【2021年版】社会保険労務士試験の難易度・合格率

社会保険労務士資格とは

社会保険労務士は「国家資格」

社会保険労務士は、社会保険労務士国家試験に合格すると取得できる国家資格です。

法律に関するプロフェッショナルであることを示す国家資格としては、社会保険労務士以外にも「弁護士」や「司法書士」「行政書士」などがあります。

社会保険労務士の国家資格の誕生は、およそ半世紀前にさかのぼります。

戦後、労働三法が制定されるようになり、労務に関する専門家の存在が必要とされることになったことから、1968年に社会保険労務士法が制定されました。

参考:社会保険労務士法

現在では、全国に43,168人の社会保険労務士が登録しています(2020年9月30日時点)。

「業務独占資格」でもある

社会保険労務士は「業務独占資格」といわれる種類の資格でもあります。

業務独占資格とは、簡単にいえば医師や美容師などのように「その資格を持っていなければその仕事をおこなうことができない資格のこと」を指します。

社会保険労務士は「1号業務」と「2号業務」と呼ばれるものが独占業務となっており、具体的には「各種書類の作成」「提出手続きの代行」「事務代理」などの仕事がこれに該当しています。

ただし例外として、弁護士には広く「法律事務」をおこなう権限が認められているため、上記の「1・2号業務」も問題なくおこなうことが可能です。

人気資格ならではの厳しさも

今後の日本経済に対して不安を感じる人にとって、社会保険労務士のような「国家資格の専門職」は人気の高い職業です。

とくに社会保険労務士は、資格取得後は自らの事務所を独立開業することもできれば、一般企業の総務部や人事部で活躍することも可能な点から、転職を考える年齢層にも人気の資格です。

こうした背景から社会保険労務士は年々増えており、それにともなって資格取得後の競争が厳しくなっています。

競争が厳しくなると、どうしても「実務経験がある人」や「年齢が若い人」が転職市場では有利になりがちです。

総務部や人事部での実務経験がまったくない人が30代後半~40代以降になって初めて社会保険労務士を志す場合、資格取得後の就職活動で苦労するケースも少なくありません。

また、住んでいる地域によっては、社会保険労務士が多すぎて飽和状態に陥っているケースもあるようです。

「何年も勉強してやっと資格を取ったのに就職先がない」という状況を避けるためにも、資格取得後にどのようなキャリアを積んでいきたいのかについて、先の見通しをしっかり立てておくことが大切です。

また、業務の親和性が高い「行政書士」「司法書士」「フィナンシャルプランナー」などの資格を併せて取得することも強みとなります。

司法書士の仕事
行政書士の仕事
ファイナンシャルプランナーの仕事
社会保険労務士になるには

社会保険労務士試験の受験資格

社会保険労務士の国家試験は誰でも受験できるというわけではなく、「学歴」「実務経験」「厚生労働大臣の認めた国家試験合格」のどれか一つの条件を満たす必要があります。

学歴で受験資格を満たす場合には、基本的には「大学・短期大学・高等専門学校」のいずれかを卒業していることが求められます。

なお、受験資格に「年齢」に関する要件はないため、上記の受験資格さえ満たしていれば何歳になってからでも挑戦可能な資格です。

参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト

社会保険労務士試験の難易度・勉強時間

社会保険労務士試験の過去3年間の合格率は「6%台」で推移しています。

この合格率からも、社会保険労務士試験は難易度の高い試験であると考えてよいでしょう。

必要になる勉強時間は、その人がもともと持っている知識や、独学か資格学校に通うのかによっても大きく変わりますが、「合格には1,000時間程度の勉強時間が必要」といわれることが多いようです。

一度目の受験では合格ができず、数年かけて何度も挑戦している人も少なくない試験です。

社会保険労務士試験の合格率

社会保険労務士試験受験者数

社会保険労務士試験の受験者数は、平成23年度より減少傾向にあります。令和2年度試験の受験者数は、34,845人となりました。

社会保険労務士試験受験者数_令2

社会保険労務士試験合格率

社会保険労務士試験の合格率は27年度大幅に下降しましたが、令和2年度試験の合格率は6.4%となりました。

社会保険労務士試験合格率_令2

令和2年度 社会保険労務士試験合格者職業別構成

合格者の職業別内訳は、会社員58.4%、無職13.2%、公務員8.1%、その他7.5%となっています。その他の内訳は、自営業4.8%、団体職員4.0%、役員3.0%、学生1.0%、その他7.5%です。

社会保険労務士試験合格者職業別構成_令2

令和2年度 社会保険労務士試験合格者年齢別構成

令和2年度試験の社会保険労務士試験の合格者の年齢構成は、30歳代、40歳代が最も多く30.1%となっています。次いで、50歳代18.7%となっており、30代、40代が合格者の中心となっています。

社会保険労務士試験合格者年齢別構成_令2

令和2年度 社会保険労務士試験合格者男女別構成

社会保険労務士試験の合格者男女比率は、男性64.0%、女性36.0%となっています。

社会保険労務士試験合格者男女比率_令2

社会保険労務士登録者数

令和2年9月30日時点における、社会保険労務士登録者数は43,168人となっています。

社会保険労務士登録者数_令2

令和3年度 社会保険労務士試験の概要

試験日 令和3年8月22日(日)
申込期間 令和3年4月19日(月)~令和3年5月31日(月)
試験地 北海道、宮城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県
受験資格 次のいずれか1つに該当する方は社会保険労務士試験を受験することができます。

学歴

1.学校教育法(昭和22年法律第26号)による大学、短期大学若しくは高等専門学校(5年制)を卒業した者(専攻の学部学科は問わない)
2.上記の大学(短期大学を除く)において学土の学位を得るのに必要な一般教養科目の学習を終わった者 上記の大学(短期大学を除く)において62単位以上を修得した者(卒業認定単位以外の単位を除く(卒業認定単位は大学へご照会ください)。)
3.旧高等学校令(大正7年勅令第389号)による高等学校高等科、旧大学令(大正7 年勅令第388号)による大学予科又は旧専門学校令(明治36年勅令第61号)による専門学校を卒業し、又は修了した者
4.前記01又は03に掲げる学校等以外で、厚生労働大臣が認めた学校等を卒業し又は所定の課程を修了した者
5.修業年限が2年以上で、かつ、課程の修了に必要な総授業時間数が、1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了した者

実務経験

1.労働社会保険諸法令の規定に基づいて設立された法人の役員(非常勤の者を除く。)又は従業者として同法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
2.国又は地方公共団体の公務員として行政事務に従事した期間及び特定独立行政法人、特定地方独立行政法人又は日本郵政公社の役員又は職員として行政事務に相当する事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
3.社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人又は弁護士若しくは弁護士法人の業務の補助の事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
4.労働組合の役員として労働組合の業務に専ら従事(いわゆる「専従」という。)した期間が通算して3年以上になる者又は会社その他の法人(法人でない社団又は財団を含み、労働組合を除く。以下「法人等」という。)の役員として労務を担当した期間が通算して3年以上になる者
5.労働組合の職員又は法人等若しくは事業を営む個人の従業者として労働社会保険諸法令に関する事務(ただし、このうち特別な判断を要しない単純な事務は除く。)に従事した期間が通算して3年以上になる者

厚生労働大臣が認めた国家試験合格

1.社会保険労務士試験以外の国家試験のうち厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者
2.司法試験予備試験、旧法の規程による司法試験の第一次試験、旧司法試験の第一次試験又は高等試験予備試験に合格した者
3.行政書士となる資格を有する者

試験内容 選択式および択一式の筆記試験
試験科目 ・労働基準法及び労働安全衛生法
・労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
・雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
・労務管理その他の労働に関する一般常識
・社会保険に関する一般常識
・健康保険法
・厚生年金保険法
・国民年金法
合格基準 合格基準点は、選択式試験及び択一式試験のそれぞれの総得点と、それぞれの科目ごとに定めます。各成績のいずれかが合格基準点に達しない場合は不合格となります(合格基準点は、合格発表日に公表されます。)。
合格率 6.4%(令和2年度)
合格発表 令和3年10月29日(金)
受験料 15,000円
詳細情報 社会保険労務士試験公式ホームページ