

大学教授の退職金が決まる仕組み・実際の支給額は?

大学教授の退職金は、どのように決まるのかを解説します。

また、実際にどれくらいの退職金が得られるのかもあわせて説明します。

勤続年数に大きく左右される

大学教授の退職金の額は、大学によって異なります。

大学教授の退職金を決定する重要な要素のひとつになるのが「勤続年数」です。

また、大学の収益は学生の授業料が基になっているため、教授が勤務する大学の学生数や経営状況なども退職金に影響してきます。

仮に大学院を修了せず中退して助手になり、そのまま教授まで歩んでいくと、一般的にその大学での勤続年数は最も長くなり、最も多くの退職金をもらえることになります。

しかし、勤続年数については大学によって判定方法が異なるため、必ずこの方法により退職金が最も多くもらえるとは限りません。

たとえば京都大学のように、「1年以上10年以下」「11年以上25年以下」「26年以上34年以下」「35年以上」といったように、勤続年数が一定期間で区切られたうえで退職金の金額が設定されていることもあります。

最終勤務年度の給与や平均給与なども影響する

大学教授の退職金は、勤続年数に加え、最終勤務年度の給与(または平均給与)に基づいて計算されることが一般的です。

さらに、大学によって独自の計算率や計算方法を設定していることが多く、これらさまざまな要素が組み合わさって、退職金の支給額が決まります。

基本的には勤続年数の長さに加え、教授としてもらえる給料の最大額(最高俸給月額)をもらって退職を迎えた人が、最も高い退職金を得られるといえます。

大学によって異なりますが、大学院を修了してから順調にキャリアアップした教授は、3000万円程度、あるいはそれ以上の退職金をもらうことが多いようです。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

大学別(国立・私立)の大学教授の退職金

国立大学の場合

国立大学では、勤続年数によって退職金が支払われますが、最近は減額されているようです。

国立大学の大学教授は公務員ではないものの、公共性の高い仕事に従事している「みなし公務員」という扱いであるため、公務員改革などによる公務員給与削減の影響を受けてしまうのです。

その減額の大きさは数百万円単位にもなり、影響は少なくありません。

今後も公務員の待遇の動向によって、収入や退職金は変わっていく可能性があります。

私立大学の場合

私立大学の場合、国立大学の大学教授のように「みなし公務員」扱いではないため、公務員改革などの影響は現在のところはない状態です。

私立大学では私立大学全体の90%になる大学が「私立大学退職金財団」という特例財団法人に加入をしており、この財団に資金を積み立て、積み立てた資金の交付を受けています。

私立大学退職金財団では、退職金支払財源を確保することで退職金の安定供給を実現しています。

国立大学の大学教授の退職金が減額される以前から、退職金の額は国立大学よりも私立大学のほうが高い傾向にあります。

また、私立大学における退職金も勤続年数と退職時の給与によって決まるため、国立大学よりも給与水準が高い私立大学に勤めていた場合には、さらに退職金の支給額が大きくなります。

大学を移る場合の退職金

大学教授のなかには、ひとつの大学で定年まで働き続ける人がいる一方、キャリアの中で異なる大学へ移る人もいます。

ここからは、大学を移管する場合の退職金について紹介します。

勤続年数は通算される?

大学教授のなかには、ずっと同じ大学に勤めるのではなく、キャリアの途中で異なる大学へ移籍する人もいます。

その理由として、助教から講師、准教授、と昇進したいと考えている人が、勤めている大学では空きポストがないことから、やむなく別大学の空きポストへ応募するケースが挙げられます。

先ほど「大学教授の退職金の額が主に勤続年数によって決まる」と説明しましたが、では、移籍するごとに勤続年数はリセットされるのかという疑問が生まれます。

実際には、国立大学から国立大学への移籍の場合、みなし公務員となるため移動時には退職金が発生せず、勤続年数も継続となることが多いようです。

一方、私立大学から国立大学、またはその逆の移籍や、私立大学間を移動する際には勤続年数はリセットされます。

そのため、退職時にはそれぞれの大学での勤務年数などに応じた退職金をもらうことになるでしょう。

年金をもらいながら働くときの退職金

基本的に国立大学よりも私立大学のほうが、教授の定年は長く設定されています。

国立大学教授の定年の多くが65歳であるのに対し、私立大学では70〜75歳程度まで働けるところも少なくありません。

また、私立大学のほうが給与・待遇に恵まれていることもあり、国立大学教授のなかには、退職後に定年の長い私立大学へ移籍する人もいます。

ただし、年金を受け取りながら勤務する場合は、その分の給与や退職金は削られるケースが多いようです。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

「大学教授の退職金」まとめ

大学教授の退職金を決めるポイントは勤続年数ですが、学生数や経営状況なども影響します。

大学によって異なりますが、3000万円程度、あるいはそれ以上の退職金をもらうケースが多いとされています。

キャリアの途中で別の大学に移る場合には、国立大学間であれば通常は勤続年数は続けてカウントされます。

一方、私立大学と国立大学の間での移籍となると、勤続年数はリセットされ、それぞれの勤続年数などに応じた退職金が支給されます。