女性の大学教授のキャリアパス・結婚後の生活

女性の大学教授の現状

現在は男性が圧倒的に多い

平成27年の学校基本調査によると、大学教員全体に占める女性の割合は23.2%です。

現状では男性が圧倒的に多い状況ですが、近年、女性の大学教授が増えてきています。

その理由は、大学教授には給与や休日、待遇などで男女の差がないためです。

一般企業の場合、外回りの営業は男性の場合が多いといったことや、男性と女性では同じ役職であっても給与や賞与が異なることも多いのが現状です。

また、女性の場合役職につくことができないといったことがあり、それはだんだんに改正されてきているとはいえ、いまだ深刻な問題になっています。

しかし大学教授についてはこのような男女の差はありません。

そのため今後はどんどん女性の大学教授が増えていくでしょう。

理工系でも増えてきている

女性の大学教授が多い分野は家政、人文科学、社会科学、保健などで、工学部理学部の女性の研究者は少ないのが現状です。

たしかに工学部や理学部といった理工系の学部は男子学生の多い学部で、一昔前は女性が近づきにくい雰囲気がありました。

しかし、工学部や理学部にも最近は女子学生が増えてきているように、女性の大学教授も増えてきています。

大学自体が女性の研究員の採用について積極的なところがあり、今後も増えていきそうな勢いです。

博士号を取得する女性の増加

現状では、日本の女性研究者の割合は先進国の中で最下位ともいわれています。

大学教授になるには博士号を取得するのが現実的なルートなので高等教育が必要なわけですが、日本の女性に高等教育がおこなわれていないかというとそのようなことはありません。

しかし、女性の大学の進学率は高くても博士号の取得となるとまだまだ女性の割合が低い状態です。

女性の博士号取得の割合の増加が、女性の大学教授が増えていく鍵になるでしょう。

実際、2001から11年の11年間で博士号を取得した人の伸び率は男性0.31%に比べて、女性は3.90%という数字があります。

日本のみならずアジアにおいて、いまだ女性のノーベル賞受賞者はまだ出てきていません。

しかし、このペースで伸びていけば、いずれは日本からアジア初の女性ノーベル賞受賞者が出てくるかもしれません。

女性の大学教授の強み・弱み

大学教授に必要なのは、研究分野における専門性と学生を指導する能力です。

専門領域における研究が認められ、学生から講義内容が評価されれば、男女に関係なく教授として活躍することができます。

そのため、基本的には性別による強み・弱みを気にする必要はないでしょう。

しかし、専任教員の職を失うと再びポストを見つけるのが難しいことを考えると、社会的な風潮としてキャリアを途中で断念する女性は男性よりもまだまだ多いため、大学教授の職に就きにくいと感じる人もいるかもしれません。

一方で、大学によっては「女性学」や「ジェンダー学」などの分野を専門とする学科や研究センターが置かれているところもあります。

これらの専門領域では、女性であることが強みとなり、当事者として活躍しやすいといえるでしょう。

大学教授の結婚後の働き方・雇用形態

大学教授の雇用形態は、国立大学であれば「みなし公務員」であり、私立大学の場合は一般企業における正社員と同じような正規雇用となります。

そのため、大学教授の職にいったん就き、結婚を機にパートやアルバイトなどの非正規雇用に切り替える、といったことができません。

大学教授は、自分の研究をしながら講義や学生指導といった教育をおこない、さらに入試や学生集めなどの大学運営にも携わる必要があり、多忙な職業です。

結婚後も働き続ける場合、結婚前とは異なる働き方は基本的にできないので、女性の大学教授が結婚後も働き続けるのであれば、家のことは女性が主に担当するという結婚観を自分やパートナーが持ったままでは難しいかもしれません。

大学教授は子育てしながら働ける?

前述の通り、大学教授にはパートやアルバイトなどの非正規雇用で勤務する職業ではないため、午前のみ・午後のみといったシフト制で働くことはできません。

よって、家庭内で子どもに関することをすべて担うような子育てをしながら働くのは難しいかもしれませんが、パートナーや他の家族と協力しながらの子育てであれば、大学教授の仕事とも両立できるでしょう。

ただし、実際には50歳前後で教授になる人が多く、子どもがいたとしても大きくなっていることが多いです。

大学教授を目指す人のほとんどは20代を学生として過ごし、30歳前後で助教となり、そこから教授へ昇進していきます。

子育てとの両立に悩むのは、大学の専任教員として就職できたころかもしれません。

大学教授は女性が一生働ける仕事?

大学教授は、大学院の修了後に数少ない専任教員のポストを掴み取り、研究や教育の成果が認められて始めて就ける職業です。

大学教授になるまでの道は簡単ではありませんが、いったん教授の職に就くことができれば、よほどのことがない限りその資格が奪われることはありません。

性別に関係なく、定年の60〜75歳ごろまでは働ける仕事だといえるでしょう。

ただし、専任教員になってから大学教授になるまでの10〜20年の間は、研究や学生指導に忙しくプライベートの時間が十分に取れないことも多いです。

大学教員にも産休や育休はありますが、結婚・出産後は家庭のほうに重点を置きたいと考える女性の場合は、仕事との両立を難しく感じるかもしれません。