女性の弁護士のキャリアパス・結婚後の生活

女性の弁護士の現状

日本弁護士連合会の統計によれば、弁護士の女性割合は一貫して増加し続けています。

今世紀に入ってからの伸びはとくに顕著で、2001年に2ケタとなる10%を超えた後、現在では20%近くにまで上昇しています。

世代別にみても、若い層ほど女性弁護士割合が高く、直近の司法試験受験者は30%ほどが女性となっていますので、今後さらに女性弁護士の増加スピードは加速していく見通しです。

また、実務面についても、弁護士に求められるのは法律知識やコミュニケーションスキルなどであり、業務における男女間の有利不利はほぼありません。

女性弁護士のなかには、数多くのスタッフを雇って手広く事業展開している人や、5大法律事務所に勤めて企業法務の第一線で働いている人も数多くいます。

弁護士は、性別も年齢もキャリアも関係なく、純粋に実力だけがものをいう世界ですので、女性であっても男性とまったく同等に活躍できるチャンスがあるといえるでしょう。

参考:弁護士白書2018 弁護士人口

女性の弁護士の強み・弱み

弁護士が受け付ける相談事の多くは、依頼者の個人的事情に大きく関わっていますので、その内容によっては、女性弁護士のほうが男性弁護士より引き受けやすいという案件もあります。

具体的な分野としては、離婚、親権、DV、セクハラ、マタハラ、性暴力などが挙げられ、女性の代表弁護士がそれらを専門的に取り扱う法律事務所を経営しているケースも多く見受けられます。

反対に、女性弁護士の弱みとしては、男性と比べて体力面での無理が効きにくいという点があります。

弁護士は、依頼者との面談や書類作成、相手方との交渉など、多岐にわたる業務を基本的に単独でこなさなければならないうえ、移動時間などもあり、長時間労働が常態化しやすい職業です。

ときには徹夜で働いたり、休日出勤が続いたりすることもありますので、タフな人でないと、体がもたないかもしれません。

結婚後の働き方

一般的な会社員などであれば、結婚を機に退職するというケースはそれほど珍しくないかもしれません。

しかし、弁護士の場合、資格を取得するまでに多大な時間と努力を費やしたぶん、結婚したからといって辞める人はあまりいないようです。

ただ、弁護士の仕事はハードワークであり、どうしても帰宅時間は遅くなりがちで、自宅に仕事を持ち帰ることもありますので、配偶者の理解や家事への協力はある程度必要になるでしょう。

人によっては、家庭生活との両立を図るために、手掛ける業務量を減らしたり、相対的に残業量の少ない法律事務所に移籍することもあるようです。

なお、弁護士は資格を取る前も、取った後も、人間関係は法曹界が中心となりますので、自然と結婚相手も法曹関係者になりやすい傾向にあります。

弁護士は子育てしながら働ける?

弁護士として仕事を続けながら出産・育児ができるかどうかは、周囲の環境次第です。

職場については、中規模以上の事務所で、出産休暇や育児休暇の制度が整っていることが条件であり、近所に遅くまで預かってくれる保育所があることや、配偶者や実家の両親からのサポートも必要です。

もしも弁護士が2人~3人程度しか在籍していない小規模の法律事務所に勤めている場合、1人が産休や育休で抜けてしまうと仕事がまわらなくなりますので、働きながら仕事を続けることは難しいでしょう。

そうした場合、大手事務所へ移籍するという方法もありますが、育児中は休業することが現実的な選択肢となります。

弁護士会へ登録していると月額5万円前後の登録料がかかりますので、休業中は登録を抹消し、復帰する時点で再登録するケースが一般的です。

ただ、たとえキャリアを中断することを余儀なくされても、弁護士資格さえあれば、一般的な会社員などよりもはるかに復職しやすいでしょう。

弁護士は女性が一生働ける仕事?

弁護士の仕事がハードなのは事実ですが、サラリーマンと違って転勤がなく、勤務時間も比較的融通が利きますし、また資格があることで、転職や再就職がしやすいというメリットもあります。

あるいは、弁護士資格を生かして独立開業し、自分の事務所を持つことも選択できます。

結婚や出産、育児など、ライフイベントの多い女性にとって、生活事情に合わせてワークスタイルを柔軟に変えられる弁護士は、労働時間の長さを差し引いても、家庭と両立させやすい職業といえるでしょう。

弁護士というと、プライベートも顧みず、一心不乱に仕事だけに打ち込む「バリキャリ」のイメージが強いかもしれません。

しかし、たとえば激務として知られる5大法律事務所のパートナー(経営層)のなかにも、子持ちの女性弁護士は数多くいます。

限られた時間を上手にマネジメントするという、弁護士としてのスキルを生かすことで、仕事も家庭も充実させることは十分に可能であるようです。

(参考:https://toyokeizai.net/articles/-/83180)