大学教授の定年・退官は何歳? 退職金はいくらもらえる?

専門性を生かして活躍する大学教授は、長期間にわたる安定した雇用と、充実の年金制度が魅力的な職業でもあります。

ただ、その定年・退官に関するルールはやや複雑で、情報を集めるのが難しい場合があります。

本記事では、大学教授の定年・退官についての基本情報から、退職金について、年金を受給する場合の給与の状況まで詳しく解説します。

大学教授の定年についての考え方・特徴

ここでは、大学教授の定年は何歳なのかを説明します。

さらに、国立大学と私立大学における定年の考え方の違いや、特徴についても取り上げています。

定年は大学によって異なる

大学教授の定年は、多くの場合「65歳」となっていますが、大学によっては63歳や67歳というところもあります。

とくに最近は一般企業と同様に定年を延長する動きもあり、定年を68歳や70歳にする大学も出てきています。

また、再雇用制度がある大学では、定年になっても非正規雇用で70歳までは仕事を続けることができます。

大学教授の定年は大学の制度によって異なるものの、60歳から70歳まで働く人が多いといえます。

なお、各大学には「名誉教授称号授与規定」というものがあります。

この規定によれば、勤めた期間が規定に達した場合、多くの場合「名誉教授」という称号が授与されます。

しかし、名誉教授としても、特別な待遇があるわけではありません。

大学によっては、別の部屋や机が用意される場合もありますが、一般的には大学からの会報が届く程度です。

国立大学と私立大学での定年の違い

大学教授の定年は、原則として65歳としているところが大半です。

国立大学の大学教授は、公務員ではないものの、公共性の高い仕事に従事している「みなし公務員」という扱いとなります。

以前は公務員と同じように60歳が一般的でしたが、昨今では公務員の定年引き上げの動きもあり、65歳が基本となっているようです。

一方、私立大学は大学法人として独立した法人格を持っており、教授の定年は各大学が自由に設定しています。

大学によって定年は異なりますが、私立大学は国立大学よりも高めで70~75歳程度に設定する場合が多いです。

こういった特徴があるため、国立大学の教授を退職したあと、私立大学で教えるという人も少なくありません。

65歳以上は給与が下がる可能性も

大学教授は年齢とともに給料も上がりますが、65歳になると年金を受け取ることができます。

したがって、65歳を過ぎても働き続ける場合、年金のことが考慮されて給料が減る場合があります。

なお、かつて私立大学の教授は「私立学校教職員共済」という年金制度に加入することができました。

しかし、現在は年金制度が一元化されたため、民間の会社員と同じく厚生年金に加入し、そこから年金が支給されます。

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退職金はいくらくらい貰える?

国立大学の大学教授は、勤続年数や最終勤務年度の給与(または平均給与)などによって退職金が計算され、支給されます。

最近は公務員給与削減の動きがあり、みなし公務員である国立大学の教授も影響を受けて、退職金の額はやや減少傾向にあります。

ただ、平均的には3000万円程度の退職金を得ている人が多いとされます。

一方、私立大学の多くは「私立大学退職金財団」という特別なお金を集める財団に加入しており、この財団から退職金が支払われます。

全体的に見ると、私立大学の退職金は、国立大学の退職金よりも高い傾向です。

私立大学教授の退職金も勤続年数と退職時の給与などによって決まります。

国立大学よりも給与水準が高い私立大学に勤めていた場合には、退職金の支払額が、より高くなる可能性があります

大学教授の退職金については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、気になる方はあわせてご覧ください。

大学教授の退職金はいくら?

定年後に再就職する大学教授もいる

定年を迎えた大学教授の過ごし方はさまざまで、現場を完全に離れる人もいますが、再就職して働く人もいます。

再就職の例としては、大学で非常勤講師として授業を行ったり、研究所や公的機関で働いたりすることが挙げられます。

国立大学で定年まで勤めた後に、私立大学に移籍する教授もいます。

また、生涯学習に関心のある人が受講するカルチャーセンターなどで講師を務める人も増えています。

大学教授は専門性が高い職業であるからこそ、退職後も自分の専門を生かして再就職先を見つけやすいといえるでしょう。

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大学教授の「退官」とは役職を辞めること

大学教授の定年を考える際に、「退官」という言葉が出てくることがあります。

退官とは、公務員や教職員などの役職を辞めることを指します。

国立大学の大学教授は「みなし公務員」として扱われているため、退職する際には「退官」という言葉が使われることがあります。

これは大学教授が「教官」と呼ばれることがあるためです。

国立大学の大学教授だけでなく、私立大学の大学教授の定年退職にも使われることがあるようです。

しかし「退官」とは、本来は官吏(官公庁や軍などの国家機関に勤務する者)の退職に使われる言葉で、現在の公務員法制では「退職」や「辞職」という言い方が正しいです。

とくに、国立大学の運営が国から国立大学法人に変わった現在では、民間と同じように「定年」を使うのが望ましいといえるでしょう。

大学教授が定年時の最終講義やメッセージで語ること

大学教授が定年を迎える際には、「最終講義」として、特別な講義を行うことが一般的です。

最終講義は、多くの場合、教授自身が選んだテーマに基づいて行われます。

詳しい内容は教授によって異なりますが、そのテーマについての研究成果や人生や社会に対する考え方などを語ることが多いです。

また、教授がこれまでの人生を振り返ってや、その後の人生で何を考えているのかといった内容を発信することもあります。

こうした大学教授の最終講義やメッセージは、その教授が人生で得た知恵や経験を伝える貴重な機会です。

最終講義は、学生のみならず、卒業生や一般の人も聴講できる場合が多いです。

そのほか、教授の定年を祝ったり、功績をたたえたりするパーティーが開催される場合もあります。

「大学教授の定年」まとめ

大学教授の定年は大学によって異なりますが、多くは65歳です。

また、これまで60歳や63歳としていた大学でも、近年は定年を延長しようとする大学が増えつつあります。

定年後は他の大学へ再就職する人もいれば、研究所や公的機関などへ移って引き続き仕事をする人、あるいは余生を自由に過ごす人など、さまざまです。