大学教授の需要・現状と将来性

大学教授の現状

現在、日本では少子化が社会問題のひとつになっていますが、少子化は大学にも深刻な影響を与えています。

どの大学も学生数を確保するために、力を入れて体験入学やオープンキャンパスなどのイベントを開き、あの手この手で学生を集めようとしています。

それでも学生を確保できず、経営が難しくなっている大学も多く出ているのが実情です。

また、新規の大学の設立が文部科学省に認められないケースも増えており、大学をとりまく環境は厳しくなっていると言わざるを得ないでしょう。

大学の規模が縮小すると、必要な教員の数も必然的に減ることになります。

さらに、大学教授は専門分野のポストに空きが出なければいけないため、教員になれたとしても教授の地位まで昇りつめるのは簡単ではないといえます。

大学教授の需要

少子化にともない、大学教授の需要は右肩下がりになっています。

一方で、大学教授を目指す大半の人が進学する博士課程の修了者はここ数十年でかなり増加しており、需要数とのバランスが取れていません。

そのため、大学院へ進み博士課程を終えたにもかかわらず、専任の教員になれず、不安定な非常勤講師という身分で生計を立てている人も少なくないのが実情です。

とくに文系の大学教授を目指す場合は、大学院のみの研究科や国家主導のプロジェクトなどにもポストがある理系とは異なり、より需要が小さくなります。

近年では、博士課程を修了しても非正規の職にしか就けない状態を「貧困ポスドク」や「高学歴ワーキングプア」と呼び、社会問題のひとつとして捉えられています。

需要が少なくなるなかで大学教授を目指すのであれば、大学院にいる間に十分な成果を上げ、学内外における人との繋がりを大切にするなど、ただ「博士論文を書く」以上の戦略が必要となるでしょう。

大学教授の将来性

大学教授は副業ができる

生徒数が減少すれば、大学の収入も減ります。

大学の収入が減れば、単純に考えて、大学教授の収入にも悪い影響が出てしまうことが否めません。

しかし、大学教授は将来性のない仕事かというと、決してそのようなことはありません。

たとえば、大学教授は副業をすることが認められているため、非常勤講師をするなど副業によって収入を確保することができます。

大学教授によっては、テレビのコメンテーターなどで活躍している人もいます。

そのほか、自身の研究成果を商品にしたり、特許を取得して収入を得たりすることもできます。

さらに、本の執筆や企業と共同でのベンチャー企業設立、セミナーなどでの講演、公共機関の顧問など、多方面で活躍することが可能です。

大学教授としてどのような活動をしていくか。

それをしっかりと考え、研究を深めていけば、大きな名誉や成功を手にすることもできるでしょう。

学術研究の場から、実践教育の場へ

優秀な教授と学生によって、より高いレベルの研究成果を出せば大学として評価されるという時代は、いまや終わりつつあります。

現在の大学では、ただ研究だけに没頭していればよいということではなく、学生が就職した際に社会人として活躍できるような「実践教育」が求められています。

そのために、大学教授は単なる「研究オタク」ではなく、社会人としての素養を備えて、企業が求める人材のイメージをしっかりと学生に伝えていかなければなりません。

たとえば、ある大学では特定のゼミを英語だけでおこなう取り組みをしています。

このゼミでは国際金融などがおもな研究テーマとなっているため、卒業後に必要になる実践的な英語を大学のうちに習得しておこうというわけです。

今後はこのような実践的な取り組みが増えると見込まれまるため、より実践的な知識を持ち、指導ができる大学教授がいる大学に人気が集まるだろうといわれています。

より多くの学生、とりわけ優秀な学生を集めるには、大学教授の魅力によるところも大きいのは事実です。

指導の内容がマンネリ化しているなど、時代に合わない大学教授は大競争時代においては淘汰され、立場を維持できなくなるかもしれません。

大学教授になったからといって、それだけで生涯安泰ではないということは、よく理解しておいたほうがよいでしょう。

大学教授の今後の活躍の場

近年、大学と企業が共同で研究をおこない、製品やサービスなどを作り上げるという手法が一般的になりつつあります。

いわゆる「産学協同」と呼ばれるもので、具体的な成果を挙げるプロジェクトも多くなってきています。

大学教授と、その教授がもつ研究室に所属する教員・学生は、いわば専門分野におけるプロフェッショナルです。

さらに、最先端の研究開発をおこなっている大学には、分野ごとに充実した設備が完備されていることも多く、企業の強力なパートナーとなり得ます。

この分野ではアメリカが先行しており、アメリカでは研究費をスポンサー企業に出してもらう代わりに、その研究成果を企業にフィードバックするという手法がとられています。

日本にもこうした流れは確実に起きており、今後は研究機関としての大学と企業をつなぐ役割や人脈が大学教授に求められる傾向も強くなるでしょう。