中学校教師に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
そのため、オンオフの切り替えがしっかりできる人やうまくストレス発散できる人、教えることが好きな人、子どものことを信じられる人などが向いているといえます。
マイペースに仕事をしたいという人や、コミュニケーション能力の低い人は中学校教師には向いていないかもしれません。
ここでは中学校教師に向いている人はどんな人なのか、適正や必要なスキルなどについて詳しく解説していきます。
中学校教師に向いている性格・適性
オンオフの切り替えやストレス発散が上手な人
中学校教師に向いている性格や適性として、「子どもが好きな人」ではなく、「オンオフの切り替えやストレス発散が上手」という項目がはじめに挙げられることを意外に思う人も多いでしょう。
しかし、「中学校教師になりたい」という情熱に溢れている人ほど、実際の教育現場に立ったときに「こんなはずではなかった」とショックを受けたり、生徒や保護者、同僚の先生方との人間関係に悩んだりするものです。
マスコミにも取り上げられる教員の多忙さや職務上のストレスの大きさは改めて言及するまでもありませんが、毎年文部科学省が発表しているデータでも、精神疾患による病気休職者は2000年代以降、増加傾向にあります。
長い教員生活、息切れせずに毎日笑顔で過ごすためには、終業時刻を過ぎればぱっと気分を切り換えられる素質が必要です。
真面目で一生懸命な先生であればあるほど、自分を追い詰めて心身が疲れてしまうもの。
どんなに悩んでいても、一晩寝れば忘れて、翌朝は爽快な気分でまた新たな1日を始められる、そのようなたくましい人が中学校教師に向いています。
教えることが好きな人
中学校教師は先生ですから、やはり「教える」ことが好きな人に向いています。
とくに公立中学校は、生徒たちが近隣から通ってくるので、学力に大きな差が生じやすい環境です。
小学校で習う内容を取りこぼしている子どももいれば、学習塾などで予習してあって授業の進度が遅いと感じている子どももいます。
このように学力に差のある生徒たち全員が、「知らなかったことを知る喜び」「わかった、できたという達成感」「もっと学んでみたいという意欲」を味わうことができる授業を構築しなくてはなりません。
何年キャリアがあっても、指導法や教授法を研究し、常に生徒たちが学ぶことを楽しいと感じる教え方を追求できる人は中学校教師に向いています。
子どもの可能性を信じられること
中学生の子どもたちは、まさに思春期といえる難しい年代です。
長く教師をしていると、家庭環境に問題がある生徒や、周囲と上手にコミュニケーションがとれない生徒、非行に走ってしまう生徒などに出会うこともあるかもしれません。
もともとは子どもが好きだったのに、つらい場面に直面するうちに「なぜ、この仕事をしているのだろう」と悩む瞬間もあるでしょう。
それでも、子どもたちの可能性を誰よりも信じ、子どもの健全な成長をサポートするのが中学校教師の役割です。
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中学校教師に必要なスキル・能力
- 相手の話をよく聞き、考えを伝える力
- パソコン作業やデスクワークのスキル
- 適切に「叱る」力
相手の話をよく聞き、考えを伝える力
教師に限らず、人と接する仕事に就く以上は、高いコミュニケーション能力が求められます。
中学生に自分から関わりが持てる積極性と、生徒の話をじっくりと傾聴できる耳を持っている人は、中学校教師として活躍できることでしょう。
ただ、「コミュニケーション能力」と「社交性」は異なります。
穏やかな性格で、人付き合いが苦手という人でも、「相手に合わせて話すことができる」「相手が伝えようとしていることを汲み取ろうと想像力を働かせられる」という人であれば、思春期まっただなかの生徒たちの気持ちを大切にしながら、指導や支援に当たることができるからです。
また、悩んだり困ったりしている中学生に、自分の経験や社会の常識をわかりやすく、適切に伝えられるかどうかということも、中学校教師には必要なスキルといえるでしょう。
つまり、インプットとアウトプットのスキルが高い人が向いているといえるのです。
パソコン作業やデスクワークのスキル
中学校教師はデスクワークといわれる事務作業も多くこなさなくてはなりません。
プリント作成や宿題チェック、テストの採点、保護者向けの資料作りや職員会議のまとめなど、机に向かってする作業は毎日たくさんあります。
このようなスキルは、仕事を続けるうちに身についていくものでもありますが、忙しいなかで効率的に業務を進められるようにパソコンの使い方を習得する努力も不可欠です。
適切に「叱る」力
中学校教師は、時と場合によっては生徒に対して正しく叱らなくてはなりません。
「叱る」というのは、ただ感情のままに思いをぶつけたり、八つ当たりをしたりする「怒る」とは違うもので、相手をより良い方向に導こうとするために注意やアドバイスをすることです。
まだ社会経験に乏しい子どもたちは、ときどき間違ったことをしてしまう場合があります。
そんなとき、生徒に嫌われるのが怖いからといって見て見ぬふりをしたり、適当に流したりしていては、子どものためによくありません。
最初は、叱ることに抵抗がある先生もいるようですが、本当に生徒のことを見て上手に叱れるようになれば、生徒とより強い信頼関係を築けるでしょう。
中学校教師に向いていないのはどんな人?
中学校教師は、さまざまな人との関わり合いが多い仕事です。
主なものとして、子どもやその保護者、地域の人たち、そして他の教員やスタッフなどが挙げられます。
自分一人だけでやれる仕事ではなく、複雑な人間関係の中で働かなくてはならないため、自分の世界でマイペースにやりたい一匹狼タイプの人には、少々ストレスがかかりやすい仕事といえるでしょう。
一方、周囲の人たちに気を遣いすぎるのもよくありません。
ときには自分の意見や考えをしっかり伝えながら、うまく話を前に進めていこうとすることが大切です。
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中学校教師に向いている人のまとめ
中学校教師が精神疾患により病気休職している割合は2000年代以降増加傾向にあることからも、ストレスの多い仕事といえます。
ですから、ストレスを抱え込まずうまく発散できるかどうかがとても大事になってきます。
もちろん先生ですので、教えることが好きということも大事ですし、子どもたちの可能性を信じられるかどうかも大切です。
とても大変な仕事ではありますが、思春期の子どもたちに影響を与える中学校教師はやりがいのある仕事といえるでしょう。