弁護士のつらいこと・大変なこと・苦労

弁護士のつらいこと・大変なこと

仕事量が多い

弁護士のつらいこととしては、業務量自体が非常に多いということが第一に挙げられます。

裁判の代理人業務を例に取ると、まず依頼人から事情を聴取し、その裏付けを取り、周辺状況を調査して有利な証拠を集め、判例を収集して、弁護方針や法廷における答弁内容などをまとめなければなりません。

ひとつの事件だけでも作業量は相当なボリュームになりますが、一般的に弁護士はそうした案件を一人で数十件抱え込み、同時並行で仕事をこなしています。

よほど大きい事件でもない限り、弁護士は各案件を単独で受け持ちますので、基本的に同僚に頼ることもできず、自分の仕事は責任をもって自分一人で完了させなければなりません。

そうすると、どうしても勤務時間は長引きがちになり、人によっては毎日深夜まで働いたり、休日返上で働かないと仕事がまわらないというケースもあります。

自分にしかできない仕事というのは、それだけ大きなやりがいがある反面、肉体的・精神的負担も重くなるといえるでしょう。

ストレスが多い

仕事量もさることながら、弁護士はストレスも多い職業です。

弁護士はそもそも他人のトラブルを引き受けることが生業(なりわい)であり、弁護士のところを訪れる依頼人は、借金や離婚、相続、交通事故など、自分では解決できないレベルの問題を抱えています。

そうした難問を解決に導くことが弁護士の役割である以上、仕事から受けるストレスが重いことは致し方ないといえます。

裁判ともなれば、「果たしてあの事件は勝てるのか」という強いプレッシャーに苛まれることも珍しくないようです。

また、全員がそうというわけではありませんが、法的トラブルに関わるような人のなかには、一癖も二癖もある人もおり、自分の主義主張に絶対の自信をもっていたり、度の超えた要求をしてくる人もいます。

弁護士が、そうしたクライアントなどの人間関係から受けるストレスも、決して軽くはありません。

弁護士の悩み

多くの弁護士に共通する悩みとして、「思っていたほど儲からない」というものがあります。

近年の日本では、政府主導の下で法律家の大幅増員が進められ、ロースクール制度が確立しました。

政府の計画通り、司法試験の合格者が増え、それにつれて弁護士数も増え続けていますが、その一方で、訴訟件数は減少傾向にあります。

訴訟が減っている理由は、人口自体が減少しているという理由もありますが、金銭的な負担をデメリットに感じて、自分自身で問題を解決するという人が増えていることも一因として挙げられます。

たとえば離婚問題で揉めた場合、弁護士を雇って訴訟に持ち込めば早期に決着がつく可能性は高まりますが、弁護士を雇うには数十万円の費用が必要であり、経済的に損か得かは判断の分かれるところです。

こうした環境下、弁護士間の顧客獲得競争が激しくなっており、少ない仕事を大勢で取り合うようになった結果、弁護士の平均年収はここ10年で約半分ほどに落ち込んでしまっています。

弁護士になった人は、もちろん社会正義のためという大義名分があるとはいえ、高収入を期待して苦しい司法試験の勉強を歯を食いしばって頑張ったという人も少なくありません。

豊かな暮らしを思い描いていた弁護士が、理想と現実とのギャップに思い悩むケースも珍しくないようです。

弁護士を辞める理由で多いものは?

弁護士を辞める理由としては、独立開業したものの、経営がうまくいかず廃業に追い込まれるというケースが多いようです。

弁護士のなかには、最初から独立開業を目指している人も少なくなく、実務経験1年~2年ほどで早期に独立する人や、司法修習終了後すぐに独立する「即独」と呼ばれる人も一定数います。

しかし、弁護士は個人の実力がものをいう厳しい世界であり、ろくに経験もないまま裁判で勝てるほど甘くはありません。

とくに近年は、上述のとおり弁護士が急増し、就職難に陥った結果、若い弁護士が独立するケースが増えていますが、数年ももたず廃業となるところが目立ちます。

請求退会者、つまり弁護士を自主廃業する人の統計をみても、司法制度改革前は年間50人に満たなかったものが、近年では年間400人ほどに膨れ上がっています。

廃業する弁護士の多さは、そのまま弁護士の供給過剰と、厳しい業界環境を示唆しているといえるでしょう。