【2023年版】司法試験の難易度・合格率は? 法科大学院と予備試験のルートを比較

司法試験は、裁判官」「検察官」「弁護士」を目指す人が受験する国家試験で、日本の最難関試験の一つと言われています。

司法試験自体の合格率は20~40%前後を推移していますが、受験資格を得るまでのハードルが非常に高く、合格までのは相当量の勉強時間が必要です。

なお、司法試験の受験資格を得るためのルートは大きく分けて2種類あり、自分に合うルートをよく考えて選択する必要があります。

この記事では、司法試験を目指すルートや試験の内容、難易度・合格率、勉強方法などについて詳しく解説しています。

この記事のポイント

・司法試験を目指す人は「予備試験ルート」と「法科大学院ルート」のどちらかを選択
・合格率は20~40%、6000時間程度の勉強時間が必要な最難関試験
・試験対策のためにスクール・予備校や通信講座を利用して学ぶ人が多い

司法試験とは

司法試験とはどんな試験?

司法試験とは、「法曹三者」と呼ばれる、「裁判官」「検察官」「弁護士」になるための国家試験です。

法曹三者になるために必要な知識・能力を有していることを判定します。

試験の難易度は非常に高く、数ある国家試験の中でも最難関試験の一つといわれており、勉強を始めてから合格までに5年~10年ほどかかる人もいます。

また、司法試験を受験するためには法科大学院修了程度の知識があることが求められるため、まず受験資格を得ること自体が難しい試験でもあります。

司法試験に合格するメリットは?

司法試験に合格すれば、法曹三者である「裁判官」「検察官」「弁護士」を目指すことができます。

これらの職業はいずれも専門性が高く、長年にわたって努力を重ねてきた「選ばれた人」だけが就ける職業ともいえます。

社会的な信頼度は非常に高く、専門性を磨きながらどんどんキャリアアップし、高収入を実現することが可能です。

また、司法試験合格者は法律に関連する職業以外に就くこともできます。

たとえば、司法試験に合格して一定の条件を満たせば、「税理士」や「弁理士」など他の国家資格を無試験で、あるいは一部科目免除で取得を目指すことが可能です。

そのほか、身につけた専門的な知識を生かし「政治家」や「学者」などの道へ進む人もいます。

多様なキャリアパスの可能性が広がっていくことは、司法試験に合格する大きなメリットといえるでしょう。

司法試験の出題内容・形式

司法試験は「短答式試験」と「論文式試験」の2つで構成され、どちらも筆記形式で行われます。

短答式試験と論文式試験は同時期(例年、5月中旬の4日間)に実施され、受験者全員が両方の試験を受けて合否が決定されます。

試験範囲と合格基準点は以下の通りです。

短答式試験

憲法、民法、刑法の3科目

<合格基準点>
満点の40%点(憲法20点、民法30点、刑法20点)以上の成績を得た者のうち、各科目の合計得点が99点以上の成績を得た者

論文式試験

・法律基本科目3科目
公法系科目(憲法、行政法)
民事系科目(民法、商法、民事訴訟法)
刑事系科目(刑法、刑事訴訟法)

・選択科目(労働法、倒産法、経済法、知的財産法、租税法、環境法、国際関係法(公法系)、国際関係法(私法系))の中から1科目を選択

<合格基準点>
素点の25%点(公法系科目・刑事系科目50点、民事系科目75点、選択科目25点)以上の成績を得た者のうち、短答式試験の得点と論文式試験の得点による総合評価の総合点755点以上の者

※短答式試験・論文式試験において最低ラインに達していない科目が1科目でもあると、それだけで不合格となります。

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司法試験の受験資格は?

司法試験の受験資格を得るには、以下の図の通り2つのルートがあります。

司法試験 受験資格 図 ルート 予備試験 法科大学院

このように、司法試験の受験資格を得るためには、「司法試験予備試験に合格する」もしくは「法科大学院課程を修了する」のいずれかが必要です。

この章では、それぞれのルートについて解説します。

司法試験の受験資格を得る方法①予備試験に合格する

予備試験に合格すると、司法試験の受験資格を得ることができます。

予備試験は、法科大学院修了者と同程度の知識があるかどうかを判定するための試験です。

学歴などの受験資格はとくに設けられておらず、過去には18歳の史上最年少合格者がいますし、50代や60代以上で受験することも可能です。

法科大学院に通う時間や経済的余裕のない人も、法曹への道を目指すことができます。

ただし、予備試験の難易度は非常に高く、例年の合格率は4%程度で推移しています。

司法試験の受験資格を得る方法②法科大学院課程を修了する

法科大学院課程を修了すれば、自動的に司法試験の受験資格が得られます。

法科大学院とは、法曹養成に特化した教育を行う教育機関で、理論だけではなく、実務でも役立つ実践的なスキルをあわせて身につける場となっています。

なお、法科大学院に入学するためには、法科大学院の入試に合格する必要があります。

法科大学院には2つのコースがあります。

【法科大学院のコース】

  • 既修者コース法学部出身者などを対象。在学期間は2年
  • 未修者コース:法学部出身者以外を対象。在学期間は3年(法学部出身者が通うことも可)

法科大学院を修了すれば司法試験の受験資格が得られますが、司法試験を受けることができるのは受験資格を得てから5年間のうちに最大3回までとなっています。

もしもその間に司法試験に合格できなければ、再び受験資格を得るところからやり直しとなります。

東京大学、京都大学、一橋大学など、司法試験合格実績の豊富な法科大学院ほど人気が高く、そのぶん倍率が高くなる傾向にあります。

「予備試験」と「法科大学院」はどちらのルートを目指すべき?

予備試験と法科大学院のメリット・デメリット

司法試験を受けるためには、先にも述べた通り、法科大学院を修了する、もしくは予備試験に合格することが必須条件です。

どちらを選ぶにしてもメリット・デメリットや、それぞれの難しさがありますが、ここではルート選択のための参考情報をお伝えします。

予備試験のメリット

・受験資格がなく、幅広い年齢・属性の人が受験できる
・法科大学院ルートよりも費用を抑えることができる
・法科大学院ルートよりも早く司法試験合格を目指すことができる

予備試験のデメリット

・難易度が高く、合格できるとは限らない(法科大学院ルート以上に時間がかかる人も)
・基本的に独学となるが、予備校に通って対策をする人が多い(その分のお金がかかる)

法科大学院のメリット

・確実に司法試験の受験資格が得られる
・同じ目標を持つ仲間と共に学び、成長できる
・教員との距離が近く、人脈を広げるチャンスがある

法科大学院のデメリット

・時間とお金がかかる(最低で2~3年、200~300万円程度は必要)
・募集停止をする大学院が増え、選択肢が減っている
・予備試験ルートに比べて司法試験の合格率は低め

司法試験受験資格を得るまでに必要な勉強時間の比較

司法試験の受験資格を得るまでにかかる時間は、法科大学院ルートの方が長くなる場合が多いです。

【司法試験受験資格を得るまでに必要な勉強時間】

  • 法科大学院ルート:既修者コース6年(大学4年+法科大学院2年)
  • 予備試験ルート:最短で2年程度(個人差あり)

法科大学院ルート

法科大学院の「既修者コース(2年)」へ進学する場合、入試の難易度は大学によって大きく幅がありますが、必要な勉強時間の目安は最低2,000時間とされています。

また、大学で法学部以外だった人は、法科大学院の「未修者コース」に3年通うのが一般的です。

すると、大学時代を含めて司法試験の受験資格を得るまでには最短で7年かかることになります。

予備試験ルート

予備試験合格までに必要な勉強時間は3,000時間~8,000時間ほどと言われています。

ただ、もともと持っている法律知識量や勉強の得意不得意、予備校利用の有無などの事情で個人差が出やすく、2,000時間ほどで合格できる人もいれば、10,000時間以上かかる人もいます。

予備試験ルートは短期間で合格できる人もいる一方、法科大学院ルート以上に時間がかかる可能性もあることは、念頭に置いておきましょう。

経済的・時間的負担の比較

一般的に、法科大学院への進学にかかる学費は高額で、修了までに最低6年かかります。

予備試験は、合格までに要する年数によって経済的・時間的負担が大きく異なります。

【法科大学院と予備試験の経済的・時間的負担】

  • 法科大学院:学費は総額で300万~500万円、修了まで最低6年
  • 予備試験:スクールの受講料など50万円~150万円、合格までは2年~

法科大学院は高額な費用がかかりますが、「奨学金制度」を設けているところも多いです。

予備試験に短期間で合格できれば経済的・時間的には有利ですが、合格までにかかる期間には個人差があるため、一概にどちらが良いとは言えません。

また、法科大学院に通いながら予備試験を受ける人もいます。

法科大学院・予備試験それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握して、自分に合うルートを選んでください。

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司法試験の難易度は高い?

司法試験の難易度・合格率

司法試験の合格率は20~40%、ただし予備試験と法科大学院で大きな差が

司法試験は最難関レベルの国家試験ですが、合格率は20~40%程度となっており、この数字だけを見るとそこまで大変そうに感じないかもしれません。

しかし、司法試験は、そもそも法科大学院で数年間法律について専門的に学んできた人、または難関の予備試験に合格している人しか受けることができない試験です。

司法試験までにも何千時間という勉強を重ねてきた人が受験していることを考えると、非常に難しい試験であることがおわかりいただけるのではないでしょうか。

また、法科大学院修了者と予備試験合格者では、司法試験の合格率に大きな差があることも特筆すべき点です。

実例を挙げると、令和4年度の司法試験合格者の合格率は、法科大学院修了者37.7%予備試験合格者97.5%となっています。

その他の年度も、予備試験合格者の司法試験合格率は90%程度を推移しているのに対し、法科大学院修了者はその20~30%程度低くなっています。

また、法科大学院修了者の合格率は大学院によっても差があり、中には10%以下というところもあるため、進学を検討している人は進学先を慎重に選ぶ必要があるでしょう。

司法試験の難易度が高い理由は?

司法試験が難しいと言われる理由は、以下のようなことが挙げられます。

  • 受験資格を得るまでのハードルが高い
  • 膨大な勉強時間が必要
  • 試験科目数が多く勉強すべき範囲が広い
  • 論文式試験対策に苦労する人が多い

司法試験合格のためには、まず法律基本7科目と呼ばれる「憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法」の内容を深く頭に入れていかなくてはなりません。

試験範囲を暗記するだけでも大変な作業ですが、試験は単なる丸暗記だけで太刀打ちできるような内容ではなく、覚えた法律知識を駆使して事案を分析したり、答案を作成したりする応用力も必要とされます。

さらに、論文式試験では、問題文の趣旨や論点を汲み取って、真っ白な答案に自ら文章を作成していかなくてはなりません。

こうした試験内容に対応できるようになるためには、平均でも6000時間程度、人によっては10000時間を超えるほどの勉強時間が必要といわれています。

モチベーションを保つことができず、勉強途中で挫折してしまう人が一定数いるのも事実です。

司法試験の勉強時間・勉強方法

司法試験の勉強方法

司法試験の勉強方法の種類

資格スクール・予備校に通う

司法試験は難関であること、また知名度が高いこともあって、多くの資格スクール・予備校が司法試験対策講座を提供しています。

スクール・予備校に通学することは必須ではありませんが、講師のわかりやすい指導を受けながら、計画的に勉強を進められることは、通学する大きなメリットです。

司法試験の対策講座は、大きく分けて「予備試験対策」「法科大学院入試対策」「司法試験対策」の3種類が存在します。

予備試験ルートを選ぶ人は、まず予備試験合格に向けてスクール・予備校に通うことが多いです。

見事、予備試験に合格できた場合にはその時点で相当な知識量が身についていますが、今度は司法試験に向けて、引き続きスクール・予備校で学んで確実に対策する人も少なくないようです。

一方、法科大学院ルートを選ぶ人は、法科大学院入試の準備段階で予備校に通い始め、その後も司法試験合格に向けて継続的に予備校で学ぶといった例があります。

司法試験の老舗スクール・予備校としては「伊藤塾」が有名で、司法試験の合格実績もダントツです。

その他、大手の「TAC」や「LEC」も歴史があり、法律基本7科目の基礎固めから論文の対策まで総合的に対対策し、合格を目指すことができるコースが用意されています。

通信講座

司法試験対策関連の通信講座も多数提供されています。

有名な講座の一例として、通学講座も開講している「伊藤塾」「LEC」「TAC」があります。

自分のペースで自宅学習ができるのが通信講座の魅力ですが、一部のスクール・予備校では通信と通学を組み合わせたり、校舎の自習室を利用できたりもします。

上記のほか、「アガルート」「スタディング」「資格スクエア」などの通信講座も、よく知られています。

大手に比べて知名度が低めの講座の中には、10万円台など圧倒的な低価格で学べるものもあります。

ただし、低価格の講座は、そのぶんサポートが手厚くなかったり合格実績が少なかったりすることが多いです。

通信講座は、学費、カリキュラム、教材、サポート制度、合格実績などを総合的に比較して、自身の希望や目的に合うものを選びましょう。

独学

司法試験の合格を目指して独学をする人もいます。

ただし、一度もスクール・予備校や通信講座を利用せずに、完全な独学で合格している人は決して多くないようです。

司法試験対策の講座の中には、短答対策、論文対策それぞれだけの講座や、ポイントを絞った講義を実施する単科講座もあります。

司法試験は非常に難しいものですが、総合的な講座を受ける必要はないと考えている人や、できる限り費用をかけずに合格したい人は、自分の苦手箇所や重点的に対策したい箇所のみ講座を利用する方法を検討してもよいでしょう。

司法試験の勉強時間は約6000時間・勉強期間は4年程度

司法試験合格のために必要な勉強時間は各人の能力や環境による差が大きいですが、平均6000時間程度は必要と考えられています。

法科大学院ルートを選ぶ場合

法科大学院既修者コースに進んだ人の例を見てみましょう。

大学院での勉強に加えて、授業後に4~5時間ほど、土日は1日10時間ほど勉強すれば、大学院課程終了後の一発合格も不可能ではないと言われています。

在学中の勉強時間は2年間で約6,000時間ほどにはなるでしょう。

法科大学院未修者コースの場合、一般的には知識ゼロの状態から既修者と同レベルにまで達しなければならず、8000~10,000時間ほどかかることがあります。

仮に未修者コース3年間を修了した後の一発合格を目指すなら、1日10時間ほど毎日勉強し続けても足りないかもしれません。

予備試験ルートを選ぶ場合

一方、予備試験ルートを選ぶ場合、予備試験対策がそのまま司法試験対策に直結しているため、予備試験合格後は比較的スムーズに勉強が進む人もいます。

とはいえ、予備試験自体の難易度が非常に高く、やはり6000時間程度はかかるとみておく必要があるでしょう。

勉強期間は4年ほどが標準的ですが、各人の進路やライフスタイルによって、それ以上かかるケースもあります。

なお、司法試験の合格率は、どの法科大学院出身者よりも予備試験合格者が最も高くなっており、近年では予備試験を受験する人が増加傾向にあります。

司法試験合格は独学で可能?

司法試験は、独学で合格を目指すことも物理的には不可能ではありません。

予備試験ルートを選べば、年齢や学歴などは関係なく誰でも予備試験を受験し、予備試験に合格することで司法試験の受験資格を得ることができるからです。

とはいえ、完全に独学のみで予備試験・司法試験に合格するのは、極めて難しいと考えておいた方がよいでしょう。

予備試験・司法試験の学習範囲には法律の専門用語が多々登場し、言葉の正確な意味を理解するだけでも大変です。

また、単なる丸暗記だけで太刀打ちできる問題ではなく、習得した知識を、問題解決のためにしっかりと使いこなすための訓練もしなくてはなりません。

さらに、司法試験では論文を書くことも求められますが、はっきりとした正解がない論文は、とくに独学での対策がしにくいものです。

こういった理由から、多くの受験者が資格スクール・予備校への通学や、通信講座を利用して合格を目指しています。

基本的には独学で進めている人も、一部の科目やポイントだけスクールや通信講座を使って学んでいくケースが多いようです。

司法試験の合格実績

司法試験の合格率は、予備試験合格者が最も高い傾向が続いています。

令和4年度の司法試験合格率は、法科大学院修了者37.7%、予備試験合格者97.5%となっています。

【令和4年度司法試験合格率上位】

合格率
予備試験合格者 97.5%
京都大法科大学院 68.0%
東京大法科大学院 60.9%
一橋大法科大学院 60.0%
慶応義塾大法科大学院 57.5%
法科大学院修了者全体 37.7%

予備試験を受けた人の合格率が高いのは、その試験自体の難易度が高く、それに合格した時点で司法試験に合格できる知識と能力が身についているためだと考えられています。

【最新】令和4年度司法試験の受験者数・合格率推移

この章では、最新の司法試験に関するデータの推移を紹介します。

司法試験受験者数

司法試験の受験者数は平成23度をピークに減少の傾向にあり、令和4年度の受験者数は3,082人となりました。

司法試験受験者数_令4

司法試験合格率

新司法試験開始から合格率は下降の傾向にありましたが、令和4年度試験の合格率は直近10年で最も高い45.5%となりました。

司法試験合格率_令4

令和4年度 司法試験合格者男女比率

令和4年度の司法試験合格者の男女比率は、男性72.3%、女性27.7%となっています。

司法試験合格者男女比率_令4

令和4年度 司法試験合格者受験回数

令和4年度の司法試験合格者の受験回数は、1回目が68.6%、2回目が11.8%、3回目が5.8%となっています。

司法試験合格者受験回数の割合_令4

令和4年度 司法試験 合格者の既修・未修別

令和4年度試験合格者の既修・未修別の人数は、既修者法学部が61.6%、既修者非法学部が4.9%、未修者法学部が12.3%、未修者非法学部が6.1%となっています。

司法試験合格者既修・未修の割合_令4

弁護士資格を得るには?司法試験合格後にも試験あり

弁護士は、裁判官、検察官と併せて「法曹三者」と呼ばれ、法律系国家資格のなかでも最高峰に位置する資格です。

弁護士資格を取得するためには、まず司法試験の受験資格を満たし、試験を受けて合格する必要があります。

さらに、1年間の司法修習を修了して、その後に実施される考試、通称「2回試験」にも合格しなければなりません。

また、実際に弁護士として業務を行うためには、日本弁護士会に資格を登録し、入会金や登録料、年会費などを支払うことも必要です。

近年は司法制度改革によって司法試験合格者が増加しており、弁護士資格保有者は全国で約4万人ほどにのぼっています。

弁護士になるには

令和5年度 司法試験の概要

試験日 令和5年7月12日(水)、13日(木)、15日(土)、16日(日)
試験地 札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市、那覇市又はその周辺
受験資格 1. 法科大学院(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十九条第二項に規定する専門職大学院であって、法曹に必要な学識及び能力を培うことを目的とするものをいう。)の課程(次項において「法科大学院課程」という。)を修了した者
2. 司法試験予備試験に合格した者
試験科目 (1) 試験は短答式(択一式を含む。以下同じ。)及び論文式による筆記の方法により行われます(法第2条第1項)。短答式試験と論文式試験は同時期に行われ,受験者全員が両方の試験を受けることになります。
短答式による筆記試験は,裁判官,検察官又は弁護士となろうとする者に必要な専門的な法律知識及び法的な推論の能力を有するかどうかを判定することを目的とし,次の科目について行われます(法第3条第1項)。
・ 憲法
・ 民法
・ 刑法
(2) 論文式による筆記試験は,裁判官,検察官又は弁護士となろうとする者に必要な専門的な学識並びに法的な分析,構成及び論述の能力を有するかどうかを判定することを目的とし,次の科目について行われます(法第3条第2項)。
・ 公法系科目(憲法及び行政法に関する分野の科目をいう。)
・ 民事系科目(民法,商法及び民事訴訟法に関する分野の科目をいう。)
・ 刑事系科目(刑法及び刑事訴訟法に関する分野の科目をいう。)
・ 専門的な法律の分野に関する科目として法務省令で定める科目のうち受験者のあらかじめ選択する一科目(選択科目)
(3) 選択科目は,次の8科目とされています(施行規則第1条)。
・ 倒産法
・ 租税法
・ 経済法
・ 知的財産法
・ 労働法
・ 環境法
・ 国際関係法(公法系)
・ 国際関係法(私法系)
合格基準 合格者の判定は,短答式試験の合格に必要な成績を得た者について,短答式試験及び論文式試験の成績を総合して行われます。なお,合格者は,司法試験考査委員の合議による判定に基づき,司法試験委員会によって決定されます。
合格率 45.5%(令和4年度)
合格発表 令和5年11月8日(水)
受験料 28,000円
詳細情報 法務省 司法試験の実施について

司法試験の難易度まとめ

司法試験は、数ある国家試験の中でも最高難度の試験です。

「予備試験ルート」「法科大学院ルート」のどちらを選択するにしても、何年もの勉強期間が必要です。

また、極めて難しい試験であることから、試験対策のためにスクール・予備校に通ったり、通信講座を受けたりする人も多いです。

ご自身の金銭的な事情やライフスタイルなどをよく考慮した上で、どのルート・勉強方法で司法試験合格を目指すのか考えていきましょう。