弁護士になるには・必要な資格

弁護士になるには

司法試験を受けるまで

弁護士になるには、きわめて難関として知られている司法試験に合格することが必要ですが、試験を受ける前にまず、試験の受験資格を得なければなりません。

受験資格を得る方法は2種類あり、ひとつめは法科大学院(ロースクール)課程を修了こと、ふたつめは司法試験予備試験に合格することです。

一般的なのは法科大学院に進学する道ですが、法科大学院入試に合格することは容易ではなく、大学入試と同じように浪人して何度も受験するケースも珍しくありません。

法科大学院での学習期間は、法学部卒業生は「既修者コース」2年間、それ以外の学部生は「未修者コース」3年間です。

また、法科大学院進学者よりかなり少ないものの、近年は司法試験予備試験を受ける人も増えつつあります。

予備試験は短答式、論文式、口述式の3段階で実施され、受験資格がなく誰でも受けられることが特徴です。

このため、大学在学中や法科大学院在学中に予備試験を受け、資格取得にかかる時間の短縮を図る人も一定数います。

なお、上記いずれかの方法で受験資格を得ても、司法試験を受けられるのは資格を得てから5年間に限られるうえ、受験回数も3回までであるという点には注意する必要があります。

司法試験合格後

司法試験に合格しても、すぐに弁護士として働けるわけではありません。

弁護士会に資格を登録して業務を請け負えるようになるためには、1年間にわたって司法修習を受け、最後に実施される「考試」に合格することが必要です。

この司法修習生としての期間はいわば実務を覚えるための「見習い」であり、給料などの待遇面はさほど期待できないでしょう。

また、考試はかなり入念に対策しないと合格できない難関であり、別名「2回試験」とも呼ばれています。

考試を無事にパスできたら、法律事務所や企業に就職したり、自分の事務所を開業して、弁護士としてのキャリアをスタートさせることができます。

弁護士の資格・難易度

弁護士資格を得るためには、法科大学院ルートの場合、大学入試、法科大学院入試、司法試験、考試(2回試験)と、いくつもの難関をくぐり抜けなければなりません。

予備試験ルートの場合、試験自体は1回ですむものの、合格率は3%前後というきわめて狭き門です。

さらに、最大の関門である司法試験は、数年にわたって法律の勉強だけを専業で行ってきた法科大学院卒業生、予備試験を突破できる学力を備えた人であっても、4人のうち3人は不合格となる難易度です。

また、上述したように、司法試験には受験回数に制限がありますので、法科大学院を修了、あるいは予備試験に合格しても、期限内に合格できなければ、また受験資格を得るところからやり直しです。

弁護士は、公認会計士・不動産鑑定士と併せて文系3大国家資格に位置付けられており、資格取得に至るまでには険しい道のりをたどらなくてはなりません。

司法試験の難易度・合格率

弁護士になるための学校の種類

弁護士になるための学校は、法科大学院ルートと予備試験ルート、どちらを選択するかで大きく異なります。

法科大学院ルートの場合は、まず4年制大学に進学し、卒業後に法科大学院に進んで、専門的に法律について学びます。

法科大学院には未修者コースもありますので、大学時点での学部選択は必ずしも法学部でなくても構いませんが、未修者のほうが既修者より1年間余分に時間がかかる点はネックです。

予備試験ルートの場合、学歴などの受験資格はありませんので、前者とは違って学校に通うことは必須ではなく、独学も含めて、さまざまな選択肢が考えられます。

ただ、予備試験の難易度を勘案すれば、大学などの教育機関や民間の資格学校・予備校など、いずれかの学校に通うことが望ましいのは間違いないでしょう。

弁護士になるにはどんな学校に行けばいい?(大学・大学院・予備校)

弁護士に向いている人

弁護士になるためには、法科大学院入試や予備試験、司法試験本番、司法修習後の2回試験と、いくつもの難関をくぐり抜けるために、長年にわたってコツコツと勉強に取り組み続けなくてはなりません。

従って、弁護士になるためには、まじめで、根性があり、忍耐強い性格であることが前提条件です。

また、弁護士になった後には、依頼者から事実関係を聴取する際、相手方と交渉する際、法廷で弁論を述べる際など、高いレベルのコミュニケーション能力が求められます。

相手の話を聞く力、相手に自分の意向を伝える力、その双方に秀でている人は、弁護士に向いているでしょう。

弁護士に向いている人・適性・必要なスキル

弁護士のキャリアプラン・キャリアパス

弁護士資格を取得した人の多くは、法律事務所に就職してキャリアをスタートさせます。

ただ、近年は司法試験合格者が増加していることもあって、法律事務所に就職できない人も少なくなく、一般企業に勤めたり、いきなり独立開業する人もいます。

法律事務所に勤め始めた頃は、サラリーマンのように事務所の代表者から月々決まった給料をもらう「イソ弁(居候弁護士)」というスタイルで働き、実務を身につけます。

しかし、勤めだして数年が経つと、自身の手掛けた案件に応じて変動制で給料を受け取る「ノキ弁(軒先だけ借りている弁護士)」というスタイルになり、基本的に独立採算制となります。

ノキ弁として勤めてさらに数年が経つと、完全に独立して自分の事務所を立ち上げるか、あるいは企業などに就職し、元いた事務所からは離れるケースが一般的です。

ちなみに、イソ弁やノキ弁に対し、法律事務所経営者は「ボス弁」と呼ばれ、ボス弁は弁護士としてのキャリアの到達点のひとつです。

弁護士を目指せる年齢は?

一般的な職業の未経験求人は、おおむね30歳~35歳がひとつの上限とされています。

しかし、弁護士の場合、30歳前後で働き始める人も多いため、30代はまだまだ若手という扱いです。

従って、30代のうちに司法試験に合格できれば、十分に活躍できる余地があるでしょう。

問題なのはむしろ、何年勉強すれば司法試験に合格できるかということであり、受験資格を得るまでの期間も含めれば、どんなに早くても3年~5年、もしかしたら10年以上かかるかもしれません。

何歳から勉強をスタートさせれば間に合うのかは、自身の能力や法律知識の有無、あるいは勉強だけに集中できる環境をつくれるかどうかによって、大きく左右されるといえます。

一概にはいえませんが、まったく法律知識ゼロから弁護士を目指すなら、できれば20代のうちに、遅くとも30歳までには、勉強をスタートさせることが望ましいでしょう。

弁護士は高卒から目指せる?

司法試験予備試験には学歴などの受験資格がなく、高卒であっても試験を受けることが可能です。

従って、予備試験に合格して司法試験の受験資格を得て、司法試験本番に合格すれば、高卒でも弁護士になることができます。

また、法科大学院によっては、大卒の学歴がなくても、これまでの経歴や保有資格次第で入学を認めるというケースもあり、高卒者であっても大学院に進学できる可能性は残されています。

膨大な努力が求められることは間違いありませんが、高卒から弁護士を目指すことも十分に可能です。

弁護士に関するデータ

弁護士数の推移

弁護士数は近年急速に増加しています。平成27年時点で弁護士の資格を有する人数は36,415人となりました。
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弁護士女性比率の推移

弁護士の女性比率は、かつては1%にも満たないほどでしたが年々女性の弁護士が増加傾向にあります。平成27年時点では18.2%となっています。
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弁護士の年齢別人数

年齢別の弁護士数は、30代が最も多く、10404人となっています。※2012年データ
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弁護士の年齢別男女比率

年齢別の男女比率は、年齢が若くなるほど女性の比率が上がっています。20~29歳の弁護士の男女比率は、男性73.1%、女性26.9%になっています。※2012年データ
弁護士数の年齢別男女比率_24