大学教授の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

大学教授の仕事とは

大学教授は、文学法学心理学など、学生に対して自分の専門分野に関する授業をおこなうとともに、専門分野の研究をし、研究の成果を論文や学会で発表します。

その他、本の執筆や企業と共同でのベンチャー企業設立、セミナーなどでの講演、公共機関の顧問など、多くの場所で活躍しています。

大学教授になるために必要な資格はありませんが、一般的には大学院博士課程を修了していることが求められます。

まずは、大学院卒業後に、助手として採用されるところからスタートし、優れた研究を続け、論文を書き、学会などで成果が認められれば、講師、准教授、教授へとステップアップをすることができます。

平均年収は高く、安定した仕事ですが、少子化の影響もありポストは少なく、大学教授になるのは狭き門です。

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大学教授の業務の内容

授業だけが教授の仕事ではない

大学教授は教育や研究の最高位といえる職階です。

その大学教授の仕事とは一体どのようなものでしょう?

職業名に「教授」とついている通り、たしかに大学で授業をおこなったり、少人数での勉強をするゼミで学生に指導をしたりすることは、大学教授の大事な仕事の一部です。

ところが授業をおこなうのは、教授の仕事のひとつでしかありません。

というのも、教授がする仕事のうち、授業を行う時間というのは全体の3分の1程度だからです。

授業の担当時間は小中高の教員よりもずっと短く、平均して1週間で90分×5コマほどとなります。

では残りの3分の2はどのような仕事をしているのかというと、自分の専門分野の「研究」をしたり、どのようにして学生を増やすことができるか、といった大学の運営に関する「会議」に出席したりします。

研究時間を確保して、論文を執筆する

少子化が進むなか、学生数を増やすための取り組みといった会議は大事ではありますが、会議の時間が長くなればなるほど自分の研究時間が取れなくなってしまいます。

教授の代表的な仕事である「授業」と「会議」と「研究」を3分の1ずつにできれば理想的ですが、最初から時間が決められている授業とは異なり、会議については内容や議論の状態によってはだいぶ長くなってしまうことがあります。

そうすると、自分の研究時間が減ってしまい、そこが大学教授にとっては悩みどころです。

それというのも、大学教授は自身の専門分野を持っており、それに関して定期的に論文を発表しなくてはならないからです。

そのためには、ある程度まとまった時間をとって研究活動をおこなう必要があります。

専門分野における学会の会員になっている人も多く、論文は学会や学会誌で発表します。

さらに、研究のために海外に行くこともあります。

なお、大学教授には春休みや夏休みがあるため、その大きな休みを利用して論文を書き上げる人も多くいます。

学校評価のシステム

学校評価とは、2007年に学校教育法の改正によって義務化された学校運営の状況や教育に関する評価のことをいいます。

学校評価で高い評価を得るには、高度な専門知識を持ち、現場の状況を知る大学教員の力が重要になってきます。

大学教授のなかには、自分の専門分野や研究に重点を置きすぎて、大学に入学した学生やその関係者の要望に対して十分な対応をおこなっていない人もいるようです。

しかし、学生が充実した勉強をするためには教育環境がとても大切です。

その改善に日々携わっていくことも、大学教授の重要な仕事のひとつです。

学生との交流も重要

授業や研究、会議といったことが大学教授の仕事ですが、大学教授はそれ以外の場面で、学生と交流を持つことも多くあります。

とくに少人数での勉強会となる「ゼミ」では学生の顔と名前を覚えやすく、交流がしやすい環境です。

ゼミの後で、学生と一緒に食事をしてコミュニケーションをとっている大学教授も大勢います。

ゼミでは、その運営や実験・実習の指導、卒業論文の指導もおこないます。

多くの若い学生との関わりのなかで、大学教授自身が刺激を受けることも少なくありません。

学生と大学教授が良いコミュニケーションをとることができれば、学生の学習意識も向上していきます。

学生と交流を深めることも大学教授の大事な仕事だといえるでしょう。

大学教授の役割

「有識者」としての役割

国や自治体などが、何か専門的なことを検討しなければならない場合に「有識者会議」を組織することがあります。

たとえば「いじめ」が社会問題化した場合に、その対策をまとめるために有識者を集めた会議を開くという具合です。

ここで「有識者」と呼ばれる人は、大半が大学教授です。

それぞれの分野において最も高いレベルの知識を有しているということが前提になっているため、こうした会議では持ち前の専門知識を政策や対策などに反映することが求められます。

どこにでもいる人ではないからこそ、社会は大学教授に対して有識者としての活躍を期待しているのです。

学会活動、学術振興の役割

大学教授の研究活動は、何も大学内だけのことではありません。

それぞれの研究テーマにおいて学会が開かれ、同じテーマを研究している研究者が一堂に集まって研究成果を発表しあいます。

こうした活動は大学教授ならではの役割といってもよく、研究に専念できる環境にある大学教授は学術振興に貢献する責務があるといえます。

ノーベル賞などに象徴されるような学術賞の多くは、学術振興に貢献して大きな研究成果を挙げた人に対して贈られるので、受賞者のほとんどは世界中にあるどこかの大学教授です。

研究成果を社会に還元する役割

現代の高度な文明社会は、多くの科学技術によって成り立っています。

これまでに数え切れない研究者が画期的な発明や開発をしてくれたおかげで、便利で豊かな生活ができているわけです。

このように研究者が社会を良くするような貢献をすることを、研究成果の社会還元といいます。

大学教授が属する学術研究の世界では、いかにして研究成果を社会還元するかというのも大きなテーマになるので、大学教授に与えられた重要な役割のひとつだといえるでしょう。

学校運営と改善

大学教授は社会的な面だけでなく、学校内でも重要な役割を担います。

ひとつは大学の学校運営の改善と発展を助けること。

そしてもうひとつは教育の質や水準を向上させることです。

大学教授の仕事は、大きく分けると授業と会議と研究になります。

それ以外の雑事も少なくありませんが、この3つの仕事がほとんどです。

この仕事のうちの会議とは、学会など研究のための会議もありますが、それだけではなく、どうやったら学生を増やすことができるか、授業の質を高めるにはどうしたらよいかといった学校運営に関する会議も多くあります。

日本は近年少子化で子供の数が減ってきていますから、学生を獲得するために、大学はさまざまな取り組みをおこなっています。

しかし、それは大学の運営者だけが考えればいいというものではありません。

子どもたちに「この大学に入学したい」と思わせるのは、カリキュラムや授業内容、大学教授の存在が大きいところですから、大学教授がそうした学校運営に関わるのは当然ともいえるのです。

学生とのコミュニケーション

教育水準の向上のため、さまざまな取り組みが行われていますが、そのひとつとして大学教授と生徒が日常的にコミュニケーションを持つということが考えられています。

以前は、大学教授は授業で生徒にわかりやすい知識の伝達をすれば、役割を果たしているという評価が与えられていました。

しかし現在は、大学教授と学生がコミュニケーションを持つことで、さらによい教育関係を構築することが目指されています。

授業中の息抜きの会話や、授業やゼミが終わってからの学生との雑談など、日常的に学生とコミュニケーションを取る役割も求められています。

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大学教授の勤務先の種類

大学教授のおもな勤務先は、国公立または私立の大学および大学院、もしくは短期大学のいずれかです。

多くの場合、大学と大学院は一つの組織となっているため、大学教授は学部生と大学院生の両方を指導するのが一般的です。

また、学部や研究科に属するのではなく、キャンパス内にある研究センターで勤務する人もいます。

見識の深い大学教授であれば、民間の研究所や国や自治体の調査機関に呼ばれて勤務することもあります。

さらに、研究などが認められて有名になると、専門家としてテレビ番組に出演したり、講演会を開催したりする大学教授も珍しくありません。

専門分野の第一線で活躍する大学教授のなかには、国の施策に関する会議に呼ばれる人や、企業の相談役として活躍する人もいます。

大学教授の仕事の流れ

大学教授の仕事の流れは、勤務先や専門分野によって多少異なりますが、大学内で講義を受けもつ教授の業務内容にあまり違いはありません。

ここでは、4年制大学に勤務する大学教授の仕事の流れをご紹介します。

1.授業が始まる1時間ほど前に研究室へ出勤し、講義の資料を作成・印刷する

2.講義教室へ移動し、1限目の授業を開始する

3.研究室に戻り、オフィスアワーの対応として学生の相談を受ける

4.大学院生に向けたゼミのレジュメを準備して教室へ移動し、院生の発表を聞く

5.教授会に出席し、定期試験の日程やゼミの募集日程などを取り決める

6.卒業論文を作成する学生の相談を受け、翌日の授業の準備をし、帰宅する

専門分野が文系か理系か、その日に何時間の講義を受け持っているか、会議があるかないかなどによって、仕事の流れが大きく異なることもあります。

大学教授と関連した職業

大学内で教鞭をとるのは教授だけではありません。

大学によって呼称が異なる場合もありますが、准教授や講師、助教と呼ばれる先生がいます。

いずれも大学内で学生を指導する立場にあることは変わりませんが、役割や権限が異なります。

教授と准教授に関しては、業務内容はほとんど変わらず、いずれも学生の授業や研究の指導、自分の専門分野の研究、大学の運営などをおこないます。

准教授は同じ分野の教授の下に1人付いていることが多く、キャリアを積むと教授のポストにつくことができます。

ただし、大学内での教授の人数は一定なので、同じ大学で教授の席が空いてから昇格する場合と、他大学のポストへ応募して教授になるケースがあります。

教授、准教授に次いで、講師、助教の順に職階が下がっていきます。

講師は准教授になる前のポジションとして置かれていることが多く、学生の授業を受け持ちますが、研究室は基本的にもらえません。

助教は大学教員のなかでもっとも役職が低く、授業を持つこともありますが、研究や論文に関して学生を直接指導したり、相談役になったりすることが多いです。