司法試験の難易度・合格率

弁護士資格とは

弁護士は、裁判官、検察官と併せて「法曹三者」と呼ばれ、法律系国家資格のなかでも最高峰に位置する資格です。

弁護士資格を取得するためには、まず司法試験の受験資格を満たし、試験を受けて合格した後、1年間の司法修習を修了して、その後に実施される考試、通称2回試験にも合格しなければなりません。

また、実際に弁護士として業務を行うためには、日本弁護士会に資格を登録し、入会金や登録料、年会費などを支払うことも必要です。

近年は司法制度改革によって司法試験合格者が増加しており、弁護士資格保有者は全国で約4万人ほどにのぼっています。

司法試験の受験資格

司法試験の受験資格を得るためには、法科大学院課程を修了するか、司法試験予備試験に合格すること、2つのうちどちらかをクリアすることが必要です。

法科大学院での学習期間は、法学部出身者などが対象となる「既修者コース」の場合は2年間、それ以外の初学者などが対象となる「未修者コース」については3年間です。

また、受験資格には期限と回数制限があり、試験を受けられるのは資格を得てから5年間のうちに最大3回までとなっています。

もしもその間に試験に合格できなければ、再び受験資格を得るところからやり直しとなります。

司法試験の難易度・勉強時間

法科大学院入試の勉強時間

法科大学院の既修者コースへ進学する場合、その入試の難易度は大学によって大きく幅がありますが、必要な勉強時間の目安は最低2000時間とされています。

基本的には司法試験合格実績の豊富な大学ほど人気が高く、そのぶん倍率が高くなる傾向にあり、東京大学、京都大学、一橋大学などがその筆頭格として挙げられます。

一方、法科大学院未修者コースについては、試験科目は小論文や面接などが中心であり、法律知識が問われるわけではありません。

勉強時間については一概にいえませんが、小論文などはしっかりと事前に対策しておく必要があるでしょう。

小論文のテーマは、自然科学や人文科学、時事問題など多岐にわたり、課題文や資料についての要約、及び内容を理解したうえで自論を述べさせる形式が主流です。

予備試験の勉強時間

予備試験は、法科大学院修了者と同程度の知識があるかどうかを判定するための試験であり、その勉強時間は3000時間~8000時間ほどが目安とされています。

元々の法律知識量や勉強の得意不得意、予備校利用の有無などの事情で個人差が大きくなりやすく、2000時間ほどで合格できる人もいれば、10000時間以上かかる人もいます。

試験は短答式、論文式、口述式の3段階で実施され、それぞれの合格率は順番に20%、20%、90%ほどであり、最終合格率は3%前後です。

受験資格を得てからの勉強時間

司法試験合格のために必要な勉強時間は、さらに各人の能力や環境による差が大きくなります。

法科大学院既修者コースに進んだ人の例をみると、大学院での勉強に加えて、授業後に4~5時間ほど、土日は1日10時間ほど勉強すれば、大学院課程終了後の一発合格も不可能ではないようです。

在学中の勉強時間は2年間で約8000時間、入試を含めると総計10000時間ほどかかる計算です。

法科大学院未修者コースの場合、知識ゼロの状態から既修者と同レベルにまで達しなければなりませんので、10000時間よりもさらに多くかかるとみておくべきです。

仮に未修者コース3年間を修了した後の一発合格を目指すなら、1日10時間ほど毎日勉強し続けても足りないかもしれません。

予備試験からの合格を目指す場合、予備試験対策がそのまま司法試験対策に直結しているというメリットはあるものの、やはり予備試験を含めて合計10000時間ほどが目安となるでしょう。

なお、司法試験の合格率は、どの法科大学院出身者よりも予備試験合格者が最も高くなっており、近年予備試験を受験する人が増加傾向にあります。

平成30年度司法試験の受験者数・合格率

司法試験受験者数

司法試験の受験者数は平成23年度をピークに減少の傾向にあり、平成30年度の受験者数は5,238人となりました。

司法試験受験者数_30

司法試験合格率

新司法試験開始から合格率は下降の傾向にありましたが、平成30年度試験の合格率は直近10年で最も高い29.1%となりました。

司法試験合格率_30

平成30年度 司法試験合格者男女比率

平成30年度の司法試験合格者の男女比率は、男性75.4%、女性24.6%となっています。

平成30年度司法試験合格者男女比率_30

平成30年度 司法試験合格者受験回数

平成30年度の司法試験合格者の受験回数は、1回目が56.5%、2回目が17.6%、3回目が12.3%となっています。

平成30年度司法試験合格者受験回数の割合_30

平成30年度 司法試験 合格者の既修・未修別

平成30年度試験合格者の既修・未修別の人数は、既修者法学部が65.7%、既修者非法学部が4.4%、未修者法学部が21.3%、未修者非法学部が8.7%となっています。

平成30年度司法試験合格者既修・未修の割合_30

令和元年度 司法試験の概要

試験日 令和元年5月15日(水)、16日(木)、18日(土)、19日(日)
試験地 札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市
受験資格 “1. 法科大学院(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十九条第二項に規定する専門
職大学院であつて、法曹に必要な学識及び能力を培うことを目的とするものをいう。)の課程
(次項において「法科大学院課程」という。)を修了した者
2. 司法試験予備試験に合格した者”
試験科目 “(1) 試験は短答式(択一式を含む。以下同じ。)及び論文式による筆記の方法により行われます(法
第2条第1項)。短答式試験と論文式試験は同時期に行われ,受験者全員が両方の試験を受けるこ
とになります。
短答式による筆記試験は,裁判官,検察官又は弁護士となろうとする者に必要な専門的な法律知識
及び法的な推論の能力を有するかどうかを判定することを目的とし,次の科目について行われます
(法第3条第1項)。
・ 憲法
・ 民法
・ 刑法
(2) 論文式による筆記試験は,裁判官,検察官又は弁護士となろうとする者に必要な専門的な学識並
びに法的な分析,構成及び論述の能力を有するかどうかを判定することを目的とし,次の科目につ
いて行われます(法第3条第2項)。
・ 公法系科目(憲法及び行政法に関する分野の科目をいう。)
・ 民事系科目(民法,商法及び民事訴訟法に関する分野の科目をいう。)
・ 刑事系科目(刑法及び刑事訴訟法に関する分野の科目をいう。)
・ 専門的な法律の分野に関する科目として法務省令で定める科目のうち受験者のあらかじめ選択
する一科目(選択科目)
(3) 選択科目は,次の8科目とされています(施行規則第1条)。
・ 倒産法
・ 租税法
・ 経済法
・ 知的財産法
・ 労働法
・ 環境法
・ 国際関係法(公法系)
・ 国際関係法(私法系)”
合格基準 合格者の判定は,短答式試験の合格に必要な成績を得た者について,短答式試験及び論文式試験の成績を総合して行われます。なお,合格者は,司法試験考査委員の合議による判定に基づき,司法試験委員会によって決定されます。
合格率 29.1%(平成30年度)
合格発表 令和元年9月10日(火)
受験料 28,000円
詳細情報 法務省 司法試験の実施について