弁護士の給料・年収

弁護士の平均年収・給料の統計データ

弁護士は、医師パイロットなどと同じく、高収入が得られる職業の代名詞といえますが、実際の収入はかなり個人差が大きくなっています。

イメージ通りに、数千万円もの年収を稼いでいる人がいる一方で、得られた報酬と事務所経費がほぼトントンで、食べていくのもままならないという人もいます。

また、近年は法科大学院(ロースクール)をはじめとする司法制度改革の影響によって、法曹資格取得者が増加傾向にあり、弁護士間の顧客獲得競争がかなり激しくなっています。

このため、全体の収入は下がり気味で、かつてほど稼げなくなっているという声もよく聞かれます。

弁護士の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

弁護士の平均年収_2019

厚生労働省の令和元年度賃金構造基本統計調査によると、弁護士の平均年収は、40.1歳で729万円ほどとなっています。

また、月額給与は約50万円、年間のボーナスは約126万円です。

・平均年齢:40.1歳
・勤続年数:5.5年
・労働時間:160時間/月
・超過労働:1時間/月
・月額給与:502,500円
・年間賞与:1,255,600円
・平均年収:7,285,600円

男女別にみると、ボーナスの支給額に2倍近い開きが生じていますが、これは弁護士の多くが経営者として働くため、雇用者の統計データが少ないことがおもな要因です。

独立開業時と同じく、雇われとして働く場合であっても、男女間の待遇に有利不利はありません。

出典:厚生労働省「令和元年度 賃金構造基本統計調査」

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
弁護士
(転職ステーション)
950万円 -
弁護士
(LEGALNET)
739万円 20代:632万円
30代前半:692万円
30代後半:751万円
40代前半:897万円
45歳以上:1077万円
弁護士
(DODA)
829万円 20代:776万円
30代:752万円
40代:1222万円
50代以上:1246万円
弁護士
(転職会議)
1046万円 20代前半:700万円
20代後半:742万円
30代:1273万円
40代以上:1050万円
弁護士
(Indeed)
766万円 月給32.8万円
時給1,482円
弁護士
(求人ボックス)
552万円 月給46万円

各社の統計データをみると、弁護士の給料は、厚生労働省の統計よりもう少し高く、およそ年収800万円~1000万円前後が実態であると推察されます。

特筆すべきは年齢別の収入であり、一般的な職業とは違って、20代や30代というキャリアの早い段階から、いきなり高収入を得られるケースが多いようです。

弁護士の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

賃金構造基本統計調査をみると、弁護士のボーナスは月給のおよそ2ヵ月分となっています。

一般的な弁護士の年収を900万円とすると、平均月収は約64万円、ボーナスは約128万円という計算になります。

そこから、所得税や住民税、健康保険などの社会保険料を差し引くと、独身者の場合、手取りは月々47万円~48万円、ボーナスは約92万円です。

ボーナスの支給額はそこまで高くない反面、月々の給与がかなり大きく、日々の暮らしを豊かに送ることができるといえます。

ただし、独立開業していると、自身の給料は、弁護士報酬から事務所家賃などの経費を差し引いた金額となりますので、月々の収入はばらつきがちです。

弁護士の初任給はどれくらい?

法務省、最高裁判所、日弁連(日本弁護士連合会)の調査によると、弁護士1年目の平均収入は500万円~550万円前後となっています。

ボーナスを2ヵ月分とした場合、月収に換算すると約35万円~40万円であり、一般的な職業の2倍近い初任給が得られる計算です。

ただし、弁護士として活動するには、日弁連や所属する都道府県の弁護士会に納める会費などが毎月数万円必要であり、所得としてはもう少し下となります。

また、事務所の規模による差もかなり大きく、小規模な個人事務所の場合、初任給が25万円前後で、諸経費を差し引くと一般の大卒者とほぼ変わらないというケースも珍しくないようです。

令和元年 弁護士の年収(規模別)

弁護士の勤務先の事業規模別の年収では、10人〜99人の事業所に勤める弁護士の年収は765万円、100〜999人規模は648万円、1000人以上規模は770万円、10人以上規模平均は729万円となっています。

1000人以上規模に関しては、企業の法務部に勤める弁護士と考えられます。

弁護士の年収(規模別)_r1

※本統計は、調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

弁護士の福利厚生の特徴は?

弁護士は、かなりキャリアの早期のうちに独立開業することが前提となっており、いわゆる「イソ弁」として組織から福利厚生を受けられる期間は限られています。

また、組織に所属はしていても、個人事業主待遇となる「ノキ弁」として独立採算制で働くケースも多く、その場合は労働者としての福利厚生制度は基本的に適用されません。

このため、弁護士は平均年収が高い反面、福利厚生については、新人時代を除くとほぼ無いに等しいといえます。

自営業者として、月々の年金を支払ったり、退職金を積み立てたり、民間の各種保険に加入するなど、個人でさまざまなリスクに備えておく必要があるでしょう。

弁護士の給料・年収の特徴

若いうちに年収がピーク付近まで上昇する

弁護士の年収を経験年数別にみると、およそ10年目くらいまでは、かなりのハイペースで収入が増えていきます。

独立者はもちろん、組織に所属して働く場合であっても、弁護士の収入は手掛けた依頼数との相関性が非常に高いため、仕事に慣れるにつれ、収入も加速度的に伸びていくようです。

このため、弁護士は、キャリアのかなり早期から、年収がピーク近くまで上昇するという点が特徴的です。

会社員などの場合、ベテランとなって管理職に昇進した時点で大きく昇給するケースが一般的ですので、それと比較すると、弁護士の賃金カーブは通常の職業とは大きく異なっているといえます。

弁護士になるには、4年制大学卒業後にロースクールを修了し、さらに司法修習をこなす必要があり、キャリアのスタートは遅くなりがちですが、就職後は一気に巻き返すことが可能です。

生涯年収がきわめて高い

一般的なサラリーマンや公務員とは異なり、弁護士には定年退職制度がありません。

このため、能力と熱意さえあれば、何歳になっても現役で働き続けることが可能であり、70歳を超えて活躍し続けている弁護士も珍しくありません。

実働年数が長いうえ、上述の通り、若いうちから高給が得られることもあって、弁護士の生涯年収は非常に高くなりやすく、約4億円、あるいはそれ以上に達するというデータもあります。

平均的な日本人の生涯年収は約2億円といわれていますので、弁護士は一生でほかの人の2倍も3倍も稼ぐことが可能であり、夢のある職業といえるでしょう。

収入格差が拡がっている

弁護士は、職業全体の平均としては非常に高い給料となっているものの、実際は、弁護士間の収入格差が拡大し続けているのが現状です。

上述したように、近年は新司法試験制度の導入によって新たに弁護士となる人が増えている一方で、訴訟件数などは横ばいで、弁護士への依頼自体は増えていません。

需要が変わらないのに供給量が急増した結果、弁護士業界の競争環境は非常に厳しくなっており、稼げる弁護士と稼げない弁護士の二極化が進展しています。

稼げる弁護士の例としては、業歴が古く、確たる顧客基盤を築いている独立開業者や、大手法律事務所に所属するパートナーなどが代表的で、なかには年収数千万円を得ている人もいます。

反対に、稼げない弁護士としては、法曹資格取得後すぐ独立開業する「即独」と呼ばれる人や、競争力で劣る小規模事務所に所属するノキ弁などがおり、年収200万円に満たないケースもあります。

一概にはいえないものの、弁護士という職業は、かつてのように「資格さえあれば誰でも稼げる」というわけではなくなっているのは間違いありません。

これから弁護士になる人については、司法試験合格を目指すのはもちろん、試験に受かった後のことも、できる限り明確にプランを描いておくことが必要です。

勤務先別に見る給料・年収

大手法律事務所で働く弁護士の給料

大手法律事務所としては、西村あさひ、アンダーソン・毛利・友常、森・濱田松本、TMI総合、長島・大野・常松の5大事務所が挙げられます。

5大法律事務所は非常に高給として知られており、初任給の時点で年収1000万円以上を得ることが可能です。

その後も実力に応じて年収が増えていき、「アソシエイト」と呼ばれる一般層で年収5000万円、経営層となる「パートナー」では年収1億円に達する人もいるようです。

ほかの職業とは比べものにならないほどの超高給といえますが、結果が出なければ数年でクビを言い渡されることもあり、雇用は決して安定的ではありません。

中小法律事務所で働く弁護士の給料

中小の法律事務所で働く弁護士の給料は、およそ500万円~1500万円前後と、かなり幅があります。

ある程度のキャリアを積んだ後は独立採算制になるケースが大半ですので、実力による差が大きいといえます。

なお、近年は新人弁護士が供給過剰で、就職難となっている環境もあって、なかには年収300万円で雇おうとする事務所も見られます。

インハウスローヤーとして働く弁護士の給料

一般企業の法務部などに所属し、弁護士資格を生かしながらサラリーマンとして働く人をインハウスローヤー(インハウスロイヤー)と呼びます。

日本組織内弁護士協会の調査によれば、インハウスローヤーの年収は500万円~750万円が最もボリュームゾーンとなっています。

大金を得られるわけではありませんが、収入は非常に安定的であり、また福利厚生面も充実している点が大きな魅力です。

また、平社員ではなく、顧問や役員として迎えられるケースもあり、その場合は年収1000万円以上となることも多いようです。

弁護士が収入を上げるためには?

弁護士として高収入を得られるかどうかは、一にも二にも、個人事業主または企業経営者としての手腕にかかっています。

弁護士としてのスキルを高める努力はもちろん、顧客獲得のための営業活動や広告活動、人脈づくりなども、積極的に行っていく必要があるでしょう。

また、これから需要の見込めそうな分野に注力するなど、時代の変化を見据え、どのような経営戦略を取っていくかということも非常に大切です。

あるいは、体力に自信があるなら、単純に労働時間を増やすことで収入を上げることもできるかもしれません。

さらに、収入としては同じでも、事務所運営を効率化して人件費や家賃などの経費を減らすことで、手元に残るお金を増やすという方法も考えられます。

収入を増やす方法自体は無数にありますので、自身にあったスタイルを模索していくことが重要となるでしょう。