予備校講師の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説

予備校講師の平均年収・給料の統計データ

予備校講師の給与は「能力に応じた基本報酬×担当コマ数」で計算されることが多く、実力を認められれば基本報酬は上がり、担当コマ数も増えていきます。

新人であれば1コマ数千円が相場で、人気予備校講師であれば1コマで万単位までアップすることもあります。

人気予備校講師の中には、複数の大手の予備校を兼任し、1000万円を超える年収を手にしている人もいます。

予備校講師の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

予備校講師の平均年収_2022

厚生労働省の令和4年度賃金構造基本統計調査によると、個人教師・塾・予備校講師の平均年収は45.6歳で494万円となっています。

・平均年齢:45.6歳
・勤続年数:12.1年
・労働時間:166時間/月
・超過労働:12時間/月
・月額給与:344,200円
・年間賞与:808,500円
・平均年収:4,938,900円

出所:厚生労働省「令和4年度 賃金構造基本統計調査」
予備校講師の平均年収の推移_r4

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

予備校講師の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

各社の統計データをもとに算出すると、予備校講師の平均年収は400万円前後となると思われます。

厚生労働省の統計調査より、ボーナスが年間でおよそ2ヶ月となっていることから、月額総支給額は34万円、ボーナスは年間81万円ほど支給されていると考えられます。

東京都で勤務する予備校講師で、独身の人の場合、交通費などを除外して考えると月の手取り額は22〜23万円ほどになると見込まれます。

現在、日本人全体の平均年収が約420万円と言われていることから考えると、一般的な職業と同程度、または若干低めといえるでしょう。

予備校講師の初任給はどれくらい?

予備校講師の新卒での初任給の平均は18〜20万円と、一般企業とほとんど変わらない金額になっています。

その後は能力や実績に応じて昇給額が変わっていきます。

また、大手の予備校では初任給、福利厚生も含め、中小の予備校よりも良い待遇で働くことができる傾向にあります。

予備校によってかなり待遇が異なるため、応募する前に自分の入りたい予備校の情報を調べておくとよいでしょう。

予備校講師の勤務先の規模別の年収(令和4年度)

予備校講師の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

10〜99人規模の事業所に勤める予備校講師の平均年収は470万円、100〜999人規模は493万円、1,000人以上の規模では569万円、10人以上規模の事業所平均は494万円となっています。

予備校講師の年収(規模別)_r4

上記グラフの基タイトルは「その他の教員」で特別支援学校教諭など他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

予備校講師の勤務先の年齢別の年収(令和4年度)

予備校講師の年収を年齢別に見ると、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、55~59歳の619万円です。

全年代の平均年収は494万円となっています。

予備校講師の年収(年齢別)_r4

上記グラフの基タイトルは「その他の教員」で特別支援学校教諭など他職業を含むデータです。

 

予備校講師の福利厚生の特徴は?

一般的な大手予備校の場合、役職に与えられる役職手当や、固定残業代が支払われます。

また、全国に予備校がある大手の場合は、各校を行き来する際の車両手当や移動手当てが支払われます。

そのほか、夏季講習や受験前シーズンの特別講習など時間外の勤務を行った際には、特別手当が支給されることもあります。

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予備校講師の給料・年収の特徴

複数の予備校を掛け持ちする

非常勤として登用されている場合、複数の予備校で勤務している人も珍しくありません。

予備校によってはWワークを禁じているところもありますが、非常勤の場合は比較的規定が緩やかで、授業時間以外は自由に過ごすことができます。

予備校講師以外にも、通信教育の添削や家庭教師などをする人も少なくなく、個人の裁量で収入を伸ばすことも十分に可能であるといえるでしょう。

出張も多い

日本全国に校舎があるような大手予備校では、人気のある講師は出張して授業を行うことも多くあります。

また、高校などから依頼を受けて出張授業に赴くこともあります。

基本的に出張費などは経費扱いになりますが、非常勤講師の場合は交通費も実費になることがあるようです。

予備校講師が所属する代表的な企業の年収

会社名 平均年収 平均年齢
(株)秀英予備校 451万円 35.8歳
(株)ナガセ 773万円 37.5歳

出典:2023年現在(各社有価証券報告書より)

(株)秀英予備校の平均年収

(株)秀英予備校の平均年収は、451万円です。
大学受験部では高校1年生から卒生までを指導し、各科目有名講師、実力講師を揃えているのが特徴です。
静岡を中心としており、中学生向け集団指導塾も人気を集めています。

(株)ナガセの平均年収

㈱ナガセの平均年収は、773万円です。

高校生向け受験塾「東進ハイスクール」や「東進衛星予備校」が有名で、傘下に中学受験塾「四谷大塚」や「イトマンスイミングスクール」を持つなど教育界で大きなシェアを得ています。

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予備校講師の正社員以外の給料・年収

非常勤講師

非常勤講師やアルバイトの場合、一コマでの時給換算が一般的です。

この業界の時給は比較的高く、1500円~2000円が相場で、経験や実力によっては3000円近くまで上ることもあります。

非常勤講師の場合の年収は、230万円~250万円ほどとなるでしょう。

独立・開業

予備校講師として独立するにはかなりの労力が必要です。

予備校の数も多く、なかでも大手予備校の人気が高くなっているため、個人で戦うには難しい業界といえるでしょう。

ただし、参考書などを出版して副収入を稼いでいる講師や、メディアに出演してマルチタレントとして活躍する講師もいます。

実力が認められて人気が出れば、個人としての道も開けるかもしれません。

予備校講師が収入を上げるためには?

キャリアを積み昇進する

予備校講師として年収をアップさせるには、責任のあるポストにつき、役職手当の部分を大きくさせるという方法があります。

正社員であれば役職に応じた昇給があり、一般的には、勤続年数に応じて非常勤講師、常勤講師、科目責任者、校長という形でキャリアアップしていくことが多くなっています。

ただし、こうした管理職に就くと講師としての職務から離れ、経営側の仕事も増えてしまうため、抵抗を感じる人も少なくありません。

生徒からの人気を得る

予備校講師は、実力勝負の世界です。

大手予備校には人気講師や名物講師が在籍しますし、予備校を代表するような講師になれば、全国の校舎で教鞭をとることができます。

また、外部講師として招かれたり、受験直前対策など重要なコマを任されるようになり、より単価がアップしていきます。

人気が上がるにつれて授業数も増えるため、実力と人気次第ではいくらでも稼げる仕事といえます。