和裁士のつらいこと、大変なこと、苦労

どんな職業にも苦労はつきものです。それは和裁士にしても同じこと。和裁士という職業には、どのような苦労やつらいことがあるのでしょうか。

身体的なつらさ

長時間ほぼ座りっぱなしで、細かい作業をこなす和裁士。その作業体勢のせいで、長年仕事を続けていると姿勢が悪くなると言います。その結果、慢性的な肩こり、腰痛、疲れ目に悩まされる人が多いようです。

悪化すると腕が上がらなくなったり、ヘルニアになったり、視力がひどく落ちてしまうなど、深刻な事態になりかねません。それでも、仕立てをしないことには収入になりませんから、無理を押して仕事を請けることもあるそうです。

経済的な苦労

和裁士の収入状況は、国家資格である和裁技能士1級を持つ人でも、和裁所に勤めれば月給20万円程度。フリーランスで能力のある人はもっと収入の多い人もいますが、和服業界全体が不況の現在、少ない依頼数を分け合うような状況だと言います。そのため、同年代の一般企業勤めの人に比べると収入は半分ほど、という場合も少なくないようです。

和裁士のかたわら、和裁教室や着付け教室の講師、またはリサイクル和服のショップを経営するなどして、収入の補助にしている和裁士もいます。

納期の苦労

得意先の呉服店や個人の依頼人に、「どうしてもこの期日までに仕上げてほしい」と頼まれたら、無下に断ることができないのも、和裁士のつらいところです。私生活を犠牲にして、納期までに依頼品を仕上げなければいけません。

また、反物のサイズがどう考えても足りないのに、希望のデザインに仕上げてほしいなど、無理な依頼内容に泣かされることもあると言います。もちろんできないことはできないと言わなければなりませんが、依頼主の希望を最大限尊重しながら妥協案を提案というのは、骨の折れるプロセスでしょう。